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k3のフジエリサコに学ぶ、自由で楽しいスニーカーのすゝめ。
k3のフジエリサコに学ぶ、自由で楽しいスニーカーのすゝめ。

Hey Sneaker Geeks!

k3のフジエリサコに学ぶ、自由で楽しいスニーカーのすゝめ。

2019.08.29

近年の大ブームで、
ファッションの定番のひとつへと昇華した“ストリートスタイル”。
スニーカーはより身近になったし、その価値は急速に多様化しています。
そんないまだからこそ、おしゃれな人が考えるスニーカーについて知りたい!
ということで、常に自由にファッションを楽しんでいる
「grapevine by k3」マネージャーのフジエリサコさんにお話を伺ってきました。
彼女の私服スタイリングとともに、最近のスニーカー事情をお届けします。

Photo_Tetsuya Maehara

01_Styling
〈ナイキ〉エアマックス FF 720

〈シュプリーム〉キャップ、〈ケイスリーアンドコー〉パンツ、〈ナイキ〉シューズ(すべて本人私物)

Risako’s comment

ラフな服こそバランスが重要。

雲の上を歩いているような履き心地でかなりお気に入りな「エアマックス FF 270」とミニサイズのTシャツ(ライアン・マッギンレーの写真展で購入した120cm! )を合わせて、大好きな部屋着っぽい服をだらしなくなりすぎないようにバランスをとりました。いままでピンクの服は着なかったけど、この〈ケイスリーアンドコー(k3&co.)〉のパンツは、大人でも取り入れやすいくすんだピンクで一目惚れしたアイテムです。

02_Styling
〈プーマ〉リキッド セル オメガ マンガ カルト

〈ジーヴィージーヴィー〉シャツ、〈コムデギャルソン〉ワンピース、〈アレキサンダーワン〉パンツ、〈プーマ〉シューズ(すべて本人私物)

Risako’s comment

あえて強気なアイテムで統一してみる。

シフォンやプリーツなどガーリー要素たっぷりなのに、モード感もある〈コムデギャルソン(COMME des GARCONS)〉のワンピースは、ボロボロになったいまでも手放さず持っているほどお気に入り。ディテールたっぷりのミリタリーシャツと真っ赤なスニーカー、“男前”なアイテムを合わせた攻撃力高めスタイル! こういう攻めたスタイリングも好きなんです。

03_Styling
〈ベノン〉パンサー

〈エコーズラッタ〉トップス、〈チンメン〉パンツ、〈べノン〉シューズ(すべて本人私物)

Risako’s comment

ジャンルに捉われないのが私らしさ。

この〈ベノン(bennon)〉のスニーカーは、国内だと「OUAT」と「MORSE」でしか買えない希少なものなんですよ。いまは珍しいもの好きな男の子を見習って、メンズのアイテムと合わせたい気分。毎シーズン買い物してる〈エコーズラッタ(eckhaus latta)〉と〈チンメン(chinmens)〉は私服での登場率がかなり高くて、このスタイリングみたいにメンズブランドに女性らしいアイテムを組み合わせるのが私っぽいのかな。

Here’s What She Thought.

リサコの最新スニーカー事情。

―ファッションとしてスニーカーを購入し始めたのはいつですか?
18、19歳の学生時代に「BERBERJIN®」とか「SPROUT2nd」で、ヴィンテージの〈ヴァンズ(VANS)〉を購入したのが最初だと思います。デッドストックも含めると、4つとか5つとか結構持っていましたね。〈エンジニアドガーメンツ(ENGINEERD GARMENTS)〉とのコラボスニーカーもメンズだったんですけど、全く気にせず履いてました。
―〈ヴァンズ〉しか履かなかったんですか?
単純にオールスターとかスタンスミスはキャラじゃないなって思って、当時は〈ヴァンズ〉しか買ってなかったですね。そこから自分のなかで〈メゾンマルジェラ(Maison Margiela)〉ブームがきて、長い間ブランド物のシューズを買っていたんですけど、最近またスニーカーに戻ってきました。
―またスニーカーを履くようになったきっかけは?
一昨年まで代官山の「grapevine by k3」にいたんですけど、青山の店舗に移ってからはずっと立ちっぱなしで接客するようになったから、腰を痛めて立てなくなっちゃって。これはマズいぞってハイテクスニーカーをまた履き始めたんです。でも昔履いていた〈ヴァンズ〉は古いからもう痛くて…試しにエアマックスを買ってみたらそれがすごく良くて。中学生のときに履いていたものより、はるかに履き心地良くて「これ、ヤバくない?」って思いました(笑)。
―そうだったんですね。最近のスニーカーは本当に履き心地が良いですよね。
もし腰を痛めていなかったら、この魅力に気づかずブランドのヒールシューズを履き続けていたかもしれないです。
―本日持ってきてもらったスニーカーの数を見てかなり驚いたんですが、ファッションのなかではシューズを買う頻度がいちばん多いですか?
職業抜きにしたら、「何でそんなに買うの?」ってほど買うかもしれないです。スニーカーとかブーツとか関係なく、シンプルに靴が好き。でも手軽に買えるものをたくさん買うというよりは、良質なものを選りすぐって買っています。
―確かに貴重なものばかりですね。もう買えないスニーカーだと家で綺麗に飾っておきたくなっちゃいます。
う~ん、私は履かないと意味がないと思っているので、コレクションとして集めたりはしないんです。ただ、なるべくきれいな状態で履きたいので、同じ靴を連続して履かずに3、4日は空けたり、ウェットティッシュで軽く拭いたりできることはしています。
―なるほど。日頃から少しずつ気にかけているんですね。
基本きれいに履きたいんですよ。それこそ学生時代、希少価値のために購入したデッドストックは、ソールの減りを気にして歩かなきゃいけなくてすごい疲れました…。でも、お気に入りはどうしても汚くなっちゃうので、履きすぎてスタメン落ちしたものは、いとこにあげちゃいます。「リサ、ありがとう~! 」って喜んでくれるから嬉しいんです。
―素敵なスニーカーばかりもらえてうらやましいです(笑)。全体的にサイズが大きいですが、それには何か理由があるんですか?
昔からレディースの靴が好きじゃなくて、メンズものが多いかもしれないですね。実際のサイズは24センチなんですけど、25、26センチのものも気にせず履いちゃいます。背が低いし体も小さいので、靴まで自分のサイズにすると本当に小人みたいになっちゃう。だからボリュームのある、大きめのものを買うようにしてます。
―ここ数年のストリートスタイルの流行で、いっそうスニーカーを履く人が増えたと思います。お店に立っていてその変化を感じることはありますか?
仕事柄やはり感じますね。お客さんもかなり履いてるし、表参道でもヒールを履いてる人が10人に1人くらいしかいなかったりするんです。最近はコレクションとかでもよく見るし、色々とスニーカーの流れが変わってきているのかも。いつか結婚式とかにも履いて行けるようになりそう(笑)。
―比較的モード志向の人が多いk3のお客さんでさえも、変わってるんですね。
かなり変化しています。うちで唯一取り扱っている〈プライマリー(primury)〉のスニーカーも、3万円以上するのに結構売れてるんです。最初はお客さんの反応が不安だったんですけど、みなさんスニーカーにかける金額が高くなっているだなって実感しました。私の好きな〈ナイキ〉のスニーカーとかでも、2万円を余裕で超える靴がたくさんありますしね。
―ハイブランドのスニーカーも高価で驚きます。
有名すぎるけど〈バレンシアガ(BALENCIAGA)〉とか〈グッチ(GUCCI)〉が出してますよね。すごくかわいいけど買いはしないかな、値段以前にあんまりそういうのに興味がないんです。唯一〈ルイ ヴィトン(LOUIS VUITTON)〉は、かわいくてちょっと欲しいかもって思ってるんですけど(笑)。
―逆にどんなスニーカーが気になるんですか?
いつも気になるのはもっぱら変なスニーカー。だから最近までベーシックな黒のスニーカーって持ってなくて、〈ナイキ ACG〉も黒だけど独特だし…最近は初心に帰ってヴェイパーマックスを購入したんですけど、それがやっと普通のスニーカーかな。基本的にこのシリーズは名作だから買い揃えるとかは無いけど、〈ナイキ〉と〈サカイ(sacai)〉のコラボレーションシューズは、若干話題性があるかも。フォルムとか色が、じゃがりこみたいでかわいい。
―なるほど。これだけスニーカーを持っていると、毎日選ぶのが大変そうですね。
本当にそうなんですよ。だから朝遅刻しないように、毎晩寝る前に明日何を履こうかな? ってとりあえずスニーカーを決めて寝ます。職場にもストックを置いているので、気に入らなかったら履き替えたり。
―いちばんよく履くスニーカーはどれですか?
〈ナイキ〉の「エアマックス 720」ですかね。私サカナクションが大好きなんですけど、ライブで山口一郎さんが履いていて速攻ナイキのアプリでポチりました(笑)。かなり気に入ってたんですけど、これで山登りに行ったら汚くなっちゃったんで、もう表舞台からは退きました。で、また同じものをポチってこないだ届きました。
―履いている靴を即ポチってしまうほどお好きなんですね。
もともとの趣味が合うのかもしれないです。私が持っていたのを、一郎さんが履いていたりすることもあるし。そういうときは、お揃いで嬉しい!ってめっちゃ喜びます。一郎さんのスタイリングをされている三田真一さんのインスタグラムを見て買っちゃうことも多いです。
―いま注目しているスニーカーってありますか?
こないだ気になってたスニーカーを買ったんです! 今日の2つ目のスタイリングでも履いてたんですけど、〈プーマ(Puma)〉の「リキッド セル オメガ マンガ カルト」っていうシリーズがかわいくって、赤とピンクを購入しました。漫画がテーマになっていて、かなりおもしろいんですよ。
―初めて知りました。情報ってどうやって集めてるんですか?
暇さえあれば調べてますね。調べすぎてグーグルのオススメに出てくるくらい。良さそうなものは、とりあえず買っちゃったりします。
―試着しなくても大丈夫なんですね。
スニーカーに限らず洋服は着ないでも買っちゃいます。例えば日本に売ってないブランドとかでも、よし買ってみよう!って。無理やり着れちゃうというか、着心地が悪くない限り何かしら合わせられるんです。だから買い物するときにコーディネートを考えたりはしません。ただ、色味はかなり重要にしているので、クローゼットのなかに並ぶ洋服はジャンルやテイストがバラバラでも、浮いたりせず統一感のあるコーディネートが組めるんです。
―リサコさんのように自分らしくスニーカーを楽しむには?
スニーカーについてはかなり調べますけど、服とか靴とかすべてにおいて商品単体で見るようにしています。最初に誰かのスタイリングを参考にしない。若い頃はパリコレとかミラノコレクションとかショーが終わったらすぐチェックしてたけど、いまはもうめんどくさいなって。小物の使い方とか合わせ方とかコレクションの真似をしてもモノは違うし、そもそも真似するってなんだろう? って。だから単体で自分が欲しいものを選んでいたら、自ずと自分らしく楽しめると思います!

PROFILE

フジエリサコ

「grapevine by k3」マネージャー。唯一無二のファッションセンスがSNS世代を中心に支持を集める。
Instagram @risako_1993