あの子は古着に首ったけ! #23 Only One
Take a Vintage Clothing Snapshot.
あの子は古着に首ったけ!
#23 Only One
2025.01.27
編集部が気になる古着屋で働く素敵なスタッフさんに、
インタビューをする連載企画「あの子は古着に首ったけ!」。
今月はデザイナーズ古着を取り扱う「Only One」を訪問。
店舗スタッフとしてだけでなくスタイリストとしても活躍するUKEIさんに
気になるあれこれをお伺いしてきました!
Photo_Shunsuke Kondo
空想のキャラクターをスタイリングに投影する。
- ー今日の着こなしのポイントは?
- 不思議なカタチやねじれのある変形アイテムで構成し、ちょっとアバンギャルドなムードに仕上げました。
- ーなかなか見ないシルエットのコートですね!
- これは私が一番好きなブランド〈Comme des Garçons(コム デ ギャルソン)〉の2002年秋冬のショーピースで、ボタンを留める位置によってシルエットを変えることができます。一着の服でいろいろな着こなしを考えるのが好きで。
- ーエッジが効いてる足元も素敵です。
- タイツも〈Comme des Garçons〉の2014年秋冬のショーピースです。あまりみないプリントデザインでかわいいですよね。全身を黒でまとめているので、柄をポイントとして取り入れています。
- ーいつもどんなプロセスでスタイリングを組んでいくんですか?
- 特定の年代の若者を頭のなかで作り上げて、それをもとに考えています。ある程度ベースを組んだら、そこに小物類をプラスし、そのキャラクターのアイデンティティをより色濃いものにしていきます。
- ースタイリストとしても活躍されていますが、いつからファッションに興味が?
- 母が服好きだったので、その影響もあり子供の頃から好きでした。中学生の頃にお年玉を貯金して初めて買ったのが〈Comme des Garçons〉のPLAYのアイテム。それからいろいろ勉強するうちに、自分が日本のブランドが好きなんだと気がつきました。
- ーPLAYを中学生で……! 出身は中国とのことですが、いつ日本に来たんですか?
- 中国の高校を卒業してからです。日本に来てからはオンラインで古着のバイヤーをしていました。
- ーそれからどうやってスタイリストの道に?
- オンライン販売なので服が素敵に見えるようにスタイリングを組んで商品の撮影をしていたんですけど、やってるうちに興味が湧いて。私は英語が話せたので運良く、〈miumiu(ミュウミュウ)〉や〈Maison Margiela (マルジェラ)〉、〈Comme des Garçons〉などを手がける海外のスタイリストさんが来日したときにアシスタントをすることになったんです。
- ー実際にUKEIさんの作品をいくつか拝見しましたが素敵でした! 今から「Only One」のアイテムを使ってスタイリングを組んでいただくことはできますか……?
- わかりました! ちょっとやってみますね。
- ーあっという間に完成しましたね! これはどの年代をテーマにしているんですか?
- 2005年から2010年代くらいのヨーロッパのムードで、個人的には今からトレンドになるスタイルだと思います。うちのショップで取り扱っているセレクトもそのくらいの年代のアイテムばかりです。
- ーでは、簡単にスタイリングの説明をお願いします。
- ヨーロッパでよく見かけるレザージャケットとロングブーツを組み合わせました。パンツはあえて膝丈にしたのがポイントです。そこにかなり大きめのショルダーバッグとフューチャリスティックなサングラスをプラスしました。
- ー途中、ブーツだけでなくスニーカーも合わせていましたね。
- 当時の女の子は大きなバッグの中にスニーカーを入れて持ち歩いているんじゃないかっていう私の想像で(笑)。ヒールを長時間履いていると疲れてしまうじゃないですか。なのでスニーカーもちゃんとスタイリングに似合うものをセレクトしています。
- ーなるほど! それが当時のヨーロッパの女子の主流だったってことですか?
- 実際にそうなのかはわかりませんが、欧米系のドラマや映画が好きで、その中に出てくる女の子たちが自分の車に戻ってよくスニーカーに履きかえるんです! だからそうなのかもって。
- ースタイリストと古着屋店員で楽しいと感じるポイントは違いますか?
- 違いますね。スタイリストの仕事はモデルやアーティストに服を着せる瞬間が楽しいです。撮影前に入念にリサーチしたりスタイリングを何度も組んだりして、最後にそれをモデルさんに着せた時にすべてが完成した感じがして達成感があります。
- ー自分のイメージがカタチになるって凄いことですよね。古着屋店員はどうですか?
- 接客が大事なので、どんな服が似合うかを提案するなかでファッションの知識を交換することもできるし、それを実際に着ていただけるのがうれしいです。かなり着崩した着こなしが好きなので「Only One」スタッフとしてのスタイリング提案も楽しいです。
- ー最後に、UKEIさんにとってデザイナーズ古着の魅力はなんですか?
- 今ではなかなか見つかないデザインとアートのエナジーが感じられるところです。私が大学で最初に学んだのはアートだったんですけど、ファッションとは深い繋がりがあると感じます。一つの表現方法として考えたときに着て魅せるだけでなく、デザイン以上にアートの要素を引き立てる服がたくさんあって、そういう服との出会いが楽しいです!
SHOP INFO
Only One住所:東京都豊島区池袋3丁目63−1 あわ屋コーポ 102号室
時間:14:00〜20:00(水曜定休)
https://onlyone1.official.ec/