GIRLS’ CINEMA CLUB
上映映画をもっと知りたい! 語りたい倶楽部。
#12『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』
いま私たちが映画館で観るべき上映作品を、本音100%でレビューする週イチ映画連載。
今週はファッション好きは必見すぎる『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』です。
英国カルチャーのトップに君臨しながら、77歳にして生涯現役を誓う女帝のすべてがいま紐解かれます。
Text_Kyoko Endo
自由って、強くて優雅。
「自由に話してさっさと終わらせたいの。」
冒頭から緊張とも不機嫌とも取れる表情で言い放つヴィヴィアン。ファッション好きでなくても地球と王冠のあのマークを見たことない人はいないと思います。本作はそのデザイナーにして経営者を3年間かけて追ったドキュメンタリー。
ショップにたむろしていた青年たちをセックス・ピストルズとしてデビューさせパンクファッションを流行させた、パンクの女王と言われる彼女ですが、経営に失敗して電気もない状態でワールズエンドを再開店したというエピソードも。彼女だけが大手企業の傘下に入らず独立を守っているのです。毀誉褒貶激しい人ですが、パンクスとして筋が通っている。デイム(女性版のナイトみたいなもん、一代だけ貴族)の称号を受けながら決して権力者にへつらわず、水圧破砕法によるシェール・ガス採掘反対への首相官邸前デモには戦車で参加するなど、社会活動もクリエイティブでやりたい放題。自分の会社であってもマーケティングなんかとか言っちゃう。ついつい周りに合わせてストレス溜め込みがちな人、今年やりたいことをやれなかった人は、年末年始に彼女の生き方から勇気をもらうのもよいかもしれません。
『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』
(2018/イギリス/84分)監督:ローナ・タッカー
出演:ヴィヴィアン・ウエストウッド、ケイト・モス、パメラ・アンダーソン
配給:KADOKAWA
12月28日(金)より角川シネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国ロードショー
© Dogwoof
公式サイト
about this Movie
女王の行動にインスパイアされる度
★★★★★
やっぱりお洋服が可愛い度
★★★★★
ビジネスとは何か考えさせられる度
★★★★★
PROFILE
遠藤 京子
東京都出身。出版社を退社後、フリーのライター、編集者に。『EYESCREAM』『RiCE』に寄稿。