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上映映画をもっと知りたい! 語りたい倶楽部。#14『愛と銃弾』
上映映画をもっと知りたい! 語りたい倶楽部。#14『愛と銃弾』

GIRLS’ CINEMA CLUB

上映映画をもっと知りたい! 語りたい倶楽部。
#14『愛と銃弾』

2019.01.18

いま私たちが映画館で観るべき上映作品を、本音100%でレビューする週イチ映画連載。
今週は『愛と銃弾』です。マフィア映画なのか? ミュージカル映画なのか?
この意外すぎる2つの掛け合わせは癖になること必至です。

Text_Kyoko Endo

ベタベタ、コテコテ、トゥーマッチがお好きな貴女に。

人だかりの教会、魚介王の葬儀が報道されている。芝居がかって嘆く若い妻に呆れ顔の親族たち。やおら、棺の中に横たわる死者が歌い出します。その歌にはストーリーの重大なヒントが。シーンが切り替わり、マフィアの巣窟スカンピア地区を訪れた観光客がまたもいきなり歌い出し…えっ、すげー変! なにこの映画! と興味を惹かれました。ここでこんな曲使う? まさかコイツが歌い出すとは…とたたみかけてくるナンバー。ベタっちゃベタなストーリー展開なのに、最後10分のトリックも含め、まったく飽きません。

原題は「Ammore e Maravita」。maravitaは“underworld”だそうで「愛と裏社会」ですね。登場人物もやたら濃くて『サカナとヤクザ』を思い出させるマフィアのボス、映画マニアのマフィアの若妻(彼女がシネフィルってことで映画ファンが大好きな小ネタも多数)、カンフー使いの殺し屋やそのド天然恋人が入り乱れる怪作であり快作。キャッチコピーは「ノワール、アクション、ロマンス、そしてミュージカル? 」ですが、ここまでやられるとコメディの領域。ベタベタコテコテが好きな方、何かいままで観たことない映画を観たい方にお勧め。観終わったあとお腹いっぱいになることは保証します。

『愛と銃弾』

(2017/イタリア/134分)

監督:マネッティ・ブラザーズ
出演:ジャンパオロ・モレッリ、セレーナ・ロッシ
配給:オンリー・ハーツ
1月19日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
© MODELEINE SRL ・ MANETTI bros. FILM SRL 2016
公式サイト

about this Movie

いろいろやりすぎだがそこがいい度

★★★★★

かっこいいアクションにも注目度

★★★★★

ミュージカル苦手な人こそ試して度

★★★★☆

PROFILE

遠藤 京子

東京都出身。出版社を退社後、フリーのライター、編集者に。『EYESCREAM』『RiCE』に寄稿。