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adieuの会いたいアーティスト、Stella Donnellyと作る必聴プレイリスト。
adieuの会いたいアーティスト、Stella Donnellyと作る必聴プレイリスト。

MUSIC BEYOND BORDERS.

adieuの会いたいアーティスト、
Stella Donnellyと作る必聴プレイリスト。

2019.12.25

夜、都内某所。adieuとして音楽活動を本格的に始動した上白石萌歌ちゃんと、
オーストラリア・パース出身の女性シンガー、ステラドネリーが密会しているとの噂をガールフイナム編集部がキャッチ!
急遽、2人だけの密な空間にお邪魔することに。元はといえばこの対談、
萌歌ちゃんがステラのフォトTシャツを着た写真をインスタグラムに投稿し、
それを作った〈ジャーナルスタンダード(JOURNAL STANDARD)〉の目に止まったのがきっかけなんだとか。
どうせお邪魔するならと、図々しくもガールフイナム読者のために、
2人の好きが詰まったSpotifyのプレイリストを作ってもらっちゃいました。
それでは、日豪を結ぶ奇跡の音楽外交の様子をどうぞ!

Photo_Genki Nishikawa
Hari&Make-up_Kohei Morita
Special Thanks_JOURNAL STANDARD

adieu

Instagram @moka____k

女優・上白石萌歌の音楽名義。野田洋次郎が作詞・作曲を務めた2017年公開の映画『ナラタージュ』の同名主題歌を年齢以外のプロフィールを非公表のままデビュー。当時、”時を止める歌声”として話題に。そして、今年の9月にadieuであることを上白石萌歌本人のSNS上で公表し、本格的に音楽活動を開始。11月27日には、ファーストミニアルバム『adieu 1』をリリース。 adieu-web.com

Stella Donnelly

Instagram @stelladonnelly

親しみやすいルックスとメロディーで、辛辣な歌詞を歌い上げる豪・パース出身の女性シンガー。2017年にリリースしたシングル収録曲『Boys Will Be Boys』で世界的な注目を集め、〈シークレットリー・カナディアン(Secretly Canadian)〉と契約。デビューアルバム『Beware of the Dogs』を今年リリースし、ロングヒット。その後はフジロック出演や来日ツアーを敢行するなど、日本での活躍もめざましい。 stelladonnelly.com

表現という共通項でつながる2人。

Stella: Hi, Moka! 今日は来てくれてありがとう! ファーストEP『adieu 1』を聴いたわ。とても良かった。最近リリースしたのよね?
adieu:こちらこそありがとう! そうなんです。先月の11月27日にリリースしたばかりで。
Stella:ワオ、フレッシュね。きっと思い入れのある曲ばかりだと思うんだけど、特にお気に入りなのはある?
adieu:うーん、『よるのあと』かな…2曲目の。この曲って実はステラの曲と似ていて、純粋なようでとても尖っている曲なんです。毒々しい言葉が散りばめられていて。ステラの曲も、見た目は甘いお菓子に見えるんですけど、中にはすごい辛い唐辛子が入っているみたいな。例えば…女性差別について歌った『Boys Will Be Boys』のように。
Stella:2曲目のやつね! 私もその曲は好きだわ。日本語だからちゃんと意味までは理解できてなかったんだけど、共通点を知れてとっても嬉しい。私は伝えたいメッセージを音楽でポップに包んで届けることで、もっと問題について知ることや学ぶことに抵抗がなくなればいいと思っているの。それで今のスタイルを続けているわ。ところで、あなたは女優としても素晴らしい活躍をしているそうね。女優業と音楽活動で何かしら繋がっている部分はある?
adieu:演技も歌も、表現という部分では行き着く場所は一緒だと思っていて。そういう意味で、女優としての活動もアーティストとしての取組みも、全て繋がっていると言えますね。
Stella:なるほど。女優や歌手は小さい頃から目指してたの? あと、小さい頃好きだった女優や歌手はいる? それと…ん、ちょっと待って。これじゃ、まるで私が面接官みたい(笑)。
adieu:(笑)。そうですね、小さい頃はただ純粋に歌ったり踊ったりすることが好きだったんです。でも将来どうなりたいとかは、そのときはまだ考えてなくて。
Stella:私も小さい頃は、鏡の前でよく歌ったりしてた。あとは演技も少しだけしたことがあって。その頃はイギリスのウェールスに住んでいたんだけど、おばさんが女優で、ラジオショーの中のドラマシリーズに一緒に出させてもらったの。今、思い返せばそのときの経験が今のアーティストとしてのパフォーマンスや自信に繋がっているのかもね。まあ、今はもう演技ができるかは分からないけど(笑)。
adieu:そうだったんですね。ギターはいつ頃から?
Stella:確か8歳くらいからだったかな。お父さんがクリスマスにプレゼントでくれたの。小さかったし、特別良いギターというわけでもなかったんだけど、すごく気に入って遊んでた。
adieu:私は去年からアコースティックギターをはじめたばかりで。まだ練習中なんです。
Stella:OMG! それは素晴らしいことね。それに、あなたの美しい声とアコースティックギターはとっても相性が良いと思うわ。
adieu:ありがとうございます! あ…そろそろプレイリスト作らなきゃですね(笑)。

ただ純粋に好きな曲。いま一番聴きたい曲。

Stella:まずはテーマを決めよう! 女性アーティスト縛りとかにする?
adieu:うーん、意外と男性の曲を聴くことが多くて…。
Stella:それなら、何でもアリにしましょ! お互いが好きな曲、聴きたい曲をセレクトして…そのほうが私たちらしい気がするわ。
adieu:良いですね! じゃあ、最初から男性なんですけど、ライの『Taste』です。彼は空気のような中性的な美しい声の持ち主で、リラックスしたいときには必ず聴いてます。
Stella:ライ! 彼の声は本当に美しいわよね。私の1曲目はマギー・ロジャーズの『Alaska』ね。彼女がまだ無名の頃、大学の講義でファレル・ウィリアムスにこの曲を披露したことがきっかけで一躍有名になったの。
adieu:彼女の曲はよく聴くんですか?
Stella:もちろん。彼女は私よりももうちょっとエレクトリックなんだけど、いつも良いインスピレーションを受けているわ。
adieu:なるほど。2曲目もまた男性アーティストからで、折坂悠太さんの『角部屋』。彼は日本人です。
Stella:ユータ・オリサカ! 私の友達もおすすめしてくれたアーティストよ! どんな曲なの?
adieu:例えが難しいんですけど、聴いているとなぜか湯船を連想しちゃうんですよね。ふわふわしているというか、落ち着くというか…。
Stella:素敵な感覚ね。せっかくだから彼の曲名だけでも漢字で書いてみようかな…。あ、大きくなりすぎちゃった。まるで2歳児の書く字みたい(笑)。
adieu:でも上手! はじめてとは思えない。
Stella:優しいのね。次は新しい曲ではないんだけど、パティ・スミスの『Gloria』を選ぶわ。70年代当時、ほぼ皆無だった女性パンクロッカーの地位を高めた尊敬するアーティストよ。今も現役で活躍していて、美しい作品を作り続けているの。
adieu:私の3曲目はスキータ・デイヴィスの『The End of the World』です。これは、彼女の父が亡くなった悲しみを歌った曲で…。
Stella:そんな悲しい歌だったのね。知らなかった。帰ったら早速聴いてみるわね。私も日本人のアーティストを選んでいいかしら? オノ・ヨーコの『Nobody Sees Me Like You Do』。冒頭の「I need the ginger tea.」のセリフがキュートなの。彼女はいろいろな方法で世界を変えようとしたアーティストの1人で、今もとっても美しい女性。日本人はもっと彼女をリスペクトしなきゃダメよ!
adieu:残り1曲ずつですね。ステラの曲から選んでもいいのかな、『mean to me』なんだけど…。ちなみにこの曲はどんな意味があるんですか?
Stella:私たちの曲で締めくくるのは名案ね。『mean to me』は、愛する人への感謝の気持ちを忘れてしまった人に対して書いた曲。例えば、家にやって来ては食べものを散らかして、感謝もせずにキスだけして出ていく彼氏…みたいな。
adieu:そうだったんですね。
Stella:いよいよ最後ね。私は一番お気に入りの『よるのあと』を選ぼうかしら。
adieu:嬉しい! わー、すごくいいものが出来上がりました! タイトルはどうしますか?私たちの好きなものを詰め込んだ感じなので…。
Stella:うーん。ちょっと安直かもしれないけど、『MOKA & STELLA MIX TAPE』は?
adieu:それでいきましょう! 日本語の名前はステラにお願いしようかな。
Stella:え! 練習しないと! だってこれ雑誌に載るのよね…。
adieu:あはは。

大切なのは、等身大の自分で生きること。

adieu:ステラ、今日は夢のような時間をありがとう。会えて本当に嬉しかったです。
Stella:こちらこそありがとう。私もとっても楽しかった!
adieu:最後にどうしてもステラに聞きたいことがあって…。私、あと少しで20歳になるんですけど、10代のうちにやっておくべきことってありますか?
Stella:うーん、難しい質問ね。しちゃいけないことならたくさん教えられるけど…(笑)。なんだろう、プレイステーションで遊ぶとか(笑)?
adieu:あはは。実は、この質問ができるのも10代最後の特権だと思って、いろんな人に訊いているんです。
Stella:そうね…さっきのは冗談だけど、いまやりたいことを思いっきりやるのが一番だと思う。それに何より、あなたは私の10代のころよりもずっとたくさんの経験をして、素敵な時間を過ごしているはず。だからあなたなら大丈夫、これからも応援しているわ!
adieu:ありがとう! 頑張ります!