That's REINCARNATION.
イメチェンすなわち転生。TSUBASAがヘアで挑戦したかったこと。
ここ日本ではヘアサロンがコンビニの数よりも多いってのは有名な話。
原宿や渋谷のメイン通りをよく見てみると美容師さんが道端でモデハンのために目を光らせていたり
インスタグラムのDMで声かけたりなんてことは当たり前の光景として私たちの日常にあります。
ヘアアーティストのTSUBASAさんはそんなヘアサロンの固定概念を壊したお店をオープン。
仏教で転生を意味する「リンカーネーション(REINCARNATION)」を冠し、まったく新しいあり方を提示しようとしています。
今回は先駆けて、TSUBASAさんが挑戦してみたかったイメチェン企画を実施。
人がこうして素敵に変わっていくのを間近で見れるのって楽しいですね。
Photo_Marisa Suda
1993年生まれ。ニューヨークでのサロンワークを経て、現在は東京を拠点にモデル、アーティストのヘアを手掛ける。また国内外のエディトリアル、大手広告などでヘアアーティストとしても活躍。5月27日には自身プロデュースによる「リンカーネーション(REINCARNATION)」をオープンする。服屋とヘアサロンがひとつの空間に落とし込まれた新感覚なショップで、今後さまざまな人で溢れるカルチャースポットになっていきそう。
01 松原 輝さん
before
after
ちょうど短髪にしたかったから応募したという松原さん。くせのないきれいな直毛だったので、90年代風スパイキーヘアにトライ。襟足を刈り上げずに全体を同じ長さにカット、最後にワックスで毛先をツンツンと立たせて完成。このカットをセクションごとに長短メリハリつけることでセックス・ピストルズのシド・ヴィシャスのようにもなるし、全体をより短くカットすると『ファイト・クラブ』のブラッド・ピットのようにもなるとのこと!
02 吉田洸輔さん
before
after
ビフォアーはセルフブリーチした金髪だった吉田さん。TSUBASAさんから声をかけて染めることになったそうで、ふたりで話し合った結果、せっかく染めるならピンクでと。ちなみに吉田さんはこれまでシルバー、オレンジ、ピンクは経験済みで、やっぱりピンクがお気に入りだったとか? くすみ系の薄ピンクでベースカラーを作って、その上に柔らかい印象のピンクマニキュアをオン。そこからバッサリカットして、全体の毛先にちらっと残るくらいの見え感に。このさりげなさが奥ゆかしい。
好きなことを飽きないために挑戦する場を持ちたい。
- ーこのイベントをやってみようと思ったきっかけは?
- 夜中にふと考えたときがあって(笑)。僕の新しいお店もオープンするし、それにあたって何かしたい気持ちがあったからかな…。よく雑誌でイメチェン企画ってあったじゃないですか、おもしろいって思ってたけど女の子の企画が多かったですよね? 当時は芋っぽい子がおしゃれに変身! みたいなジャンルっぽいものだったけど、僕はもう少し自分発信でやるならおしゃれなものとしてやりたかったんです。最初はインスタライブでサクッとやるくらいで考えていたけど、お店にくるのに腰が重い人たちにとってのおもしろいきっかけになれるように今後も定期的なイベントになっていったらいいなと思っています。
- ー行きたいって思う人もたくさん現れそうですね!
- ですね。あとは僕が毎日のサロンワークに飽きないようにやりたいっていうのもあります。どの仕事もそうだけど、つまんなくなったり、マンネリ化したりするとおもしろいことができなくなっちゃうんですよ。何か変化するという意味では、20代を駆け抜けた「THE OVERSEA」を卒業して、自分のサロンをオープンすることも僕が30歳になるタイミングで新しい挑戦としてスタートさせたかったんです。オーナーとして自分の箱を持つことで、よりよくするためにコンテンツを作ったり、自分で仕掛けるようなことをやっていきたいですし。今回はそんな先駆けになる機会になりました。
- ーでは、今回のイベントは自分で仕掛けるものとしては初めての試みだったんですね。
- そうです。やってみたいことをやってみようみたいな。飽きないためにも、思いつきでもいいからどんどんやってみようって感じです。カットでもカラーでも印象はかなり変わりますよね。それにトライしてみるだけでもおもしろいし、こうして撮影されてページにもなることでアーカイブされますし、すごい意義深いものになりました。いつか自分でこういうアーカイブをためてZINEを作ってみてもよさそうですね。
- ー街中で声かけてカラーモデルを探すという美容師の方がよく行う方法ではなく、TSUBASAさんのインスタグラムで募集をかけたってところもおもしろいですね。
- 募集してモデルの方を選ばせてもらったというところも確かにおもしろかったですね。美容師って日本だと本当にたくさんの方がいて、コンテンツとしててんこ盛りにあるような状態なんですよ。僕はその美容師の枠組みにとらわれたくなくて、こういうことを始めたかったし、新しいお店も服が買えてヘアも変えられてっていうファッションをトータルで体感できる空間にしたかったんです。そもそもでヘアを手掛ける人もモデルがいいってわけじゃないんです。顔がきれいかどうかってことじゃなく、その人それぞれの内面と求めているもの、ファッションのなかでのトータルバランスをとって素敵に作ることを大切にしています。そういうかっこいい人が生み出せる場所になれたらいいなって思っています。
- ーなるほど。
- ヘアだけだとそういうお店も既にたくさんあるので、もっといろんなコラボレーションができる場所にしたかったんです。僕のことも美容師って定義せず、ヘアのプロとしてカットもカラーもパーマもできるけど、その人に合う服も提案できるみたいな。来てくれた人がトータルで生まれ変われる場所であってほしくて、店名も生まれ変わりを意味する「リンカーネーション(REINCARNATION)」にしました。
- ーコンセプトやテーマを絞りすぎてない感じがして、その余白を残してるところも今後楽しみだなって思いました。
- そうですね、従来のヘアサロンではないあり方ってくらいの大きな定義ですしね。スケーターやモードが好きな子、サラリーマンとか「何か変えたい」って思ういろんな人に来てもらえたらと思っています。
- ーTSUBASAさん自身はスタイルが確立されているのに、来る人の間口が広いところってなんだか不思議です。
- ヘアサロンって「〜系」とか「〜っぽい」とかどうしても定義されがちですよね。それに対して否定的ではないんですが、僕がやってもおもしろくないなって思っているだけなんです。せっかくならグローバルで多様性のある場所にしたいなって。
- ー今後どういう人が訪れるのか気になりますね!
- あとヘアサロンって「ここに通っているからこっちには行きづらい」とかあるじゃないですか、それも好きじゃないんですよ。例えば通ってるヘアサロンがある人でも、ここに服を見に来てくれれば変な気まずさを感じなくて済みそうとか。ふらっと遊びに来れる場所だといいですよね。そういう多様性を持ち続けていきたいです。今日のふたりも、片やスタイリッシュで片やスケーターみたいな。ラフでモードな感じと、ストリートな感じで同じスパイキーでも質感が変わっていましたよね。そんなミニマムな部分をフィックスするだけで雰囲気を変えられるのは僕もやってて楽しいんです。
- ー最後に、「リンカーネーション(REINCARNATION)」をどんなお店にしていきたいですか?
- ここまで答えてきて分かると思うんですが、好きなことを飽きないためにかなり自己中になって実現させたお店なんです。やりたいことやりたくないことの白黒がはっきりしてる分、自分が働きやすい環境を自分で充実させるって本当に大事で。そんな意味を込めての試みでもありました。なので、そのやりたいことを突き詰める場所にしていきたいです。
INFORMATION
REINCARNATION
住所:東京都港区南青山6-6-22 南青山グリーンランドビルⅢ 1FInstagram @reincarnationstore
5月27日(土)17:00〜
オープニングレセプションも!
インタビューを読んで気になった方はぜひチェックを。