あの子は古着に首ったけ! #19 OOTHO
Take a Vintage Clothing Snapshot.
あの子は古着に首ったけ!
#19 OOTHO
2024.09.17
編集部が気になる古着屋スタッフにフォーカスしていく、
毎月更新の連載企画「あの子は古着に首ったけ!」。
今回は長年にわたり古着に携わってきた「OOTHO」のオーナー、千聡さんを取材。
ご自身の経歴や今日のスタイリングについてお話を伺いました。
やりたいことに忠実な人って、本当に魅力的!
Photo_Shunsuke Kondo
古着は自分の歴史を綴るもの。
- ーまずは今日のスタイリングのポイントを教えてください。
- 基本的にリラクシーな装いが多く、いつも通りではあるのですが、ベロアとシルクの素材感を意識しました。異素材を組み合わせてますが、どちらも綺麗な光沢で全体にまとまりをもたせています。
- ー普段はなにを基準に着用アイテムを決めているんですか?
- 着たい色のトーンからスタイリングを組むことが多いです。それで今日は白が着たいなと。
- ーシェル型のネックレスはどこのでしょう?
- オランダのブランド〈MANA(マナ)〉です。自然への深い愛やデザイナー自身の個性を表現するために一つひとつハンドメイドで作られているそうで、より一層大切に思えます。作り手の気持ちを純粋に感じられるような手仕事に惹かれますね。
- ースタイリングのアクセントにもなっていて素敵です!
- 全体的に白いので、のっぺりするのを避けるためにネックレスや眼鏡の黒で引き締めました。貝殻のモチーフですごくナチュラルですが、絶対的な存在感があり、私のラフなムードにも合ってるなって。
- ーリラクシーなムードを好むようになったのはいつ頃からですか?
- もともと部屋着の延長みたいな服が好きで、20代後半からです。でも昔はもっとエッジが効いたコテコテの古着を着ていましたね。
- ーそれはなにかきっかけがあったんですか?
- 20代前半頃まではいろんな服に惹かれてクローゼットに統一感が全くありませんでしたが、歳を重ねるうちに手にとる服が定まってきたんです。それで気がついたら、シンプルだけど素材にこだわっていて、着心地の良いアイテムを身に纏うようになりました。
- ー今では想像できないので、当時のスタイリングも見てみたいです……!
- 学生の頃から、とんちゃん通りの「BUD」で働いてたんです。今はもう無いのですが、BUDの系列店「スプラウト2nd」っていうオールドスケートが多く並ぶ古着屋にも立っていました。 それで長らく原宿にいたので周りに埋もれないようにとにかく派手な服や覚えたてのコテコテな古着を着ていました(笑)。
- ーそもそも古着を好きになったのはなぜですか?
- ずっと部活女子だったので、その反動だったり、他の人とはちがう選択肢をする性格なこともあり、自然と流れで古着に辿りつきましたね。あとは就職のタイミングでデザインの仕事をしてみたいって父親に言ったら、一度古着屋で働いてみたらって助言をもらって。今ではまんまとその道にどっぷりです(笑)。
- ー意外です! ちなみに何のスポーツをしていたんですか?
- ハンドボールです(笑)。体育大学に通っていました。
- ーOOTHOをオープンしたのはどんなタイミングで?
- 以前勤めていた会社に古着部門があって、そこで一店舗ディレクションをしていました。ただ、少しずつやりたいことが明確になり、会社との方針のちがいも出てきて、そのときに通らなかった案を自分で落とし込んでみようと思ったのがきっかけです。
- ーそこからご自身で実店舗を持つまでは早かったんですか?
- そのときがちょうど30歳になる節目で、一旦自分の感覚を整理しようと思い、一年間は店舗を持たずにポップアップとオンラインで運営していました。今のお客さまも以前のお店から知ってくださってる方が多いです。
- ー古着以外にオリジナルのアイテムも並んでいますが、これもやりたいことのうちの一つだったんですか?
- そうですね。古着じゃ汲み取れない部分をオリジナルで拾い上げたいなって。古着を長いことやっていて、問題が出てくるのっていつもボトムスなんですよ。サイズが合わないことが多くて。
- ーデザインはかわいいのに……ってことありますよね。どんなところにこだわりが?
- 今日履いているパンツはオリジナルのベロアパンツなんですが、ベロアだったら古着にはないカラー展開だったり、サイズ展開、パンツは裾を調整できるようにしています。
- ーでは、古着のラインナップについてはどうですか?
- ベロアやカシミヤ、シルクなど素材にこだわった上質な服を中心にセレクトしています。 カジュアルなアイテムもカシミヤ混だったりするので、着心地が良くて日常的に愛用できると思います。
- ー今後の展望について教えてください。
- 他のブランドの取り扱いもできたらおもしろいかなと思っています。将来はオリジナルアイテム含め現行のアイテムを古着と半々くらいで並べたいです! より一層古着を引き立てられるような。あとはジュエリーやバックなどの小物類もオリジナルで提案したいです。
- ー楽しみです! 最後に、千聡さんにとって古着とは?
- 仕事でもプライベートでも欠かせない存在です。私の人生そのもの。他の会社に所属することはできないし、これしかないって思っています。今は古着がみなさんと繋がるツールになってるので、続けてきて良かったなって本当に思います。やっぱり自分の変化や感性を落とし込めるのが古着の良さですね。
SHOP INFO
OOTHO住所:東京都目黒区碑文谷6-1-23 ウッドビル碑文谷1F
時間:13:00〜20:00