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Girls Just Want To Have Fun!
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TOKYO MAP for GIRL
Vol.4 話題のランジェリーショップ il Felino.を知ってますか?
Photo_Akemi Kurosaka (STUH)
ただガーリーなだけじゃなくてセンスのいい下着が欲しい!
でも、どこで買えばいいのかわからない!
という女子のみなさんにおすすめしたいお店が原宿に。
これまでのランジェリーショップとはひと味違った魅力を持つ
〈il Felino.(イルフェリーノ)〉をご紹介します。
プレスとバイヤーを務め、ランジェリーカルチャーを発信るすプロジェクト
「Team Lanjeri-(チームランジェリー)」のリーダーとしても活躍する北菜月さんにお話をお伺いしました。
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まるでヴィンテージショップのようなカジュアルさ。
- 下着屋と聞くと、どうも敷居が高く思えて身構えてしまう人も少なくないのでは。そのうえ、人通りの多い場所に外からも見える派手なディスプレイまでしてあれば、入る勇気すら起こらない…。そんな下着屋に対するいろんなイメージ、一旦忘れちゃいましょう。
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- 〈イルフェリーノ〉は原宿のメインストリートから少し離れたところにあり、並びにはメンズのアパレルショップもちらほら。外からお店の様子が見えつつも、ビルの2階にあるのですごく入りやすい。安心して扉を開けると、コンクリートの打ちっぱなしの店内に洗練されたインテリアが揃えられ、まるでヴィンテージショップに来たような感じ。そして、迎えてくれたのはベリーショートに赤いリップが似合うハンサムガール。いい意味で拍子抜けするくらい、思い描いていた下着屋とは違った印象なのです。
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ランジェリーをもっと日常に。
- 「うちは下着屋ではなく、“ランジェリーコンセプトショップ”なんですよ」と話すのがハンサムガールの正体、北菜月さん。「ランジェリーってまだどうしても特別なものと思われがち。でも、毎日身につけるものなんだからもっと日常のものとして扱って頂きたくて。洋服屋さんの感覚で来てもらえるように立地や内装にはこだわっています」。そして、ちょっと意外だったそのアイコニックな髪型について尋ねると、「私は普段からお店に立ってもいるんですけど、ものすごくガーリーでかわいらしい店員よりも少し変わった感じの店員がいた方が下着のお買い物はしやすいかもしれないし、なんか安心してもらえるかなって(笑)」と答えてくれました。
- 取り扱っている商品も胸の形をしっかり整え、大きく見せてくれるようなタイプの下着ではなく、パデットのないレースやサテン1枚ものの繊細なランジェリーばかり。展開しているのはオリジナルブランドの〈an.g(アンジー)〉と〈il Felino.(イルフェリーノ)〉を中心にインポートブランドも多数。オリジナルは日本人の女性にも抵抗のない透け感やパッドが入れられるようなデザインを心がけている一方、インポートではコアなランジェリーファンにも刺さるようなセレクトをしています。「レース1枚もののランジェリーなどが初めてでも、まずはオリジナルから入って徐々にインポートものに挑戦していくというお客様も多いです。うちのお店にはそういうステップを踏む楽しさもあると思いますよ」。
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かっこよくて、媚びていないもの。
- インポートランジェリーはパリやロンドンなどの王道だけでなく、ウクライナやルーマニアといった日本ではあまり目にしたことのないブランドも積極的にセレクトするこだわりよう。買い付けも担当している北さんはセレクトの基準について、「もちろんインポートランジェリーならではの少しハードルが高いデザインもセレクトしていますが、実際に日本人に似合って、デイリーユースできるものというのは常に頭に入れています。物がかわいくても使わなくなったら意味がないので。あとはすごく感覚的な話になるんですけど、“媚びていないかどうか”ですね。日本の下着はまだ男性目線のものが多いので、日本人女性が自分のためだけに着けたくなるようなかっこよくて素敵なランジェリーをセレクトしたいと思っています」。
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洋服とのコーディネートも楽しんでほしい。
- ランジェリーの他にも常に店頭に並んでいるのが洋服やアクセサリーなどの小物。背中が大きく開いたデザインやインナーが透けるようなレース、メッシュ素材の服、フェティッシュなレザーチョーカーなどが一緒に置かれています。「ランジェリーと一緒にコーディネートが楽しめるものをセレクトしています。ファッションとして“見せる”というのは、ランジェリーを日常的に感じてもらえる入り口のひとつだと思うので。ファッション感度の高い方には、いままで着けたことのないようなランジェリーでもコーディネートとしてご提案もしています」。
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初めて買ったのはショッキングピンクのブラとタンガ。
- 自身も普段からかっこいいランジェリーファッションに身を包む北さんにどうしても聞きたくなったのが、ランジェリーを好きになったきっかけ。「初めて自分で下着を買ったときからですね。ショッキングピンクのブラとタンガだったんですけど、私は胸もなくて女性らしい身体つきでもないのに着けた瞬間、自分が本当にセクシーに見えて感動したんです」と教えてくれました。「同じような感動や喜びを女性にもっともっと感じてもらいたいですね」。
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ランジェリーで写真を撮ろうよ!って集まったのがきっかけ。
- その気持ちを実際に行動に移しているのが北さんのすごいところ。実はお店とは別にランジェリーカルチャーを発信するプロジェクト「Team Lanjeri-(チームランジェリー)」のリーダーとしても活動をしています。メンバーはランジェリー業界で働く女の子の他、アーティストやデザイナーが中心。SNSで情報を発信したり、ポップアップを行ったり、ZINEを作ったりと様々なアプローチでランジェリーカルチャーを盛り上げる注目のクリエイティブ集団です。
- このプロジェクトの立ち上げのきっかけになったのは、北さんが開催した小さな“ランジェリーパーティー”だそう。自身のランジェリーを身に着けてインスタグラムで紹介していたところ、予想以上に多くの反応があり、せっかくだからみんなで集まって写真を撮ってランジェリーの魅力を共有しようよ! とパーティを開くことに。その時に撮った写真を見たアートデイレクターのAYAさんからZINEを作らないかという提案が。そして、1号目の発行を記念にパーティを開いたら業界の人の目にとまり、伊勢丹新宿店でポップアップの開催が決定。その際に「チームランジェリー」を立ち上げることになったそう。「今後は閉鎖的だったランジェリー業界をもっとオープンにしていくためにも、ファッションブランドやアーティストの方たちとコラボレーションして何か取り組みができればと思っています」とのこと。
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そのままの自分の体型を好きになれるアイテム。
- バイヤーにプレス、「チームランジェリー」のリーダーと色んな角度からランジェリー業界に携わっている北さんですが、ランジェリーに対する思いはすごくシンプルでまっすぐ。「西洋の体型への憧れもあってか、まだまだ補正目的の下着がすごく多いじゃないですか。でも、私はランジェリーって身体のコンプレックスを隠すためのものではなく、そのままの自分の体型をセクシーに素敵に見せてくれるアイテムだと思うんですよ。胸が小さくても、多少離れていても、垂れていても、それはそれでかわいいよねって日本人の女性が自分自身を好きになれるツールのひとつになれば嬉しいです。〈イルフェリーノ〉のランジェリーを通して、一人でも多くの方に自分の体型を好きになってもらえればと思っています」。女子力が落ちたなぁなんて時にイルフェリーノを訪れて、北さんとランジェリー談義に花を咲かせてみるのもいいかもしれません。