ー〈ゴットゥービー（got2b）〉はひとりひとりの個性を大事にしながら自由にセルフでブリーチオンカラーを楽しめるブランドです。ミュージシャンとしての活動のみならず小説やペインティングの作品など表現者として多岐に渡って活動されているDaokoさんのクリエイティブなマインドと、実際に〈ゴットゥービー（got2b）〉を愛用して自由に髪色で遊んでいる人たちのマインドで共通する部分があると思いオファーさせていただきましたが、まずは今回の企画の話が来てどう思いましたか？

イメージが定着しているのを実感していることと、自分でもしっくりきているから黒髪ロングを続けていたので、最初は「私でいいのかな？」と思いました（笑）。日本人の持つ髪色である黒髪に、誇りも持っていますし。とはいえ、いろんな髪色や髪型で遊んでいる人を見ると、「いいなー」ってイメチェンしたくなるときも多々あります。なので気分転換として気軽にトライできるのはすごく有り難かったです。今回のように、もとの黒髪を活かしつつインナーカラーで前髪の毛先だけ色を取り入れてみたり手軽に髪色で遊べることも、発見でした。

ーアイデンティティである黒髪をキープしつつ、でもカラーヘアにもトライできる気軽さはいいですよね！

ファッションを楽しむ感覚で、気分転換に毛先やインナーの髪の毛を簡単に染める時代が来たんだなーと思いました！ すごい！

ー黒髪ロングの印象が強いだけに、インナーカラーでもすごいイメチェンしたような感じがしました。

まだ自分の目が慣れないくらいです（笑）。

ー実際に体験してみた感想は？

思ったより手軽で驚きました。ブリーチも傷んだ感じはなかったし何より発色がいいですよね、カラークリームはクリームの状態で見た色と染め上がりの色が割と近いような気がしていて、そこも染め上がりをイメージしやすくて簡単でした。安い・早い・きれい！ みたいな、思い立ったが吉日的な（笑）。反射的にやりたいことにすぐ挑戦できるところはいいですよね。それは私の曲制作の感じと似てるかも。日々衝動的に、気分で表現して作品を作るので。

ー衝動的にイメチェンをしたいときもありますよね。例えば、夜中に突然前髪を切りたくなったり、髪型を変えたりしたくなるときとか…。

ありますねそんなときに、パッとできるのはいいかもです。これこそが令和って感じがします。

ー半分ずつ青とピンクに染めた理由は？

カラーが得意な美容師さんのインスタグラムを見ていたら、半分ずつ染めている投稿を発見してやってみたいなと思いました。「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」のストッキングというキャラクターが好きなんですけど、彼女の髪色をインスピレーションに。今回のようなピンクと青の色合いがかわいい女の子で、大好きなキャラクターです。

ー実際に変化したご自身を見てどう感じましたか？

新鮮です〜！ ブリーチオンカラーはずっと憧れていたので、今回の企画で黒髪ロングを貫きつつ、程よく気分転換もできる方法を知ることができて、うれしかったです。今日は髪色とネイルの色味を合わせてみたんですが、そうやって自分自身を表現する方法がまたひとつ増えたということでもあると思うので、これからがより楽しみになりました。

ーこの髪型に変えてどんなファッションをしてみたいなと思いましたか？

ファッションは髪色を活かしてモノトーンでできたらと思いました。私の音楽はジャンルレスとも言えると思うのですが、ファッションも日替わり感覚で、甘めからストリートまでいろんなテイストを着るので、そのなかで髪色もリンクさせて変化を楽しめたらなと思いました。その日に会う人に合わせて格好をガラッと変えているので、もっとトータルでのアレンジを楽しんでみたいです。

ーピンクでイメージするものは？

「おジャ魔女どれみ」。個人的にはおんぷちゃん推しなんですけど！ っていうのは冗談で、女性のかわいらしさ、無邪気で無垢な色をイメージしやすいです。ちなみに普段着ではピンクも着るんですが、なぜかステージ衣装ではピンクって着ないんですけど、一度だけ「サンリオピューロランド」でのライブでは着たことがあって（笑）。私にとってのピンクはそんな色です。

ー青でイメージするものは？

対照的に神秘性がありますよね。かわいいの反対にあるような。

ーいちばん好きな色は何色ですか？

なんだろ…青が好きそうって言われるのですが実は何色でも好きなんです。絵を描く上でよく使う色はペールブルーとか、パステルカラーが多いのですが…絵の具そのままの色を使わずに大体は白色で薄めるので、白の絵の具の減りが早いです（笑）。

ーどちらかと言うと何か心に決めた一色がありそうだなと思ってました。

そうじゃないんですよ。あとは好きな色と自分に似合う色もまた違ったりもしますよね。そこも関係していたり？

ーご自身から見て、その好きな色と自分に似合う色は一緒でしたか？ 違っていましたか？

違うのかも。好きな色はペールトーンの青、赤、黄色なんですが、服はパキッとした白、黒、赤、原色系のものが多いような。

ー好きな色があるように、好きな質感はありますか？ ラメとかマットとか。

キラキラしたものは好きですね、ネイルはラメにすることが多いです。アイメイクもまぶたキラキラさせとけばOKってくらいで。とにかく女の子はみんなキラキラしたもの好きですよね。でも肌の質感はマットが好きかも。

ー小さい頃からキラキラしたものは好きでしたか？

魔女っ子というか、マテリアル系の魔法のステッキとか大好きで大きめのキラキラしたものがとくに好きでした。幼少期の好きな気持ちがコアとなっているから、いまもずっとキラキラが好きなんだと思います。

ー自分にぴったりだと思う色、何かオーラの色といいますか…ありますか？

オーラ！（笑） 私個人的には何色でもなれると思っていて、器体質だと思っているんです（笑）。そういう意味ではプリズム？ 太陽光のような一色では表現できない色が似合うような気がします。難しい…逆に私が誰かを見て似合いそうな色とかはなんとなくわかるんですけどね。

ーこの色似合いそうって言われることはありましたか？

メジャーレーベルで活動していた頃は、青がイメージカラーだったのでよく言われてました。でも同時に青は好きな色でもあるんです、海も空も好きで、私にとって特別な色です。

ー対人の色についても伺いたいです。よくレンジャーもので赤は情熱的な主人公、青はサブで癒し系、といったようにキャラクターと色がリンクするときってあると思いますが、Daokoさんならではの視点のパーソナルカラーがあれば教えていただきたいです。

赤は情熱的。血の色なので生命力があるような感じがしますね。青は冷静さ。空と海の色なので雄大さもあって、凛としている。緑は割とおっとり系？ （笑）。癒し系で優しい感じがしますよね。黄色は天真爛漫で元気なイメージ。紫はミステリアス。昔から高貴な人しか着れないような色だったようですし、スピリチュアルな色だったりもするので、紫は神秘的で自然界にはない特別な色だと思うんです。ピンクはやっぱりかわいくてスイートな感じ！

〈セレナヘリオス〉ニット ¥19,800（コンコード ショールーム 03-6804-3108）、〈ファセッタズム〉なかに着たボディースーツ ¥30,800（ファセッタズム 青山 03-6459-2223）、〈アクオド バイ チャヌ〉スカート ¥74,800（アクオド バイ チャヌ info@acuod.com）、〈ボース〉ブーツ 各¥74,800（both tokyo 03-6712-6466）

ーDaokoさんの新曲『fighting pose』の一節に「あなたの見えている色は何色なのか？」とありました。ここ一年くらいで感じたなんとも言えない気持ちを表された曲ということでしたが、この一節に込めた意味について教えてください。

「あなたの感覚になってみたい」という意味です、想像力のお話なのですが、私の哲学での重要なテーマでもあります。例えば、自分が見えている青と、他者が感受する青って、まったくの一緒じゃないと思うんですよ。痛みに置いても、同じショッキングなことが私と他者に起きたとして、感じる“痛み”は人それぞれ。他人の感覚を想像することがやさしい世界に繋がる一歩だと思います。他者と完全に同じ色や痛みを感じることは絶対にできないけれど、想像力で補うことは出来る。それは思いやりだし、本当の優しさなんじゃないかと思います。

ー自分が思っていた色と相手が受け取った色の印象が違うことってあるじゃないですか、Daokoさんもそんな経験はありましたか？

青と一言に言っても、実際にいろんな色があるように、言葉だけでは説明しきれないニュアンスがありますよね。なので、人とものづくりをするときは、その誤差をなくす為になるべく多くの情報で細くします。例えば、曲を作る際にも、色や絵でオーダーするときがあります。夏なのか冬なのか、青のイメージならその青は水色なのかオーシャンブルーなのか、実際に色が見てわかるように、想像力を助ける素材を集めて共有します。

ー曲を色でオーダーするということは、音楽を聴いたときに色が見えるってこともあるんですか？ ロックは赤っぽいとか。

実は公開してないんですが、Spotify上に“水色”というプレイリストをつくったりもしました。曲の印象で色分けしてみてもおもしろいかなと思って。ジェイムス・ブレイクの『CMYK』はTHE 水色！って感じです（笑）。個人的見解ですが（笑）。

ーその水色プレイリストの中身が気になります！

こちらです！ フォスター・ザ・ピープル『Call It What You Want』とか、レイ・ハラカミさんも淡い色のイメージだなあ。

ーDaokoさんにとって色は表現する上で、どんな存在ですか？

日常生活、五感でいちばん影響を受けているなと思うのが“視覚”で、色が鮮明に頭に残ったりします。小説を執筆していたときにも、「情景描写が得意ですね」と担当の方に仰って頂いたこともあって。だから色がない生活なんて考えられないです。

ーこの一年間は実際に何色に見えていましたか？

グレーですかね。少しグロッキーで、世のなかに対しての印象はグレー。でも人それぞれの個性を活かしながら、イマジネーションを大切にして、もっと優しい世界になっていけたらいいな。

ー最後に、これからのDaokoさんがどうなるかを色で表すと…？

何色にでもなりたいなぁ。白米になりたいんです、ハンバーグにも合うし、チャーハンにもなるし、お漬物にも合うような。