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Freada goes WEST COAST.

フリーダのディレクター小笠原希帆と行くロサンゼルス5日間。
Photo_Ryosuke Yuasa

「フリークス ストア」の元プレス、
小笠原希帆さんが始めた 〈フリーダ(Freada)〉をご存知?
「古着が好き」というピュアな気持ちで 己の道を邁進しているところが清々しく、
ほかとは一線を画したブランド(これは断言させてもらいます!)。
小笠原さんが〈フリーダ〉を引っさげてロサンゼルスで勝負した
5日間に同行させてもらいました。

「インスピレーション」の初出展を終えたばかりの小笠原さんに改めて、〈フリーダ〉を始めた動機と今後目指すことをたっぷりと伺いました。

誰よりも古着が好きだったのが
ブランドを作るきっかけになった。

―そもそも〈フリーダ〉はどのように始まったのでしょう。

私は「フリークス ストア」のPRを7年務めたんですけど、30歳をすぎたあたりから「もともと古着屋出身のショップだしお客様は古着好きが多いのに、提案するアイテムとのあまり親和性がないな」って気になって。メンズはアメカジ流れのアイテムが多いけど、レディースはトレンドの移り変わりが早いのでそこまで古着色が全面に出にくいんですよね。あるとき会社全体で「お店の原点である古着のエッセンスをもっと広めたい」という話が持ち上がり、MDが社内の女性でいちばん古着をよく着ていた私に商品部が「ブランドを作ってみたら?」と声を掛けてくれたのがきっかけです。

―〈フリーダ〉の名前の由来は?

名前の通り、メキシコの女性画家であるフリーダ・カーロです。

―ファーストコレクションでは貴重な生地を使ったこれまでにないアイテムたちが話題となりました。

70年代のアフリカンバティックやモン族の刺繍のことですよね。ヴィンテージを知っている人たちからはかなり驚かれました。「贅沢だね」って。ただ本家の「フリークス ストア」とは対をなす〈フリーダ〉の役目は「トレンドに左右されずにここでしか出会えないアイテムをリリースすること」なので。ほかにはないアイテムを作ろうと心がけています。

―デザインのインスピレーション源は?

昔の写真集から発想したり、個人的に欲しかったけど手が届かなかったヴィンテージを脳内再生して(笑)、デザインを起こしています。

―プレスとブランドディレクターの大きな違いは?

プレス時代は新作アイテムを紹介する役割でしたが、いまはデザイン発案からサンプルチェック、そして紹介も自分でする挙句に店頭にも立ってお客様にもご説明するんです。全行程に責任が生まれるから、ものすごく真剣に取り組むようになりました。いまはなにもかもが楽しいです。

私のことを知らない海外の方から
すごくいい反応がもらえて嬉しい。

―今回、ヴィンテージマーケットである「インスピレーション」に出店したのはなぜですか?

実は社内ですすめられたからで、私が言い出したんではないんです(笑)。出店の話は最初、「海外だし、無理でしょ」としか思ってなかったんです。私は石橋を叩いて渡るタイプなので、そんな冒険するよりまだ2シーズン目だし、日本で認知度をあげたいなと思っていたので。でも今回思い切ってチャンレジしてみたら海外のバイヤーさんもたくさん興味を持ってくれて。〈フリーダ〉は案外グローバルな動きができるんじゃないかって手応えを感じています。

―ロサンゼルスの人たちからの反応はどうでしたか?

欧米の人って自分がいいと思った根拠をはっきりと言葉で伝えてくれるからすごく励みになりました。しかも日本で反響があったものはあまり手にとってもらえなくて、モン族のガウンなど派手なものが受け入れられたのも新しい発見でしたね。

インスピレーションを経験して
もっと自由に作っていいって気づいた。

―新作について教えてください。

この春、リリースするのは〈フリーダ〉としては第3弾となるアイテムたち。これまでは生地にこだわってきたのですけど、今季は無地でもいいから「とにかくビビッドで着ていて楽しくなる服」を追求してみました。ルックブックの中でも着用しているビビッドなイエローのスカートはデッドストックのスノーパンツをリメイクしている、今回いちばんのお気に入りです。

―今後の〈フリーダ〉での目標を教えてください。

LAに来てみてわかったのが「もっと好きなものを自由にデザインしていいんだ」っていうこと。売れるか不安で少し守りに入っていたところもあるんですけど、海外の方々の反応を見ていたら「私にしかできないものを作ったほうが絶対いい」って再認識できました。今後も「取り入れやすさ」と「〈フリーダ〉らしさ」のバランスを取って服作りをしていきたいです。少し先の目標は〈フリーダ〉のオンリーショップを作ること。そしていつかは「〈フリークス ストア〉のブランドだって知らなかった!」って言っていただけるくらい〈フリーダ〉を大きくしたいですね。