スタイリスト阪上秀平が『LAND』に残した記憶
スタイリスト阪上秀平が『LAND』に残した記憶 スタイリスト阪上秀平が『LAND』に残した記憶

Gallery View & Voice #01

スタイリスト阪上秀平が『LAND』に残した記憶

2026.02.02

編集部が気になる展示を実際に見に行き、クリエイターに話を聞く。
ギャラリー体験レポ&インタビューの新連載です!

第1回目は、御徒町の『229』で開催してるスタイリスト・阪上秀平さんの展示。
狂気的なそのファッション感、知りたい!

阪上秀平 @shuheisakaue

スタイリスト。大阪芸術大学写真学科卒業後、テレビのAD、古着屋での販売をへてスタイリストの杉山まゆみに師事。独立後、映像作品のスタイリングを中心に活動中。

今回の会場は、御徒町駅から歩いてすぐのオルタナティブスペース「229」。一見するとギャラリーとは気がつかないモダンな門構えです。1階にはカフェ、2階には美容室が入っていて、その隣では藝大生が展示をしていたりと、とても実験的な場所なのです。

建物の奥へと進んでいくと、地下へと吸い込まれていくような入り口が。そこに現れる「B1F Gallery」の文字。その案内に誘われるように、ドキドキしながら階段を下りていくと……。

そこには暗闇に包まれた空間が。暗がりに浮かぶのは、スタイリスト・阪上秀平さんが撮り下ろした、無数の女の子たちのポートレートの写真でした。

阪上さんの美意識がこれでもかと詰め込まれた圧倒的な写真の点数。壁一面に写真が貼られた写真たち、そして空間の中心にその作品が集約された写真集が置かれています。一枚一枚眺めていると、視線はフェティッシュだけど、不思議といやらしくない。むしろ好きを突き詰めた先の、かっこよさに到達している、とさえ思ってしまいます。

取材時、在廊していた阪上さんは、このエッジの効いた作風からは想像できないほど(失礼!)、笑顔がとても素敵な方でした。この機会に、思い切って話を聞いてみることに!

ー 今回の展示と写真集。この場所で発表することになったのは、何かきっかけがあったんですか?
阪上: 実を言うと、最初から「展示をしよう」とか「本を作ろう」と決めて撮り始めたわけじゃないんです。撮影を始めた2020年頃、ちょうどコロナが始まって時間ができた時、ふと「自分が面白いと思うものを撮りためていきたい」と思ってカメラを手にしました。気づけば5年分くらいの写真が溜まっていて、ちょうど嶋田さん(229オーナー)から「ここでやりませんか」と声をかけてもらった。時期が重なった、本当に自然な流れなんです。
ーステートメントに「コンセプトを設けない」とあったのも、その流れを大事にしたからですか?
阪上: そうですね。かっこいいコンセプトを掲げるより、その時々の直感を信じたかった。モデル選びも、今活躍している子から、普通の大学生まで様々ですが、「かわいい」の先にある「この子、なんかおもろそうだな」という直感だけで選んでいます。
ー撮影は1対1で行われるのですか?
阪上: はい。スタイリングも写真も自分。ヘアメイクはあえて本人にお願いしています。いろいろ試した時期もありましたが、作り込みすぎると、被写体そのものの面白さが見えなくなる気がして。「やりすぎない」というバランスは、今一番意識しているところかもしれません。
ー今回は本の出版もあるそうですが、写真集のタイツで包まれているという装丁も驚きました!(笑)これはどなたのアイデアなんですか?
阪上: デザイナーのサキさんの提案です。彼女に「阪上さんのスタイリング、タイツめちゃくちゃ多くないですか?」って気づかれて。自分では全然自覚がなかったんですけど、見返してみたら確かに多いなと(笑)。そこから、本もスタイリングしてみようという話になって。僕の無意識の癖を、彼女が面白がって形にしてくれました。
ー阪上さんのスタイリングがすごく面白いと思っていて。その感覚がどこから来るのか興味があります。ご自身にとって「ファッションの定義」って何だと思いますか?
阪上: 難しい質問ですね……。僕の感覚だと、服からスタートして「どう見せるか」を考えるのがファッション。でも、今回の撮影のように人からスタートして「この人を面白くするにはどんな服がいいか」を考えるのは、別の考え方な気がしています。
阪上: 仕事ではどうしても「もっとファッションっぽく」と言われることが多い。でも、自分がやりたいのはそこじゃないな、という気持ちがどこかにあった。だったら、仕事ではない場所で、完全に「人物」から始まる表現を自分でやろうと思いました。それがこの2年間の、僕なりの回答ですかね。
ー最後に、今後の展望は何かありますか?
阪上:正直、まだ何も決まっていないんです。でも、オンラインを通じて国内外のいろんな人に届いてほしいなとは思います。この『LAND』から、また新しい何かが始まればいいな、と。

『LAND』

日程:1月24日(土)〜 2月8日(日)
時間:平日 12:00〜19:00 / 土日祝 12:00〜20:00
会場:229
住所:東京都台東区台東4-24−2
※ワンドリンク制

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時間: 11:30 〜 20:00
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Let’s Pink! 6

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時間: 11:00 〜 19:00(日・月・祝は休み)
入場: 無料
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