ある女の子の人生をNφdressに綴る。そして紡ぐ。
She knows what she wants.
ある女の子の人生をNφdressに綴る。そして紡ぐ。
2018.10.23
それはまさに運命の出会い。インスタグラムサーフィンをしていたら、
ロンドン在住の女の子、ルキちゃんが作る〈ノードレス(Nφdress)〉というブランドを知りました。
こんなにも自由で、やりたい放題なデザインなのに…いや、だからこそ無性に欲しくなる。
その商法もいまどきで、「欲しいアイテムはインスタでDMをしてね」とのこと。
一体彼女は何を考えて、どんなことに興味があるのか。どうしても気になったので
お話を聞いてきました! めちゃくちゃやってるようで、違うんです。
ルキちゃんのハートに宿る、熱きファッションパトスがここに!
Photo_ Shouju Xiang
Hair & Make-up_Rina Inata
Model_Luqi Yu, Maiko Shibukawa, Ayano Nakano
完璧である必要はない。着たい服を着ればいい。
- ー〈ノードレス(Nφdress)〉はどうやってスタートしたのでしょうか?
- いまから約4年前、住んでいたアパートの一角で服の仕立て屋としてスタートしました。というのも、昔から服に求める理想が高すぎて自分が着たいと思えるようなものになかなか出会えず。だったら、自分が心底欲しいと思えるものを作ろう! という一念発起で始めました。なので、〈ノードレス〉で発表するアイテムは、私の理想のワードローブでもあります。
- ー以前、インタビューで「どんなにおしゃれで何もかも手に入れた女の子でも、常に何か物足りない気持ちになる」と言ってましたが、これはルキさんの実体験から気づいたこと?
- はい。常々感じていることです。幼少期からすでにDIYに目覚めて、自分の服にちょっとずつ手を加えるようなことはしていました。やっぱり、女の子ってどんなにたくさん服を持っていても、満足することなんてできないと思うんです。 でも、それはわがままなんかじゃないし、そういう女の子はみんな強くて魅力的な個性を持っているし、自信がある。いま何が欲しいのかを把握してるし、誰よりも人生を楽しんでいるなって。私もそのキラキラしたヴァイブスを大切にしています。
- ーブランド名の“Nφ”は、“No”と同じ意味?
- “φ”はギリシャ文字で、完璧という意味があるそうです。“Nφdress”はそこを否定しています。別に、完璧な姿にならなくたっていい。ファッションに縛られる必要もない。“私たちが私たちらしくいることが大切”という意味を込めました。
つまらないものは作らない、同じことは繰り返さない。
- ーそもそも、ファッションに興味を持ったのはいつからですか?
- うーん。物心ついたときから? それこそ、バービー人形の服を作ってあげたりもしていましたし。そうやって手を動かしていくうちに「どうやったら自分の理想を実現できるんだろう? 」って考えるようになって。そのためにテキスタイルも勉強したし、ファッションやアートへの好奇心がどんどん大きくなっていく感じ。気がついたら、ファッションが私の人生のなかで欠かせないものになっていました。あと、いま通っている「セントラル・セント・マーチンズ」は、専攻しているテキスタイル以外にも多くのことが学べる素晴らしい場所で、そこから得るものも大きいのかな。
- ー物心ついたときから!? 相当、早くからだったんですね。
- はい。でも女の子ってみんなそうじゃない? 友達の着てるものが欲しくなったり。
- ーそうだったかもしれないです。
- 私の場合は、もともとママがおしゃれな服を着ることと、ファッション誌を読むことが好きな人だったので。よくママがいないときに、勝手に服を着て遊んでいました。
- ーということは、ルキちゃんのインスピレーション源ってママ?
- もちろん影響された部分は大きいけど、ちょっと違うのかな? そう考えると、特定のインスピレーション源ってないのかも。そのときそのときに興味があった出来事がデザインに活かされることが多いです。だから私のなかでは、デザインすること=日記をつけること。旅をしたり、本を読んだり、誰かおもしろい人に会ったり、その日あった出来事を記録しているような感じ。
- ー日常的に本を読んだり、映画を観ているんですか?
- 習慣的にという意味では、あんまりやれてないです。そういう時間がなかなか作れなくて。だけど、これまで観てきたなかだと、ウォン・カーウァイの作品は本当にきれいだと思う! すごく好きです。最近は作業しながらでも楽しめるから、ラジオを聴くことにいちばんハマっています。なんか、おばあちゃんみたいな趣味ですが(笑)。
- ーところで、これまでのコレクションを拝見していると、コルセットを使ったアイテムが多い気がしていて。何か理由はありますか?
- 女性的なデザインを追求することが、実はブランドのコアとなる部分だったりします。コルセットはもともと好きで、かなりの数を蒐集しています。主に中世時代にドレスと合わせて身につけていたアイテムですが、〈ノードレス〉のコルセットはそれを現代の服と合わせてもかわいくなるようにしました。完成するまでに膨大な時間がかかった超大作、そして自信作です。気軽に着れるし、スタイルを作りやすいアイテムなんですよ。
- ー確かに、〈ノードレス〉のアイテムって一見ロココ調なデザインなのに、プラスチックやビニールといった素材を合わせてくる。そのちぐはぐ感がおもしろいなと。デザインする上で意識していることは何ですか?
- そう! 全く無縁そうなアイテムと素材の組み合わせにすごく惹かれて。自分で作っておきながら、完成したときは毎回驚かされるし、感動するんです。なので、デザインするときのマイルールはたったの2つ、絶対につまらないものは作らない、同じことは繰り返さない。
- ー今回、来日した理由は何ですか?
- まず、東京で〈ノードレス〉のルックを撮りました! 日本の古い家って装飾がオーセンティックで本当にすてき。あとは、11月2〜4日で開催される「文化服装学院」の文化祭に参加することになって、そのヴィジュアルも撮影しました。
- ーその文化祭では、どんなことをやるんですか?
- ポップアップストアを開催します! この文化祭で初めて新作コレクションを披露する予定です。ちなみに、ここでしか買えないエクスクルーシブなバッグも作りました。ぜひ注目してもらえるとうれしいです。
- ーかなり滞在期間が短そうだったけど、東京で楽しかった思い出はありましたか?
- なぜあんなに短くしてしまったのか、本当に悔やまれます。でも、ちょうど「THE FOUR-EYED」の2周年パーティをやっていて、そこでたくさんの友人に会うことができました。東京での撮影も、彼らがとても親切にサポートしてくれて…とても感動しました。
- ー最後に〈ノードレス〉のこれからの展望について教えてください。
- もっともっとブランドを通じてファッションのことを学びたい。技術だけじゃなくて経験も。経験をひとつずつ消化して、また自分のデザインに活かしていきたいです。あ、あと来年もまた日本に来る予定です! またそのときに会いましょう!
INFORMATION
Nφdress
Instagram @nodress_online_shop