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いまこそ着物の歴史を感じて。写真家・岡﨑果歩とスタイリスト・中本ひろみのユニットも参加する展覧会が京都で開催中。
2024.5.1 Wed

いまこそ着物の歴史を感じて。写真家・岡﨑果歩とスタイリスト・中本ひろみのユニットも参加する展覧会が京都で開催中。

日本が世界に誇る伝統的な衣服・着物。普段着る機会は少ないですが、袖を通したときの背筋がしゃんと伸びるような感覚は、なんともいえない特別感を与えてくれます。そんな着物をより身近に感じられる展覧会が、さまざまなコンテンツを携えて開催されるとの情報をキャッチ!

今回の展覧会を主催するのは、京都・室町二条で誕生し、創業300年の歴史を誇る着物メーカー「八代仁」。350周年に向けて、「YSN:ゆっくりしっかりのこす」というプロジェクトをスタートさせました。その初回として、「着物を考えるための調べもの」と題したエキシビションを開催。「いま考えるべきテーマを、自由な視点でときほぐす」ことをコンセプトに、着物にまつわるさまざまな問題点や疑問などを、3つのコンテンツを通して語りかけます。

一つ目のコンテンツのテーマは、「移動のなかの着物を写真で捉える」。現代の日常のなかで、着物をビジュアル化することはいかに可能なのか? という事象を掘り下げるべく、ファッションの分野で活躍する写真家・岡﨑果歩さんと、スタイリスト・中本ひろみさんによるクリエイティブユニット「néné petit」が作品を制作。電車や駅といった移動にまつわる空間のなかにありうる、「着物のあり方」を考えた作品となっています。

【作品制作:néné petit(岡﨑果歩、中本ひろみ)】

 

二つ目のコンテンツは、「着物の生地のシボ感を3Dスキャンして解析してみる」。将軍の肌着に起源をもつとされる着物「御召」の生地を、現代の冷感インナーなどと比較しながら、高さスキャン、高解像度スキャン、CTスキャンという3つの非破壊手法でデータ化。展示では、3Dプリントや空間再現ディスプレイにより、御召がもつシボという独自の風合いを様々な角度から体験できます。

【リサーチ・展示物制作:BASSDRUM(森岡東洋志、小川恭平、池田航成)】

 

三つ目は、「江戸時代に起源をもつ「柄帳」を3つの視点で分析する」。デザイン、アート、テクノロジーのプロフェッショナルがもつ目線から、「八代仁」に伝わる江戸時代の柄データベース「裂地台帳」を分類およびピックアップ。現代の視点から、新しい価値を再発見することを目指しています。

【執筆:小澤京子(和洋女子大学教授、美術史研究者)、kye+iwm+llm(リサーチャー、デザイナー、プログラマー)、吉田勝信(デザイナー、プリンター、採集者)】

 

こちらの展覧会は、京都市で開催される写真フェスティバル「KG+」のプログラムとして、「Gallery SUGATA」にて5月1日(水)から12日(日)まで開催されます。普段あまり触れる機会のない着物を、さまざまな角度から体験できるチャンス! 今年はほんの少し知見を深めるGWにしてみませんか?

YSN ゆっくり・しっかり・のこす「着物を考えるための調べもの」
会期:2024年5月1日(水)〜12日(日)※全日営業
時間:11:00〜18:00
場所:Gallery SUGATA
住所:京都府京都市中京区蛸薬師町271-1 然花抄院室町本店内
入場料:無料