マイク・ペリーとパークデリが織りなす、明るい友情の結晶。
Neighbors Friendship Forever.
マイク・ペリーとパークデリが織りなす、明るい友情の結晶。
2018.08.09
持ち前のポップなイラストで大手企業のCMをも手がけるマルチクリエイターのマイク・ペリーと、
花屋とスケートショップを掛け合わせたショップ「PARK DELI」を経営するオーナーのマイケル。
フリークス ストア渋谷に併設するギャラリー「OPEN STUDIO」で開催中のポップアップストアに際し、
この親友2人が仲良く来日しました!
お金儲けは二の次で、ただお互いが上機嫌でいられるクールなことをやっていたい。
そんな正直でオーガニックな彼らの人間模様からは学ぶべきことがたくさんありました。
- ーまず、今回のポップアップストアが開催される経緯について教えてください。マイクはアトリエを、マイケルはショップ「PARK DELI」をブルックリンに構えているもの同士なんですよね?
- マイク・ペリー(以下マイク):そうだよ。NYではすでに何年かに渡ってコラボレーションをしていたんだ。ショップでポップアップストアをしたり、コレクションを披露したりね。
- マイケル:しかも近所ということもあって、彼とは8年間の付き合いがある旧友なんだ。思い返せば最初のコラボレーションって、俺が彼のギャラリーにでっかい花のシャンデリアを飾った時だったと思う。「フリークスストア」が今回こうしてビッグプロジェクトの機会をくれたのもあって、2人の友情をダイレクトに表現できるようなものにしようとした。このディスプレイは、俺らが普段家でハングアウトしてるように感じられたらおもしろいよねってことで、マイクのガレージを再現してみたよ。
- ーお互いの活動を知ってた上で、知り合ったんですか?
- マイケル:いや、偶然カフェで会った。俺は初めて会った時のこと覚えているよ。
- マイク:嘘!? 俺はまったくだ。
- マイケル:ちょっと長い話なんだけど、うまく短くして教えてあげる。まず、マイクがあるソーダを買ったんだ。変わった形状のボトルに入ったものなんだけど。それ、俺がカフェに提案したもので、彼がなにも知らずにそのソーダボトルを見て「なんて美しいオブジェクトなんだ」って感心してたから、思わず「だろ? 」って話しかけにいったよ。そこからすっかり意気投合した。今から8年前のことだね。お互いのクリエーションについて知ったのはその後さ。俺らは結果的に一緒に仕事をしていることになってるけど、感覚としてはただチルしてるだけ。お互いの家族を交えてディナーしたりするのと同じように、ただ一緒に遊んでるだけさ。
- マイク:あと、よくNYにある小さな島に家族旅行しに行くんだ。そこから見える星空は絶景さ。
- ーお互いの作品についてはどう思います?
- マイケル:彼の作品は、ピュアだね。どんな些細なものからでもインスパイアされるみたいで、すぐアートに転換できる柔軟な脳ミソの持ち主。同じものを見ていても俺とは全く違った切り口を見せてくるんだ。いつもご機嫌だしね! そのスーパーポジティブな性格が作品にも表れているし、彼のアイデンティティでもある。だからなにか別のプロジェクトを進めているときでも、煮詰まってしまったときは彼のガレージを訪れるのがお決まりでさ。彼はいつも明るく「なんとかなる」って言ってくれて、それが励みになるんだ。
- マイク:彼はなんと言っても生粋のニューヨーカーであることが作品に活きているよね。俺はたまたまこの土地にアトリエを持っていただけだから、地元の友達って呼べるような仲間がいない。彼はそういう仲間と常に遊んできた人で、ニューヨークの遊び方を熟知してる。だから、一緒にいるとリアルで楽しいんだ。それに家族ぐるみで仲良くしている唯一の隣人でもあり、個人経営をしている者同士だからというのもあって、どんなことでも相談しあえるような仲になれたことが嬉しいよ。
- ーどちらのクリエイションも“ポジティブ”をテーマにしているのが共通項だと感じますが、実際にクリエイトする上で心がけてることやルールはあります?
- マイケル:マイクの奥さんが『TIDAL』という雑誌を制作してるんだけど、彼がそのパーティを仕切っていて。俺はそこに行って会場をデコレーションを担当した。驚いたのが、彼がその時のテーマに合わせてフォトグラファーと裸のモデルを引き連れてきたんだ…!
- マイク:ああ、あのクソみたいなパーティね。
- マイケル:そう? ルールをぶち破ってめちゃくちゃしてたのが最高だったじゃん。
- マイク:でも、そういう規則的なルールの話ではないんじゃない?(笑) クリエーションにおいて自分に掲げているルールだよ。それならやっぱり、カラフルであること、そしてポジティブであることだね。花についてそこまでくわしくはないんだけどさ、こうやって例えば俺のガレージだったり、アトリエだったりに彼が生けた花があると、空間がポップになるんだ。それを見た人はきっと誰だって明るく陽気になれるだろ? そういう色が人にもたらす明るいエナジーを探ることをいちばん気にかけてるかな。
- マイケル:俺の場合、スケートショップと花屋を合体させたのは偶然でしかないんだ。「PARK DELI」のある場所は、元々NYのグローサリーストアで、空き家を見つけた時はまだ大きな冷蔵庫とかが残ってた。それで、この辺をふと見渡してみたらスケートショップか、ハンドメイドのなにかを売ってる店、ヴィンテージストアしかなくて、花屋がないことに気がついた。たまたま俺が学生の時に花屋でバイトをしていたというのもあって、このエリアに花屋があってもいいんじゃないか? と思ったことがきっかけ。
- マイク:近所にそういう店ができてよかったよ。その辺にふらっと出て、気に入ったTシャツを買って帰るようなラフな感覚で、日常的に花を買う機会ができたからね。しかも彼がセレクトする花が普通じゃなくて、そこもいい。なんなら彼に出会う前までは、花に全く興味なかったから買うことなんてまずなかった。NYに花屋は死ぬほどあるけど、どれも普通で惹かれないし。でも、ここはとにかく特別なんだ。気がついたら彼の店に入り浸っていたし、花を買った時なんかは「嘘だろ? あんなに興味なかった俺が花を買ってやがる」って思ったよ(笑)。
- マイケル:これまで何度かポップアップストアをやってきたからか、「PARK DELI」って東京ではアパレルブランドのイメージが強いんだよね。でもブルックリンでは、服も売ってるけど、あくまでローカルの花屋なんだ。それが俺にとってのコアだよね。
- ー花のデコレーションもご自身でされるんですか?
- マイケル:妻のヴァレンタインがやってくれるよ。最近はアパレル事業にも力を入れていってるから分業してるんだ。妻が花を、俺がアパレルをメインにみてるって感じ。
- ー2人を引き合わせた街、ブルックリンのなにが特別ですか?
- マイケル:息子の成長をここでまた見守るという意味でも、この街からは離れられないんだ。
- マイク:ショップのすぐ近くに住んでるもんね。
- マイケル:そうそう。息子や家族、ショップ、ブルックリンは俺の人生に欠かせないもので、ホームでしかない。
- マイク:俺は、この街にいてマイケルのような人に出会えたことが大きい。クレイジーに思えるかもしれないけど、この人は近所の子供達全員の成長を見守ってるんだ。大体どんな子供達がいるのかを把握してるらしい。スケートランプがすぐ近くにあって、子供達がそこに遊びにいく時に「What’s up?」って話しかけに行くんだ。そうやってみんなと仲良くなってる。ここならではの人々の繋がり方だよね。
- ーお話を伺っていると、NYの客層と東京の客層が全く異なっているようですが、それについてはどう思います?
- マイケル:確かに、東京ではアパレルブランドでしか認識されてないけど、それはそれでいいと思う。けど俺たちを形成する核となるのはアパレルとかそういうことじゃなくてやっぱり、地元に寄り添ったなにかなんだろうとは思う。
- マイク:最近、俺のアトリエにも日本人の観光客がたくさん来るんだ。それって…。
- マイケル:きっとウチに遊びに来てくれたからだね!
- ーでも8月12日まで続く今回のポップアップストアは、限りなく本国のノリに近いように2人で作り上げてくださったということですよね! どう楽しんでもらいたいですか?
- マイク:そうだよ! まず空間を楽しんでもらいたい。
- マイケル:これまで東京で開催してきたポップアップストアは、どちらかというと洋服を見せることがメインだったけど、今回は初めて花を本格的に使って店内装飾をディレクションできて嬉しいよ。あっちではインチで測るものだから寸法ひとつで苦戦したけど、ひとつずつ乗り越えて完成できて感動してる。達成感しかないよ。だから、アイテムもチェックして欲しいんだけど、まずは俺らの作り上げたスペースに遊びに来てほしいな。
INFORMATION
MIKE PERRY STUDIO×PARK DELI
会期:〜2018年8月19日(日)場所:OPEN STUDIO(フリークス ストア渋谷併設ギャラリー)
住所:東京都渋谷区神南1−13−1
TEL:03−6415−7728