Girls Just Want To Have Fun!

Talking about
Amazon Fasion Week Tokyo.

スタイリスト仲子菜穂と振り返るアマゾンファッションウィーク東京。

3月19日より開催された年に二度のファッションの祭典“Amazon Fashion Week Tokyo”。
昨シーズンの〈サカイ(sacai)〉と〈アンダーカバー(UNDER COVER)〉の合同ショーが記憶にある方も多いはず。
今回もAT TOKYOではブランド初のランウェイとなる〈マメ(mame kurogouchi)〉や最近〈ディオール オム(Dior Homme)〉の
ジュエリーデザイナーに任命されたYOONさんがデザイナーを務める〈アンブッシュ®(AMBUSH®)〉のショーなど、盛りだくさんなラインナップでした。
そんな“Amazon Fashion Week Tokyo 2018-19AW”をスタイリストの仲子菜穂さんを迎え、バーッと振り返ってみます。

THE Dallas

ダラス

ガールフイナム(以下ガール):2年前にブランドが始まって、瞬く間に人気になったなと思っていたら初のランウェイでした!

仲子:リースなどでもチェックを欠かさないブランドですが、やっぱりひとつひとつのパーツを作るのがうまいなって思いましたね。主張が強いアイテムなのにまとまっているなーと。あとアクセサリー使いがかわいかった!

ガール:どのスタイリングも大ぶりのアクセサリーを合わせていましたね! 個人的にニーハイソックスやカラータイツの合わせ方も気になりました。

仲子:今年の秋冬はベロア素材のソックスやカラータイツを合わせるコーディネートが流行る気がする。

ガール:秋冬はニーハイソックス履いて“絶対領域”ってとこですかね。

仲子:そのワード懐かしい〜(笑)。

G.V.G.V.

ジーヴィージーヴィー

ガール:20周年を迎えた〈ジーヴィージーヴィー(G.V.G.V.)〉は〈ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR)〉とのコラボレーションアイテムが90年代全開! という感じでかわいかったですね。

仲子:春夏シーズンはマリンだったけど、ガラッと変えてきたよね。〈ジーヴィージーヴィー〉は毎シーズン表情が変わるからついつい追いかけちゃいます。

ガール:サイケデリックやチェッカー柄などの柄on柄の組み合わせが印象的でした。

仲子:柄on柄って普通はくどくなりがちだけど、全然くどくなくて、色合わせが上手だなって。

ガール:サイケデリックなプリントを見て、思わず小さい頃に遊んでいたバービー人形を思い出しました。ちょうどこんな服を着せていたんですよ。

仲子:私はリカちゃん派!

AMBUSH®

アンブッシュ®

仲子:カート・コバーン!

ガール:突然どうしたんですか?

仲子:いや、〈アンブッシュ®(AMBUSH®)〉のショーはニルヴァーナが 流れていたんです。実際、パジャマのセットアップにガウン羽織って、 ファックス型のサングラスかけたカート・コバーンのような モデルも登場して。かっこよかったな。

ガール:今回のテーマはデザイナーのYOONさんが幼少期に過ごしたアメリカのアウトドアシーンからインスピレーションを受けているそうです。

仲子:つばの広い帽子やダウンジャケット、ナイロン素材のパーカなどのアウトドアっぽいアイテムをカチッとしたジャケットと合わせたスタリングが好きでした。なんだかフェスに行きたくなりますね。

ガール:私、来月フェスに行くので早速真似しちゃお!

LIROTO

リロト

ガール:今シーズンデビューした〈リロト(LIROTO)〉。元〈コムデギャルソン(COMME des GARÇONS)〉出身のデザイナーさんが手がけています。

仲子:実は東コレ前から気になっていて、ファーストコレクションで初のランウェイ、楽しみにしていました。

ガール:一見、クラシカルな感じかと思いきや花柄のセットアップやキルティングを用いたアイテムなど表情が変わっていくのがおもしろかったですよね。

仲子:表情が変わっていくのにどこか統一感があって、デザイナーさんの好きなものが定まっているんだなと思いました。ギャザー使いがとても綺麗だったな。

YOHEI OHNO

ヨウヘイオオノ

仲子:スタイリング、よっぴー(入江陽子さん)がやってるんだよね!

ガール:そうです! なんと入江さん、今回の東京コレクションで3ブランドもスタイリングしていたみたい。

仲子:よっぴーとはかれこれ長い付き合いなんですよ。それはとある日、三茶の屋上で…。

ガール:ストーップ! その話はまた今度お願いします! 〈ヨウヘイオオノ(YOHEI OHNO)〉はシンプルだけど印象に残る構築的なデザインが素敵でした。

仲子:秋冬なのにグレーやピンクといった色使いも新鮮だよね。あと袖からのぞくチュール使いがかわいかったな。

ガール:チュール、気になりました!

仲子:シンプルなスタイルでもこういった小技があるとコーディネートに広がりを感じますね。この秋冬はニットやコートからチュールをのぞかせるコーディネート、いいかも。

mame kurogouchi

マメ

ガール:「ファッション プライズ オブ トウキョウ」への選出を受け、パリコレでプレゼンテーション、そして東コレではブランド初のランウェイと、今シーズンの〈マメ(mame kurogouchi)〉は勢いがすごかった。

仲子:パリで発表したコレクションと東コレでのランウェイでスタイリングが違っていて見応えがありましたよね。

ガール:〈マメ〉の服って力強いのに繊細ですよね。今回はいつもにも増してそういったアイテムが多かったように感じます。

仲子:ミントグリーンや朱赤などの色使いがすごく印象的でしたね。花柄プリントも〈マメ〉らしくてとても素敵だったな〜。

ガール:ちなみにミントグリーンのカラーは普段使っている領収書から色を採取したそうですよ。

仲子:えー! 領収書から! それはびっくり!

AKIKOAOKI

アキコアオキ

ガール:〈アキコアオキ(AKIKOAOKI)〉は毎シーズンランウェイでの発表ですが、今回はインスタレーションでした。モデルの横にラックがあって、着替えていくのがおもしろかったですね。

仲子:ランウェイだと、ショーで映えるためのデザインだったりすることがあるからリアルクローズとしてなかなか想像できなかったりするけど、日常を連想できたのでいいなと思いました。

ガール:今回はスーツやシャツなどベースの服がメンズっぽいのに、シャツから見える肌の感じや、カッティングが〈アキコアオキ〉らしい女性らしさが見えて素敵だったな〜。

仲子:なかでもネクタイを用いたスタイルがよかったな。“ネクタイ=メンズ” のイメージが強いけど、コーディネートのポイントになっていてかわいかったです。

ガール:学生時代の制服からネクタイ引っ張り出してきます!

仲子:それはちょっと違う!(笑)

THEATER PRODUCTS

シアタープロダクツ

ガール:〈THEATER PRODUCTS(シアタープロダクツ)〉ってメンズブランドに変わったんですか?

仲子:って思うよね(笑)。 違います! 今回は“HOMME”をシーズンテーマにしていて、女性向けの服なんだけど、あえて男性に着せたみたい。おもしろい見せ方だよね。

ガール:いまって抵抗なく女性はメンズの服着ちゃうし、メンズを意識したレディース服をメンズに着せて見せるとは! 新しい!

仲子:“ニューヨークで働く男性の姿”からインスピレーションを受けたんだって。ほら、コックさんや消防士さんのような人いるでしょ。

ガール:本当ですね! ニューヨークで働くならなにがいいかな〜。

5-knot

ファイブノット

ガール:チェック柄やヴィンテージ調の柄アイテムが豊富で見応えがあるランウェイでしたね。体数も多かったし。

仲子:いろんな柄の組み合わせや異素材合わせがかわいかった! 今シーズンのキーカラーでもあるオレンジ色の取り入れ方が印象的だったな。

ガール:個人的にブランド名が大きく入った大判ストールも気になりました!

仲子:先シーズンあたりから大判ストールってじわじわきているなって思っていたけど、こうやってアウターにかけてベルトで縛るスタイリングがこの秋冬は本格的に流行りそうな気がします。

ガール:この秋冬は人肌恋しくなったらストールに包まれたいと思います…。

soe

ソーイ

ガール:仲子さん、最近運動してます?

仲子:ううん。時間もないし、全然してないです。暖かくなってきたから動きたいなあという気持ちはあるんだけど。

ガール:今回の〈ソーイ(soe)〉のコレクションがフットボールの要素も入っていたんです。思わず運動したくなって。

仲子:確かにコートのプリントが観戦中のものだったり、マフラーやシャツがどことなくユニフォームっぽいものが多いね!

ガール:フットボールもなんですが、タータンチェックやグレンチェックも用いられていて、ヨーロッパ調なのもかわいかったです。

仲子:あと、アウターやパンツのヒモがロープなのが気になったな〜。

ガール:本当ですね! カチッとしたパターンのアイテムが多いのに、ヒモがロープというだけでストリートっぽさが出てかわいい。これは男女共にウケそうです!

HYKE

ハイク

ガール:今回も〈ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)〉とのコラボは売り切れ続出しそうです!

仲子:さすがの〈ハイク(HYKE)〉。やっぱり安定感がありますよね。私もいくつか欲しくなったものがあります。

ガール:私もです! 大のレザーパンツ好きとしては、あらゆるコーディネートにレギンスのように合わせていたフェイクのレザーパンツがかわいかったな。ハードになりがちなアイテムなのに、上品な感じが〈ハイク〉らしいなと。

仲子:わかる! 〈ハイク〉って古着やミリタリー要素が感じられるアイテムが多いけど、どれも品が感じられるよね。

ガール:〈ザ・ノース・ノースフェイス〉とのコラボは絶対ゲットしたいな〜!

F/CE®

エフ シーイー

ガール:私のなかで、ショーの楽しみのひとつがインビテーション。メールやハガキなど形はさまざまですが、どのブランドも趣向を凝らしていておもしろいんです。なかでも〈エフ シーイー(F/CE®)〉は思わず取って置きたくなるほど気に入ってしまいました。

仲子:おじさんの写真が型抜かれたやつだよね!

ガール:そうです。今シーズンのテーマにもなっていた“フィッシャーマン”らしいですよ。

仲子:確かに、大きいポッケがついたベストやキルティングを用いたアイテムなどがあったよね。

ガール:メンズのものとはわかっていても思わず欲しくなってしまいました。いかんせんアウトドア好きなもので。

仲子:レディースもキルティングアイテムにサテン素材を合わせたり、新鮮な組み合わせでかわいかったな〜。

tiit tokyo

ティートトウキョウ

ガール:今シーズンで三度目のランウェイとなった〈ティートトウキョウ(tiit tokyo)〉。ミントグリーンやイエローの色使いが綺麗でした。

仲子:チェックのツイードのセットアップがかわいかったよね。

ガール:あと、どのスタイリングにもツルッとした素材のニーハイソックスを合わせていたのが気になりました。

仲子:同じ色の靴と合わせたりしてスタイリングのポイントになっていたよね! やっぱりこの秋冬は素材がちょっと変わったソックスはマストでゲットしたい!

ガール: 3度のご飯よりレオパード柄好きな私としてはこのレオパードコートが欲しくなりました。

仲子:レオパード着すぎ(笑)!

DIGAWEL

ディガウェル

ガール:ブランドが設立して、12年。今回がはじめてのランウェイでした。デザイナーさん曰く、外の世界を見たかったからだとか。

仲子:イヤフォンをつけたモデルが音楽をくちずさみながらランウェイを歩く演出、なんかリアルでよかったよね。

ガール:私も普段、音楽を聴きながら歩いていると思わず口ずさんでしまう派なので(笑)、その演出はとても好きでした。

仲子:小物使いや色の差し方がかわいかったな。技が効いていましたね。

ガール:アウターの上からベルトを巻いたり、オレンジやピンクのタートルネックをちらりと見せたり、思わず取り入れたくなるようなネタがたくさんありました。

仲子:やっぱりメンズブランドはそういった細かい部分がうまいです!

総括! 2018年の秋冬はこれが流行る!?

ガール:で、結局今シーズンどうでした?

仲子:気になったのはレイヤード技と足元のソックス使いかな!

ガール:東コレ以外でも、仲子さんと一緒に行った展示会でレイヤードについて一通り盛り上がりましたよね。

仲子:だねだね(笑)。タートルネックの重ね技について。

ガール:個人的にレイヤード技として絶対取り入れたいって思ったのは、〈ヨウヘイオオノ〉のチュール使い。

仲子:あれは秋冬に流行る気がする。

ガール:そんな〈ヨウヘイオオノ〉や〈アキコアオキ〉など立ち上げ3-5年目の若手ブランドに今回は勢いを感じました。ファーストシーズンからある程度数を重ねてきたものが開花しているといいますか。次シーズンも楽しみです!

仲子:昨シーズンの〈サカイ〉や〈トーガ〉、〈アンダーカバー〉などベテラン勢達が東京でランウェイをする衝撃さみたいなものはなかったけど、今シーズンはそれぞれどのブランドも個性豊かなランウェイで、色濃くて楽しかった。

ガール:次シーズンも一緒に振り返りましょう!(笑)

仲子:ぜひ!

仲子菜穂
スタイリスト飯島朋子氏に師事。
ファッション雑誌やカタログのスタイリング、プロップのスタイリングなど幅広く手がけている。