工藤玲音さんの歌集『水中で口笛』

静かに寄り添ってくれる一冊。

前著『わたしを空腹にしないほうがいい』を手に取り、まずそのタイトルに首がもげるほどうなずいたのが2018年のこと。食いしんぼうエッセイの大ヒットから時を経て、工藤さんが16歳の頃から書き溜めた短歌の第一歌集が、満を持して出版されたので早速ゲットしました。日常を切り取る優しくも力強い言葉選びはもちろん、文字数に縛られない自由さが心にすーっと沁みるんです。使い方ひとつで言葉ってここまできらきらするのか！と。読み終えてしまうのがさみしくて、寝る前に少しずつ大切に読んでいます。