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2018.7.18 Wed

奥山由之と安部勇磨が語る、写真集『POCARI SWEAT』と『シュアリー』PVの撮影裏話。

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奥山由之と安部勇磨が語る、写真集『POCARI SWEAT』と『シュアリー』PVの撮影裏話。

2017年のリリース以来、ポカリスエットの広告キャンペーンにハマっております。約300人の高校生がいまその瞬間に全力を注いでいる姿は、高校卒業から10年以上経っているぼくには眩しすぎるほどに青春そのもの。先月の『ファンタスティック・フォー』でご紹介している通り写真集を購入し、さらには、そのリリースを記念して開催されたフォトグラファーの奥山由之さんとnever young beachの安部勇磨さんのトークイベントにまでお邪魔してきました。

普段から親交のあるお二人だからこそ語れる、公私入り乱れたエピソードの数々。写真集を購入した方だけが参加したイベントでしたが特別に許可をいただけたので、お話の一部をご紹介します。ちなみに対談は、ローテーブルを前にソファに並んで座るという楽屋スタイルで行われました(笑)

奥山由之(以下奥山):昨年、春と夏にポカリスエットのポスター写真を撮ったんですよ。2、3週間くらいかけて。

安部勇磨(以下安部):写真、めちゃくちゃあるんでしょ?

奥山:10000カットくらい撮っていて、ポスターとして使われたのは20枚くらいかな。普段の撮影では「ああでもないこうでもない」と難しく考えがちなんだけど、今回は、駅でポスターを見た人に「あぁ、いいな」って思ってもらえる、ストレートに気持ちのいい写真が久々に撮れました。みんなどこかで自分の想い出と重なるような青春時代を送っていると思うんですよ。出演しているのも、1000人のなかからオーディションで選ばれた高校生で、体育館に集まって練習して、撮影を通してだんだん友達になっていくという。

安部:撮ったのは何人くらい?

奥山:300人くらい。例えば、ネバヤンだと5人じゃないですか? それが対300人になるとパワーがすごい。そのパワーに巻き込まれるというか、自分がコントロールできない状況下で撮影するのも初めてに近い状況だった。

安部:普段の撮影だと、奥山くん発信だもんね。「もっとこうやってみて」とか。

奥山:「こういう絵かな」っていうイメージを目指して撮るんだけど、今回はそれもできないじゃない? 高校生たちがどう動くかもわからない。

安部:この写真はそういう風に撮ってないんだ?

奥山:ほとんどない。みんなが練習して、撮影の合間に仲良くなっていくなかを撮っていて、簡単にいうとドキュメンタリーで、そういう撮り方自体がすごい久しぶりだったんだよね。多分、6、7年前にくるりのツアーを撮って以来かな? コントロール不可能で、しかも刻一刻と状況が変わっていくから、本当に自分の写真の力との勝負。ちなみに、今回の広告キャンペーンでは“潜在能力をひき出せ”と“きっと自分は想像以上だ”っていう2つのキャッチコピーがあって、ぼくも「潜在能力を引き出さないと」と思いながら撮っていたから、キャッチコピーが自分のなかでリフレインしながら撮り続けた写真が一冊の本になったという感じだね。

POCARI SWEAT ¥2,300+TAX

 

安部:ぼくはてっきり、狙って撮ってるのかと思った。特に、みんなが走っている表紙の写真。このなかでひとりでも遅く走っている子がいたら、「もっと走って!」って奥山くんに怒られているんだろうなと(笑) 違うの?

奥山:海で走っているところだけは「こういう風にしたい」とか「走って」って言ったかも。でも、高校生ってすごいんだよ。テンションが上がり始めるとどこまでも行くし、集団になると尚更。その勢いで撮ったのが表紙の写真なんだけど、怒ってはいない(笑)

安部:完璧に『シュアリー』のPVと重ね合わせて見てたから。

奥山:ネバヤンの『シュアリー』っていう曲があるんですけど、それも海で走りながら撮っていて。5人のメンバーがいろんな障害物を乗り越えて、最後の演奏シーンまで辿りつくのを、ワンカットで撮ったんです。熱々のおでんを食べたり(笑)

安部:こんな熱くする必要ないだろ!? っていうくらい熱かった。「よく噛んで食べろ」とか言われて。「自分も食ってみなさいよ!」って言ってた記憶はあるよ(笑) でも奥山くんに頼まれたら、そりゃ自分を曝け出してがんばるわけですよ。良い歳した自分が、餅巾着を口から出しながらギター弾いて歌ってるのをYoutubeで観るのは恥ずかしいけど。そしたら「あ〜安部ちゃん、汚い」とか言われて。だから、歌う前に飲み込もうと思ってゆっくり走ったら、「おい!ちゃんと走れ!」って。そんな感じでやってるのかと思ってたから、安心しました。

奥山:あのときも、そんなに怒ってない(笑)

安部:ちなみに、ジャケ写ではボーリングの玉を持ってるんですけど、これも普通に持っているように見えて、実は「ポンド数が見えるようにしてください」と言われてまして。でもこの角度で持つとすごい重たいわけですよ。それで「もっとキュッとまとまって!」って言われるから、みんなぶつかりまくり。

奥山:本当だ。あっ、たっさんだけ腕を下ろしてボール持ってる!

安部:たっさんだけ! 本当にこれ怒ったもん!

奥山:これは撮り直しだ!

安部:でも、『POCARI SWEAT』の写真は本当に素晴らしい写真。奥山くんの写真は全部そうなんだけど、自然な空気感を切り取っているのが本当にすごい。まとめますと、すごい人だなって帰結しました。

奥山:ありがとう(笑)