背伸びしてでも買いたいあのブランド。vol.8 DIOR
Precious things
背伸びしてでも買いたいあのブランド。
vol.8 DIOR
2019.07.31
“いまっぽい”というノリだけで服を買ったものの、数回着て終わり…なんてことは日常茶飯事。
それと比べてラグジュアリーブランドのアイテムには、
袖を通す度に気分を高揚させてくれるパワーが宿っています。
がんばって働いて憧れのブランドを身につけることには、プライス以上の価値があるはず。
ここではそんな、“少し背伸びしてでも”手に入れたいブランドをピックアップ。
vol.8は〈ディオール(DIOR)〉です。
Photo_Kengo Shimizu
現代に蘇った、1950年代風テディ・ガール。
アーティスティック ディレクターがマリア・グラツィア・キウリに代わってから早3年。メゾンのコードは残しつつも、よりフレッシュに、よりサブカルチャーとのつながりを匂わせるクリエイションに転換することで、〈ディオール〉という存在を、私たちガールフイナム世代も身近に感じられるものにしてくれました。
そんな彼女が今季のプレタポルテ コレクションで選んだテーマは、“テディ・ガール”。英国黎明期に流行したテディ・ボーイスタイルに身を包む少年たちのガールフレンド(=テディ・ガール)を、現代に蘇らせたのです。
そんな彼女が今季のプレタポルテ コレクションで選んだテーマは、“テディ・ガール”。英国黎明期に流行したテディ・ボーイスタイルに身を包む少年たちのガールフレンド(=テディ・ガール)を、現代に蘇らせたのです。
まず印象的だったのは、ランウェイに登場したモデル全員が頭にバケットハットをすっぽりと被っていたこと。〈ディオール〉的テディ・ガールを表現する上で欠かせないピースは様々なバリエーションで展開され、レオパード柄のカーフ素材やブリムにあしらわれたチュールはエレガンスを漂わせます。
フェミニズムの提唱も、マリア・グラツィア・キウリによる〈ディオール〉の特徴のひとつです。毎季スローガンTを通してメッセージを発信していますが、今回はアメリカの女性詩人ロビン・モーガンによる『シスターフッド・イズ・パワフル』(1970)から『シスターフッド・イズ・グローバル』(1984)、『シスターフッド・イズ・フォーエバー』(2003)まで、女性の団結という概念を称賛する詩集へのオマージュプリントが施されました。
ちなみに! 男性だけに与えられた特権を皮肉るために男性名で活動したイタリア人アーティストのトマーゾ・ビンガ。今季のショーの舞台装飾が、彼が生み出した各アルファベットが女性の身体の部位を示す“ABCブック”に即して展開されたことも、いまの〈ディオール〉を物語るエピソードといえるでしょう。
きっと1950年代を生きたテディ・ガールは、当時の英国女性のなかでは異色だったはず。にも関わらず慣習に捉われないスタイルを貫いた彼女たちにも、“Girls just want to have fun!”のマインドがあったのかもしれません。
ちなみに! 男性だけに与えられた特権を皮肉るために男性名で活動したイタリア人アーティストのトマーゾ・ビンガ。今季のショーの舞台装飾が、彼が生み出した各アルファベットが女性の身体の部位を示す“ABCブック”に即して展開されたことも、いまの〈ディオール〉を物語るエピソードといえるでしょう。
きっと1950年代を生きたテディ・ガールは、当時の英国女性のなかでは異色だったはず。にも関わらず慣習に捉われないスタイルを貫いた彼女たちにも、“Girls just want to have fun!”のマインドがあったのかもしれません。