世界で初めて人造人間を生み出したのは？

エル・ファニングが『フランケンシュタイン』の著者メアリー・シェリーを演じる歴史映画。この世紀の怪談の出版は1816年。日本で幕府の大老、井伊直弼が生まれたのが1815年です。そんな昔、その後のカルチャーに影響を与え続けるSF小説を弱冠18歳で書き上げた女性、というだけでも興味がわきませんか？

メアリーの夫は詩人のシェリー。メアリーに出会ったときすでに妻子がいて駆け落ちして同棲します。この時代、英国でも夫の浮気は許すが女性は許さぬ風潮で、世間はそりゃ冷たい。メアリーは出版にも苦労する。やや駆け足ではありますが、これは元祖ゴス少女のフェミ映画。世間から爪弾きにされつつ、のけ者の物語を書いて人生大逆転。後世に名を残した人の「私は何も後悔していない」という言葉が強く胸を打ちます。

さらにこの映画、脇がやたら豪華なんです。『ボヘミアン・ラプソディー』でロジャー・テイラーを演じたベン・ハーディをはじめ『ゲーム・オブ・スローンズ』のスタニス・バラシオン役のスティーヴン・ディレインやら、懐かしいところでは『ダウントン・アビー』のジョアン・フロガット、ほか数々の名優が。誰がどんな役で出ているのか、是非探してみてください。

『メアリーの総て』

（2017/イギリス、ルクセンブルク、アメリカ/121分）

監督：ハイファ・アル=マンスール
出演：エル・ファニング、ダグラス・ブース、ベン・ハーディ
配給：ギャガ
12月15日（土）より全国ロードショー
© Parallel Films (Storm) Limited / Juliette Films SA / Parallel (Storm) Limited / The British Film Institute 2017
公式サイト