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2018.2.23 Fri

ファッションブランドがつくるムービーがおもしろい。

write_ Tatty

ファッションブランドがつくるムービーがおもしろい。
昨シーズンに引き続き、“GO WITH THE FLAW”をテーマに〈ディーゼル(DIESEL)〉が広告キャンペーンムービーを制作しました。内容を一言で表すならば、「人間なんて不完全でいいじゃん!」というもの。誰しもが何かしらコンプレックスを持っているわけで、それを肯定してくれる声の主が〈ディーゼル〉だととても心強く感じるのは僕だけでしょうか。


それぞれ大きな耳と鼻がコンプレックスの男女が整形後に出会い結ばれますが、生まれた子供に大きな耳と鼻がついていたことでその秘密が発覚! でも、不完全であることが唯一無二の魅力であることを、彼が教えてくれるわけですね。

SNS映えなど完璧さを求める世の中の流れに対して、人生の不完全さを受け入れ、誇りを持って不完全さをポジティブな魅力に変えていこうというストーリーは、世の中の風潮に対して強いメッセージを投げかける〈ディーゼル〉らしさに溢れています。

ちなみに作中には、不完全なままでいることを推奨する3つのメッセージ(@wantedsocks、www.bluffet.com、www.layover.it)が隠されていて、実際にこれらのサイトにアクセスすると〈ディーゼル〉らしいアイロニーがつまったコンテンツが表示されるという仕掛けも。前出のURLをコピペしてすぐにアクセスしてもらってもいいんですけど、せっかくなのでご自身でムービーを見進めて、見つけてからにしてもらえるとうれしいです!

ほかに、ファッションブランドが手掛けたムービーで話題になっているのはこの辺り。


目にした方も多いであろう〈ケンゾー(KENZO)〉のムービー。結構前ですが、映画監督のスパイク・ジョーンズが手がけたことで話題になりました。ドレスを纏った女性が、サム・スピーゲルとエイプ・ドラムスの『Mutant Brain』に合わせてクレイジーなダンスを披露するという異色作。普通フレグランスの広告キャンペーンといえば、“エレガント”がお決まりのキーワードですからね。



ショートムービーといえば〈プラダ(PRADA)〉。過去にはウェス・アンダーソンともコラボしていますし、昨年末にはオータム・デ・ワイルドとの共同作品を公開。2年前に制作された『The Postman Dreams』の続編となる『The Postman Dreams 2』と、アクセサリーに焦点を当てた『The Postman’s Gifts』の2ストーリーが、各4話ずつで構成されています。続きはオフィシャルサイトで。




クリエイティブ・ディレクターが変わった新生〈ジル・サンダー(Jil Sander)〉も、ユニークなムービーを制作。『パリ、テキサス』で知られる映画監督のヴィム・ヴェンダースによる短編集でシーズンを通して全5つのムービーが順次アップされていくことに加え、各ムービーを一時停止して切り取ったシーンを今シーズンのキャンペーンヴィジュアルに使用しているそう。現在公開されているのはエピソード3まで。


〈リーボック クラシック(Reebok CLASSIC)〉は『インスタドラマ』なる企画を絶賛進行中。“クラシック”をテーマに語られる、主人公の広人と友人たちのストーリーは全15話。本編は〈リーボック クラシック〉の公式インスタグラムアカウントで観れます。上のティーザーの最後に出てくる中華料理屋って、甲本ヒロトがバイトしてた「珉亭」ですよね。

ストーリー性のあるものって単純に作品として観ていて楽しいですし、静止画では拾いきれない服のシルエットやディテールを感じることができるのも魅力のひとつ。映画を観ていてもそうであるように、キャラクターのある人物が着ることでより服の良さが引き出されることもありますしね。来シーズン以降も、ファッションブランドがつくるムービーコンテンツに期待です。
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