1年限定の復活、そしてラストライブへ。 RIP SLYMEの25年を振り返って、 「僕らも楽園ベイベーならぬ『楽園おじさん』ですよ」
GOOD TIMES, GOOD OLD DAYS
1年限定の復活、そしてラストライブへ。
RIP SLYMEの25年を振り返って、
「僕らも楽園ベイベーならぬ『楽園おじさん』ですよ」
2026.03.11
2025年、日本のヒップホップシーンの最前線を走ってきたRIP SLYMEが、
待望のオリジナルメンバー5人で再結成し、1年限定の活動をスタートさせました。
3月20日〜22日に控える3DAYSの活動休止前のラストライブを前に、
この1年の軌跡をたどったライブ&ドキュメンタリー映画
『RIP SLYME THE MOVIE -25th ANNIVERSARY GREATEST MEMORY-』が公開。
10年という歳月を経て再びそろった5人のこと、
そしてこれからについて、ILMARIさんとSUさんにお話を聞いてきました。
Photography: Takao Iwasawa
- ―1年限定での復活。久しぶりに5人で歌った時、どんな感覚でしたか?
- ILMARI:僕は3人でも活動はしていたから、まずは「戻ってきてくれて嬉しい」っていうのが正直なところ。でも、いざ5人の声が混ざると、10年ぶりにやるスポーツみたいな感覚でしたね。「できるかな?」って構えるんだけど、やり始めたら「ああ、これこれ! 意外と動けるな」っていう(笑)。RIP SLYMEとしての体が、ちゃんと動きを覚えていたんですよね。
- ―ブランクを感じさせないどころか、新曲を聴いても「リップらしさ」が全開ですよね。
- ILMARI:そこはやっぱり、FUMIYAが相変わらずこっちの想像を軽々と超えるフレッシュなトラックを持ってきてくれるから。去年ベスト盤を出した時に、20年、25年前の曲を並べて聴いてみたんですけど、彼の作る音ってやっぱりオリジナリティがあるから、いつ聴いても新鮮なんですよね。そこにSUさんのラップが乗ると、なぜかデフォルトで若干下ネタ気味になる(笑)。
- SU:……いや、そこは(ILMARIも)一緒に入らなきゃダメでしょ。
- ILMARI:ライブで被せるのこっちは恥ずかしいんですよ!「おじさん、お口が臭い」とか「エスカレーターの後ろの不審者」とか(笑)。俺らもう50歳ですよ? でも、そういうやり取りも含めて「ああ、何も変わってないな」って。それが何より嬉しかったですね。
- ―そもそも、今回の復活はILMARIさんからSUさんへ声をかけたと伺いましたが、その時は即答だったんですか?
- SU:即答でしたね。ちょうど今、ILMARIくんと家が近所で。たまたま気になってた中華屋があったから「ちょっとあそこで話さない?」って誘われたんです。
- ILMARI:そしたら、僕が店に入った瞬間にSUさんがカメラ回してて(笑)。「こいつ、ふざけてんな!」って。なんか、恥ずかしいじゃないですか。まだ何も始まってないのに、好きだって告白されに行ってるみたいな感じで。
- SU:あはは、その動画「削除しといて」って言ったんだよね。
- ―制作の雰囲気も、昔とは変わりましたか?
- ILMARI:空気感は変わらないけど、とにかく全員「早く帰りたい」っていうスピード感がすごい(笑)。昔はスタジオに1週間とか10日間くらいこもって、僕とSUさんが朝方までダラダラ残ってどうでもいい話をするのがスタイルでしたが、今は、みんな暗くなる前に帰っちゃう。
- SU:特にRYO-Zくんなんて、自分のパートを録り終えた瞬間、速攻で飲みに行ってますからね。いいんですかね、あれ(笑)。
- ILMARI:でもそれが、今の僕たちにとって一番心地よくて効率的な形。お互いの役割が分かってるからこそできる、大人なやり方なんです。
- ーこれまで数々の名曲をリリースされてきましたが、自分たちの原点と言える曲をひとつ挙げるとしたら何でしょうか?
- SU:やっぱり『楽園ベイベー』ですね。やっぱりこの曲がきっかけで、世間に知ってもらえたんじゃないかなと思います。もう25年もやっていると、今の20代の子たちからすれば、僕らも「楽園ベイベー」ならぬ「楽園おじさん」ですよ。でも、自分たちが生み出した曲を、今の若い世代まで知ってくれている。それはアーティストとして、本当に夢のようなことですから。
- ILMARI:「僕たちも少しは世の中に知ってもらえたのかな」と、25年経ってようやく実感できた気がします。
- ―最後に、このライブ&ドキュメンタリー映画が持つ意味について教えてください。
- ILMARI:3月20日〜22日のアリーナ公演の前に上映され、そのままライブへ続くというコンセプトです。客観的に自分たちを観て、「こんなにキャラクターがバラバラな5人が、よく一緒にいるな」と改めて気づかされました。金井紘監督がうまく切り取ってくれた、今の僕たちのリアルが詰まっています。
- SU:僕にとっては「起爆剤」ですね。これから先、またいつか自分が天狗になりそうになったら、この映画を観て自分を律したい。ある種の「戒め」として。
- ILMARI:……いや、SUさんは絶対見ないでしょ!(笑)
- SU:絶対見ないですね(笑)。でも、それぐらい僕たちのすべてが詰まった作品であることは確かです。14日間という短い期間ですが、ぜひ、今の僕らを目撃してほしいです。
INFORMATION
『RIP SLYME THE MOVIE -25th ANNIVERSARY GREATEST MEMORY-』
3月6日(金)より、14日間限定全国ロードショー