GIRLS’ CINEMA CLUB
上映映画をもっと知りたい! 語りたい倶楽部。
#1『アンダー・ザ・シルバーレイク』
いま私たちが映画館で観るべき上映作品を、本音100%でレビューする週イチ映画連載。
今週は、『イット・フォローズ』、『アメリカン・スリープオーバー』を手がけた
デヴィッド・ロバート監督の最新作『アンダー・ザ・シルバーレイク』です。
Text_Kyoko Endo
映画ファンの悪夢的、絢爛万華鏡世界。
今週から始まりました。ガールフイナム的旬な映画について語り合いたいGCCです。よろしくお願いします。
栄えある1本目はこれ!
舞台はLA。栄光の夢と堕ちていく悪夢どちらのネタにも事欠かず、高台に立ち並ぶセレブの豪邸で何が起こっているのか誰も知らない、ミステリアスな街であります。主人公の無職のオタク青年はアンドリュー・ガーフィールド。これまでは銃を持たない衛生兵とかいい子ちゃんばかり演じてきたのに、今回は引きこもり気味のストーナー。汚れ具合が『インヒアレント・ヴァイス』のホアキン・フェニックスを彷彿させます。彼が恋した美女(まじでセレブのライリー・キーオ)が消えてしまい…。そう、これは永遠の名作『ロング・グッドバイ』の正統な子孫とも言える、監督以下メイクさん美術さん衣装さんたち作り手のアメリカ映画愛溢れるフィルム・ノワール。邪悪なヒットメイカーがニルヴァーナを奏で、R.E.M.の名曲が使われ、ファッション、ゲームなどあらゆるカルチャーが混ぜ込まれ、サブカル好きには宝探しのような興奮をお約束できます。きらびやかで美しい映像と誰かの夢の中に入り込んだようなストーリーに持っていかれること請け合いです!
『アンダー・ザ・シルバーレイク』
(2018/アメリカ/140分)監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
出演:アンドリュー・ガーフィールド、ライリー・キーオ
配給:ギャガ
10月13日(土)より新宿バルト9、アップリンク渋谷ほかロードショー
© 2017 Under the LL Sea, LLC
公式サイト
about this Movie
アメリカ映画愛が過ぎる度
★★★★★
宝探し的わくわく度
★★★★☆
グロいとこもある度
★★★☆☆
PROFILE
遠藤 京子
東京都出身。出版社を退社後、フリーのライター、編集者に。『EYESCREAM』『RiCE』に寄稿。