南沙良が演じる復讐という正義の物語。その裏に秘めたる想いとは。
Her Feelings.
南沙良が演じる復讐という正義の物語。その裏に秘めたる想いとは。
2024.11.28
窪塚洋介さん、亀梨和也さんのダブル主演による
クライムサスペンス『外道の歌』。
本作に“一家殺人事件の被害者の生き残り”
開成奈々子役で出演する
南沙良さんがガールフイナムに初登場。
今回演じた役柄やその裏に
秘められた想いを伺いました。
Photo_Tomoharu Kotsuji
Text_Akiko Maeda
Edit_Shunta Suzuki
- ー『外道の歌』は、凶悪な事件に巻き込まれた被害者や遺族の無念を晴らす“復讐屋”の物語。開成奈々子役が決まったときの心境を教えてください。
- 本作は渡邊ダイスケ先生の『善悪の屑』とその続編『外道の歌』のエピソードを織り交ぜたオリジナルストーリーです。わたしは少年漫画が大好きなので、実は奈々子役のお話をいただく前に原作を読んだことがあったんです。
- 好きな作品のキャラクターを演じることに対してもちろんプレッシャーはありましたが、すごくワクワクしたのを覚えています。役が決まってからもう一度原作を読み直して、“このときの奈々子はどう思ってたんだろう”と自分なりに考えながら役づくりをしていきました。
- ー奈々子役は新境地となる役柄でしたが、演じてみていかがでしたか？
- 元引きこもりで、“一家殺人事件の被害者の生き残り”というこれまでにない役柄だったので、お話をいただいたときは自分の役者人生にとっていいきっかけになればと楽しみにしていました。わたし自身もゲームが好きでインドア派という奈々子との共通点もあったので、楽しみながら演じることができました。ビジュアルに関しては少しでも原作に寄せられるように意識しました。
- ーご自身と奈々子には似ている部分があったそうですが、南さんは自分に似ている役柄と正反対の役柄ではどちらが演じやすいですか？
- わたしは自分に近いキャラクターの方が演じやすいですね。陽な感じの役よりは、奈々子のような少し影があって心のなかに想いを秘めている役の方がすんなり入ってくる感じです。正反対の役柄を演じるときも、自分自身との共通点を見つけて演じていることが多いと思います。
- ー今回、奈々子役を演じる上で苦労されたことはありますか？
- 奈々子は両親と従姉を殺され、窪塚さん演じるカモと亀梨さん演じるトラと共に復讐を決意します。悲しみや怒りの感情が強いけれど、一定してテンションが低いキャラクター。怒りをぶちまけたり興奮したりもしないので、そのなかでもちゃんと芯が通っているというか確固とした強さが感じられるようにずっと意識して演じていました。
- ー感情を内に秘めた難しい役柄でしたね。南さんは台本を覚えるのは得意な方ですか？
- 結構セリフ覚えはいい方だと思います（笑）。台本を覚えるときは黙読して何回か読めば大体ストーリーの流れが入ってくるので、そのあとに自分の役柄のセリフを入れていきます。今回は原作とも照らし合わせながら奈々子の心情への理解を深めていきました。
- ー主演の窪塚さんと亀梨さんとは初共演ですが、いかがでしたか？
- 大先輩であるおふたりと一緒にお仕事させていただけるのはすごく楽しみでしたし嬉しかったですね。わたし自身がめちゃめちゃ人見知りなのでちゃんとお話できるかな……とか、足を引っ張らないかなとか不安な気持ちもあったのですが、本当におふたりとも優しくてホッとしましたし心強かったです。
- ー撮影現場はどんな雰囲気でしたか？
- 窪塚さんと亀梨さんが現場でいい空気をつくってくださったのでリラックスできましたし、いつもおふたりの背中を見ながら演じていました。おふたりが演じられたカモとトラと同じように、まっすぐさと優しさの両方を持っているのが印象的。復讐という重いテーマの作品でしたが、カメラがまわっていないときはかなり和気あいあいとした雰囲気でしたね。
- ー南さんが特に印象に残っているシーンはありますか？
- やっぱり劇中で度々描かれる迫力のある復讐シーンですかね。そういうシーンの前は現場もピリッとした空気になるのですが、背筋が伸びるような気持ちになりました。
- そして、ストーリーが進んでいくにつれて明らかになっていく、カモとトラ、奈々子の3人の“過去”にも注目してほしいです。復讐屋の3人がそれぞれの辛い過去と向き合い、自分のなかにある正義を貫き続ける姿を見守っていただけたらと思います。
- ー本作ではいろいろな人たちの不幸な出来事が描かれていますが、ストーカーやSNSでの誹謗中傷など、時代感を反映している作品だと感じました。
- 実際に起こったらもちろん恐いのですが、いまの時代に起こってもおかしくない内容ですよね。ネタバレになってしまうので詳しくお話できないのが残念ですが、最後にはそれぞれが希望を見出します。ぜひ楽しみにしながら観ていただきたいです。
- ーでは、今後挑戦してみたい役柄はありますか？
- この役がやりたい！ とは決め切れないのですが、例えば今回の奈々子役のような、これまで演じたことがない役柄をいただいたときも不安以上にワクワクが勝るタイプ。どんな役柄でも積極的に挑戦してみたいなと思っています。新しいことをはじめたり挑戦したりするのも大好きなんです。
- ー最後に作品を観てくださる方にメッセージをお願いします。
- 重めのテーマを扱った作品ではあるのですが、登場人物の過去や事件の背景の描写がすごくリアルなので注目してもらえたら嬉しいです。そして、ぜひ自分にとっての善悪の意識や正義について考えてみてほしいと思います。
INFORMATION
『外道の歌』-DMM TV
原作：渡邊ダイスケ『外道の歌』（少年画報社）
監督：白石晃士
DMM TV にて12月6日（金）より配信開始
©渡邊ダイスケ/少年画報社 ©DMM TV
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