森七菜、軽やかに悪女を演じる。
森七菜、軽やかに悪女を演じる。 森七菜、軽やかに悪女を演じる。

A cheerful wicked women.

森七菜、軽やかに悪女を演じる。

2026.09.25

9月25日(金)公開の、“1億円”を巡るマネーサバイバル映画『藁にもすがる獣たち』。
本作で自身初となる“悪女”を演じた森七菜さんに、
役への向き合い方や作品の見どころをインタビュー。

そして今年でデビュー10周年を迎えたその心境や、
あいみょんさんの楽曲提供によって
約4年ぶりにリリースされた新曲『カフェ・オ・レ』についてなど
たっぷりお話をお伺いしてきました。

Photography: Mariko Kobayashi

― 本作が初めての“悪女役”という森さん。演じられていかがでしたか?
韓国映画の方も拝見して、すごい作品だな、この役をやるんだ……とはじめに思いました。今まで演じたことのない悪さをたくさんする役だったので、純粋に楽しみでした。私が演じた“し〜な”は、もう毎シーン何かしら悪事を働いている役だったので。銃を撃ったり、人を騙したり。スタンプがどんどん溜まっていく感じで、演じていて楽しかったです。
― 楽しまれていたとは少し驚きでした! “し〜な”を演じるにあたって、参考にされた作品や役柄はありますか?
韓国版の作品はもちろん参考にはしたんですけど、あまり誰かをモデルにして、というようなことはしなかったです。悪さをしている意識があまりない状態の方が彼女らしいし、そっちの方が狂気が芽生えるんじゃないかと思って。川に誰かを突き落とすにしても、例えばその辺にゴミを投げ捨てるみたいな、軽く受け流すことを意識していました。
― 作品を拝見して、軽やかさはもちろん、エネルギッシュでバイタリティのある悪女だなとも思いました。監督とはどういった対話をして役作りをされましたか?
監督がどういう風に悪さをするか、全部教えてくれたんです。もはやボスみたいな感じで。「これをやってください」「分かりました、これをやればいいんですね」みたいな。
― “し〜な”のボスは監督だったんですね。
そうですね、指示された悪さをすべてやる、みたいな(笑)。
― 劇中では狂ったように泣き笑いをしているシーンが印象的で、あのシーンは演じていて、どんな感情なんだろう、と観客側が少し考えたくなるようなシーンだったのですが、森さんご自身はどんな風に想像して演じられたんですか?
あのシーンはとにかく熱くて熱くて。熱い、怖い、逃げたい、みたいな気持ちがあって……。“し〜な”の軽やかさをここでも表現したかったので、こう言ったらあれですけど、演じることに対してはあまり何も考えていなかったかもしれないです。いま自分がさらされている環境に対して、自然と感じていた恐怖を、そのまま曝け出した、という感じです。
― 以前、森さんが主演を務められた映画『炎上』でもインタビューをさせていただきましたが、そのときの役柄は夜の世界で搾取“される”側でしたよね。今回は、逆に搾取“する”側に変化しているなと思ったのですが、同じ夜の世界の住人でも、違う部分や共通している部分はありますか?
比較してみると、やっぱり殴られた方は殴られたことを一生覚えているし、殴った方は全然気にしないんだなと思いました。それがすごく切なかったです。
― ではその残酷さが“し〜な”の傍若無人な人柄に繋がっているという……。
そうです。じゃないと人を傷つけたあとに笑えないと思ってます。演じるなかで、もう彼女はもともとこういう人なんだなと思って。それがいいか悪いかは置いておいて、ある種才能のような気もしますし。彼女のそういった熱量を、別の場所に生かせたらよかったんだろうけど、そこでしか生きていけなかった何かがあると思うんです。それでどんどん悪い方へと進んでいっちゃうかもしれないです。
― それも魅力のひとつではあるかもしれませんね。森さんご自身は、もし“し〜な”のような危うさのある女性に手を差し伸べられたとしたら、彼女を信じますか?
うわ〜どうだろう……、でも、信じちゃうっていうか、まさに藁にもすがる思いで手を取ってしまうかも(笑)。なんなら最終的には、この女性のことも食っちまえ! みたいなことまで考えちゃうかもしれないです。一緒に稼いだお金を独り占めするくらいのところまで想像するかもしれないです。
― 本作は、とてもアクの強いキャラクターが勢揃いですが、なかでも森さんがいちばん関わりたくないと思う人は誰ですか?
MEGUMIさん演じる“美奈”の旦那さんです。
― 思ったよりメインどころ以外のキャラクターですね!(笑)
リアルに考えてみたらいちばん嫌かも、と思います。それこそ“エリンギ”(青木マッチョ)とかも狂気じみてはいるけど、借りたお金を返さない、だから攻撃してくる、っていう法則が見えるじゃないですか。でも旦那さんは予想ができない。もう何してもダメじゃん! っていうのが、けっこう辛いかもしれないです。
― では、作品の見どころを教えてください。
ノンストップな展開が繰り広げられる映画になっています。たくさんのキャラクターが出てきて、観客の皆さんが1億円の目線になって、コロコロいろんなところに転がされながら楽しめると思うので、ぜひ観ていただきたいです。
― デビューから10周年を迎えられたということで……俳優として、これまでたくさんの役柄を演じられたと思いますが、最も印象に残っている作品・役柄を教えてください。
間違いなくターニングポイントというか、今抱いている目標を目指すきっかけになったのは、岩井俊二監督の『ラストレター』(20年)です。この作品に出演させていただいたときに、自分が表現したいものはこれだって気づけたんです。それがすごく大きかったですし、気づかないまま続けていたら、自分がどんどん迷子になっていたような気もするので、あのタイミングで出会えてよかった作品だなと思います。自分のやりたいものを見つけられて、それを現場で思い切りやるのを面白がってくれるスタッフさんたちだったので、すごく恵まれた環境だったなって思います。
― ここ最近立て続けに出演された作品では、より表現の幅を広げていらっしゃるなと感じます。本作品を含め、新しいジャンルに挑戦されることも増えていると思いますが、どのように向き合っていますか?
実は、自分としてはあまりそういう感覚はないんです。文字にしたら、境遇としては似ている役柄はあるのかもしれないですけど、全部が新しい出会いで、まったく違う人物に見えているので。でも逆に、最近そう言っていただくことがすごく増えて、それがすごくうれしくて、自分のなかでの新しい発見です。
― 10周年の節目に、音楽活動を再開するに至った経緯を教えてください。
もともとみょんちゃん(あいみょんさん)のことが大好きで、ファンクラブに入っているんです。何度もライブに行かせていただいたり、一緒にご飯も食べたこともあるんですけど、口が裂けても曲をいただけないかなんて言えないじゃないですか(笑)。でも10周年を迎えて、みょんちゃんも10周年だし、きっと自分にとってもご褒美になるし、もしまた歌うとなったら、私のことを応援してくれている方には恩返しになるかもしれないと思って、思い切って言ってみました。
― 森さんの方からお声がけしたんですね!
そうです。事務所の方に言ってみたら、すごく不安そうな顔をされたんですけど(笑)。
― そうだったんですね。そんな森さんの熱い思いで完成した新曲の『カフェ・オ・レ』、これはどんな楽曲になっていますか?
この曲は本当に思いがまっすぐで。ちょっと大人っぽいような部分もありながら、子供のような無邪気さで思っているような曲です。
― では最後に、10月にイベントを開催されると思うんですが、それに向けた意気込みや、ファンの方とどういったコミュニケーションを取りたいか、お聞かせください。
実際にお会いする機会というのが舞台挨拶くらいしかないですし、そのときってやっぱり個人的な会話がなかなかできないので……。いつも応援してくれてありがとうございます、という気持ちを皆さんに届けられるようなイベントになればいいなと思って、絶賛準備中です!

『藁にもすがる獣たち』

弱小大学生YouTuber・佐藤寛治(鈴鹿央士)は、バイト先のネットカフェで1億円が入ったバッグを拾い、持ち帰ってしまう。その大金を巡り、裏社会と繋がる不良警官・江波戸良介(成宮寛貴)と、謎の悪女・し~な(森七菜)が動き出し、3人の運命は交錯。バッグの正体と大金の謎を巡る、予測不能のな痛快ループ型ノンストップ・サスペンスが今、開幕する!

監督:城定秀夫
脚本:小林靖子、城定秀夫
原作:曽根圭介
出演:鈴鹿央士 成宮寛貴 森七菜 MEGUMI 前田旺志郎 二ノ宮隆太郎 青木マッチョ 岩松 了 小手伸也 風吹ジュン

©曽根圭介/講談社 ©2026『藁にもすがる獣たち』製作委員会

2026年9月25日全国ロードショー

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