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2018.3.5 Mon

ジャズの帝王マイルス・デイビスがヒップホップに挑戦 !?

write_ Olga

ジャズの帝王マイルス・デイビスがヒップホップに挑戦 !?
先週の回で最近買ったCDを紹介したように、CDやレコード、カセットテープはお店に立ち寄るたびにちょこちょこと買っては集めています。知らぬうちにどんどん増えてきているので、今日はそんな手持ちのCDのなかからマイルス・デイビスの遺作『doo-bop』をご紹介。



マイルス・デイビスといえば、アメリカのジャズトランペット奏者。日本では“ジャズの帝王”なんて呼ばれたりして、名前を聞いたこともある方も多いはず。ジャズを語るには外せない存在なのですが、今回ピックアップした『doo-bop』は“ジャズの帝王”として君臨していた彼とは一味違った姿が見えてくるアルバム。もとからジャズひとつにしても様々なジャンルと絡め、いろんな音楽テイストを生み出してきたマイルス・デイビス。ファッションに関してもそうで、スーツでビシッとした服を着て演奏するイメージが強いジャズですが、彼はかなりサイケデリックな服を身につけて演奏するときもあったりと、音楽面もスタイル面でも常に革新的な姿勢だったんです。この『doo-bop』は彼が初めてヒップホップの要素を取り入れ、プロデューサー兼ラッパーとしてイージー・モー・ビーを迎え、作りあげた一枚。

このアルバムのなかでもお気に入りの一曲は「THE DOO-BOP SONG」



一定のリズムが続く聴き心地のよさと安定感。イージー・モー・ビーのラップももちろんいいですが、やっぱりマイルスのトランペットの音が効いていてかっこいいんですよね。最後の方で「マーーーマーイルスデイビス」ってコーラスが入るんですが、これがまたクール!

ちなみにこの曲、ギャング・スターの「DJ Premier in Deep Concentration」がサンプリングで使われているんです。



さらにこれをたどるとクール・アンド・ザ・ギャングの名曲「Summer Maddnes」をサンプリングで使っていたり。



こうやって一曲を辿っていくとやっぱり自分の好きなものなのだなと納得。これだから音楽っておもしろいんですよね。止まりがない。

このアルバム、リリースされた当初はマイルス・デイビスの”新しい音”にファンからは賛否両論があったそう。私個人的には、知っているマイルス・デイビスの姿からは想像できないかなり攻めた一枚でかっこいいなと思います。彼の音楽へ挑戦し続ける熱が伝わってくる感じがとてもすきです。

賛否両論を巻き起こすからこそ、また新しい音楽が生まれるわけで。いま流行っているジャジー系のヒップホップもここからスタートしたのでは? と思っています。
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