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2017.6.15 Thu

個人的「捨てられないTシャツ」。

write_ Rachel

個人的「捨てられないTシャツ」。
待ちに待った都築響一さんの「捨てられないTシャツ」を読了しました。まえがきの一節で帯にも使用された “いつごろからか、「ヨシなのかダメなのか判断に迷う」Tシャツには、着用する人の確固たる意志や、根拠のない自信や、なによりも個人的な記憶が染み付いていることが多々あるのに気がついた” という言葉にワクワクしつつページを開いたところ空山 基さんや犬山紙子さん、ベッド・インの中尊寺まいさんなどが名前を伏せて(でもヒントを残しつつ)己の人生を淡々と、かつ赤裸々に語っていて。もちろんおもしろいんですけど、著名人の方々より一般人の話のほうが強烈で驚きました。中でも42歳女性が紹介する「ジョーイ・ラモーン」のTシャツの話は読みながらどんどん自分の精神がティーネイジャーに戻るような錯覚に陥るエピソードでして、いちばんのお気に入りです。文章も最高にうまい。ラーメンズのコントの中に「誰でも一生に一本くらいは面白い物語を書くことができるんですねぇ」という一節があったのを思い出しました。まさに事実は小説よりも奇なり。





ちなみに私の「捨てられないTシャツ」を実家から引っ張り出してきました。SPACE SHOWER TVが販促かなにかでリリースしたマイケル・ジャクソンのTシャツで、TVの制作会社に勤めていた友達とフリマを開いたときに譲ってもらった1枚。いまではよく見るカタカナのデザインですが当時はかなり斬新で、パジャマ行きにせず大事に取っておきました。そしてちょうど8年前の明け方の4時ごろに編集部で撮影準備をしているときラジオから発せられた突然の訃報にいてもたってもいられず、かといってなにをすることもできずに泣きながら1人でスニーカーのヒモを結び直し、翌日初めてこのTシャツに袖を通したのが懐かしい。TVやネットのニュースなどの視覚で受ける訃報より、まるで身内が亡くなったことを知らせる電話みたいな聴覚で受けるマイケル・ジャクソンの死が強烈だったことを覚えています。そこから8年クローゼットにしまったままでした。今度の6月25日の命日にもう一回着てみようかと思いつつ、YOUTHのMサイズなんてもう入んないシルエットになってしまったなぁと途方に暮れています(笑)。

こんな梅雨どきは、みなさんも「捨てられないTシャツ」探しでエモい気持ちになってみては!
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