あの子は古着に首ったけ! #20 H(アッシュ)
Take a Vintage Clothing Snapshot.
あの子は古着に首ったけ!
#20 H(アッシュ)
2024.10.21
編集部が気になる古着屋で働く素敵なスタッフさんに、
インタビューをする連載企画「あの子は古着に首ったけ!」。
今月は見ているだけでワクワクする中目黒にある2階立ての古着屋「H(アッシュ)」を訪問。
バイヤーとして働くAIRIさんにスタイリングのこだわりや古着の魅力など
気になるあれこれを教えていただきました!
Photo_Shunsuke Kondo
型にハマらずにいろいろなムードを楽しんで。
- ーまず始めに気になったのですが、Hって書いてアッシュなんですね。エイチって読む人も多いんじゃないですか?
- 実はこれフランス語なんです! ハイクオリティ、ハイセンス、ヒューマン、ヒストリー、ハンドメイドの頭文字をとってこのネーミングになりました。
- ーなるほど……! スッキリしました、では本題へ(笑)。今日のスタイリングのポイントを教えてください。
- 秋を意識して落ち着いたトーンでまとめました。そこにキャップだったりジャンプスーツなどのメンズライクなアイテムを多く取り入れることでワークっぽいムードに仕上げています。
- ーTシャツのダメージ具合がかわいいです!
- こういう雰囲気のものに出会えることは少ないので気に入っています。自分で手を加えようとしてもなかなかできないようなボロ加減とクタッとした感じがいい塩梅です。
- ーまさに古着ならではの良さですね。ジャンプスーツはどこのですか?
- これはHのオリジナルアイテムなんですけど、ヴィンテージの生地で仕立てています。
- ーそれって一枚の布からってことでしょうか?
- そうです! 生産部署にデザイナーがいるので、その方が製作を担当しています。他にも店舗スタッフの意見を反映させたアイテムも作ってもらっています。
- ー普段はどんなスタイリングをすることが多いですか?
- いろいろ着ますが、基本的には柄物か色物は必ず取り入れています。あまり人と被るのが好きではないので、一癖あったり、派手なアイテムを好んで着ます。
- ー今日は落ち着いているほうなんですね……!
- バティックも着ますし、70年代らしいムードのスタイリングもします。小さい頃から派手な服が好きで! 昔の写真を見返してもいまと変わらずです(笑)。着回しが効くアイテムというよりは、一枚でカタチになるような服が好きですね。
- ー最近だとなにか気になっているアイテムはありますか?
- ギラギラとしたメタリックのパンツです。ウェスタンブーツやゴツめのブーツと合わせてボーイッシュな雰囲気で楽しみたいな〜と。
- ーここに勤め始めてどれくらいになるんですか?
- 5年目です。ここに来る前もセレクトショップで働いていて、ずっとアパレルに携わっています。
- ーでは、古着屋で働きたいと思ったきっかけは?
- 学生の頃に原宿の専門学校に通っていて、放課後に古着屋を巡っていたんです。それから古着の仕事に興味がありました。
- ー数ある古着屋のなかでも、なぜHに?
- テイストが決まっていなくて、カジュアルだったり、キレイめだったり、多様なアイテムが置いてあるのですが、その縛られない感じがすごく楽しくって。私もいろいろなコーディネートをするので!
- ーいまイチオシのアイテムはどれですか?
- このワンピースです。かぎ針の細かい縫い目と形がかわいいんです。タグまでデザインが効いていて。秋に向けてこれ一枚で着るのもおすすめです。
- ーオリジナルアイテムもありますね。
- 買付をしていて、この年代のこの服が見つからない、ってことがやっぱりどうしてもあって……。なので、そのアイテムの良いところを取り入れたり、ヴィンテージの生地で作ったらかわいいよね! ってものをカタチにして提案しています。
- ーお店に入ってまず目に入ったのは、モヘアのカーディガンでした!
- なかなかいま見つからないんですけど、モヘアを探している方が多くて。完全にオリジナルアイテムなんですけど、60年代のヴィンテージカーディガンをかなり再現度高く仕立てています。
- ー現行のアイテムだとは分かりませんでした(笑)。
- そうですよね。古着好きでも気がつかない方が多いです。色味や糸の風合いにもすごくこだわっているので。上質なキッドモヘアを使っていて着心地もいいですし、現行のアイテムとも相性がいいので、普段古着を着ない方でも取り入れやすいです。
- ーこのクシュクシュしたアイテムはリメイクしているんですか?
- そうです!古着の生地でつけ襟とたすき掛けを作ったらかわいいよねって意見から生まれました。
- ー2WAY仕様なんですね!
- キュッと絞ると襟として使えて、伸ばすと肩から掛けて楽しめます。一つあるだけで便利ですよ。
- ー現行のアイテムを着ることもありますか?
- 本当にたまに着るんですけど、欲しいものがあったときに、これって古着で似たようなものがないかな〜?って探しちゃいます。
- ーそこまでして古着にこだわる、その魅力はなんですか?
- 色合いやディテールの唯一無二な感じや、他の人と被らない特別感に惹かれますね。
- ーでは、古着にまだ手を出せていない方へなにかメッセージをお願いします!
- 取り入れ方が難しいと思われがちですが、現行のお洋服と同じような感覚で着回して楽しめます。例えば、Tシャツに現行のデニムパンツを合わせるだけで雰囲気が変わりますし、まずはトップスから挑戦してみてください!