GIRL HOUYHNHNMGirls Just Want To Have Fun!
ふたつのブランドの顔を持つグレン・マーティンスのディーゼル。
ふたつのブランドの顔を持つグレン・マーティンスのディーゼル。

New Fashion, New DIESEL.

ふたつのブランドの顔を持つグレン・マーティンスのディーゼル。

2021.09.24

コレクションムービーを見た瞬間に心掴まれました。
2022年春夏コレクションで〈ディーゼル(DIESEL)〉の新たな時代が幕を開けます。
同時に〈Y/プロジェクト〉でもクリエイティブ・ディレクターを務めており、
ふたつのブランドを兼任するありえない偉業を現在進行形でやってのけるグレン・マーティンスに
聞きたいことをメールで投げさせてもらいました。

歴史あるブランドの“らしさ”とは何か。そして何が新しいのか。

ークリエイティブ・ディレクター就任、おめでとうございます。さっそく6月にミラノ・ファッション・ウィークで発表されたファーストコレクションについて聞かせてください。全体的に年代やジェンダーの壁を感じさせない多面的なアイテムが多くあるように感じました。その一方でレイヴやテクノパーティに遊びにいくようないまっぽいクラブ遊びをする子たちの格好もかなり色濃く出てるようでもあって。改めて今回表現したかったことについて教えてください。
〈ディーゼル〉には表現において非常に独特でユニークな言語があるため、最初のコレクションはブランドのアーカイブを祝うことから始めたいと思ったんです。多くの人に語りかけることができるグローバルな存在として、出自、宗教、性別、年齢に関係なく誰もが繋がりを持つことができるブランド。それが今回のコレクションでもっとも表現したかった部分だったので、メンズ、ウィメンズという概念をとくに意識せず、性別やカテゴリーを超えたコレクションにしました。エイジレスに楽しめて、いろんなシーンに溶け込むようにしたので、そのメッセージが伝わってうれしいです。
ーブランドとしても、ご自身としてもミラノでの発表が初となりましたが、映像からはランウェイを歩くだけでは伝わらないぞくぞく込み上げるファッションを楽しときの空気感まで伝わってきました。
まさに人生を楽しむこと、そして爆発的で過激であることを〈ディーゼル〉のマインドセットにしていました。このブランドはラグジュアリーのオルタナティブな存在ですが、だからといって、コンセプチュアルになったり、創造性の限界を決めつけ、限られた型にはまる必要はないと思っています。カジュアルブランドだからこそ生み出せるクリエイションはリミットレスなのです。

同時にふたつのブランドを束ねることで見えてくる真の姿。

ー〈ディーゼル〉と〈Y/プロジェクト〉ふたつのブランドを兼任されていますが、これから〈ディーゼル〉ではどんなアプローチをしていきたいですか?
DIESELが掲げるブランドメッセージは明確です。社会的、環境的な持続可能性を含むライフスタイルブランドであるという明確なメッセージがあり、長い歴史で培った世界でもっとも偉大なデニムの知識を私は全力でサポートすることが使命なのではと感じています。まず着任してブランドの真髄であるデニムのサプライチェーン全体を見直す仕事からスタートし、ジェンダーを問わず長く愛用できる新しいライン「DIESEL LIBRARY」を開発しました。これをわずか6ヶ月で実現したので、大企業ならではのスピード力には驚きました。 
ー設立者のヨハンから引き継いだ〈Y/プロジェクト〉を自分らしくするまで数年かかったとインタビューで読みました。より歴史濃いディーゼルでこれから自分らしく表現していきたいこととは何でしょう?
ものすごい速さで進む列車に乗り込んだようなもので、まずはここまでのビジネスについて理解するための時間が必要でした。私は実験的だと知られていますが、ここでの実験はウェアやその表面だけでなく、ウォッシュ加工や処理、素材や色、グラフィックの組み合わせにも及びます。コレクションでも常に実験的な姿勢は変えず、ブランドのコアバリューや伝統、そして楽しさや先鋭性、成功、アクティブウェアなど、さまざまな要素を混在させています。とても多彩で、ジェンダーレスなアプローチをより追求していきたいんです。
ー〈Y/プロジェクト〉でもデニムは毎シーズンお見かけするほど定番ですが、デニムこそがブランドの歴史そのものでもある〈ディーゼル〉も兼任することになりました。そもそもグレンさんにとってデニムはどういうファッションアイテムですか?
もっとも民主的なファブリックであり、使い勝手がよく、多機能で、世界中のあらゆる人に語りかけることができる服だと思います。ブランドにとってのデニムは昔もいまも、そしてこれからも中核となるエンジンです。ただサスティナブルではあるべきなので、デニムが可能な限りクリーンであることをちゃんと確かめていきたいです。
ーどちらのブランドともデニムがキーですが、それぞれでどう違った表現をしていきますか?
〈ディーゼル〉では、素材や色、グラフィックの実験をしながらも、形はできるだけシンプルにして、人々が簡単に着られるようにしています。一方〈Y/プロジェクト〉では、よりシンプルな素材を使いながらも、非常に実験的な方法で服を作っています。
ーちなみにご自身の持ち物でいちばん自慢したいデニムは何ですか? そのエピソードも合わせて教えてください。
16歳のとき、初めてファッションとして欲しくて買ったデニムが〈ディーゼル〉のものでした。当時、デニムと言えば〈ディーゼル〉だったので同世代の人たちには理解してもらえる感覚だと思います。ちなみにいまいちばん穿いているデニムも〈ディーゼル〉の新作のもの。先程の「DIESEL LIBRARY」の一部で、誕生日にチームがプレゼントしてくれました。
ー多様性を大事にするということはそれぞれの個性を大事にすることで、個性を見つめるために自分の創造源や好きなものを知ることが必要になってきます。ビックネームの〈ディーゼル〉との取り組みのなかでそのクリエイティブを楽しむマインドの広がりに期待を込めていたりしますか…?
〈ディーゼル〉って伝統のなかに明確なヴィジョンがあって、実はとても社会的な役割を果たしているんです。90年代からゲイや有色人種のコミュニティにスポットライトを当ててきた数少ないブランドのひとつで、すべての人へオープンスタンスなところが入社した理由のひとつです。世界的なブランドのトップに立つと、いまこの地位にいて、このような力を持っていることの意味を問い直さなければなりません。私にとっての最大の課題は、多くの人々に語りかける責任を自覚し、社会に関与し、社会的および環境的な持続可能性に関して、見たいと思う変化を確実に加速させることです。
ー最近はコロナの何もできない日々の反動で遊びを効かせたデザインやカラーリングをよく目にするようになってきました。(そしてお客さんもそういうものを選びがち)一時はすべてがストップした所から、ようやくこのシーズンで再始動し息を吹き返した状況になりましたが、昨年のその感じからいまに至るまで、常にファッションシーンの第一線にいらっしゃるグレンさんならではの視点で、いまのファッションシーンがどういう状況になっていると感じていますか?
ファッションは非常に速いスピードで進む業界です。この業界に携わった12年間、多くの浮き沈みや冒険があり、すべてが非常に激しいものでした。その波に飲み込まれることなく、このコロナ禍の状況下だからこそとにかく自分自身と自分のヴィジョンとしっかり向き合うことができました。近いうちに通常のファッションウィークに戻れるのが待ち遠しいです。

INFORMATION

DIESEL JAPAN

0120-55-1978
diesel.co.jp

DIESEL BY GLENN MARTENS POP UP STORE

期間:〜2021年9月28日(火)
会場:阪急メンズ大阪2階=GARAGEプロモーションスペース 、伊勢丹新宿店メンズ館6階=メンズコンテンポラリー
※新型コロナウイルスによる緊急事態宣言等の影響で、営業時間・営業日が変更となる可能性がございます。営業情報に つきましては、各館のウェブサイトをご確認ください。