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とにかく真っ直ぐ。清水尋也は、迷わない。
とにかく真っ直ぐ。清水尋也は、迷わない。

Dig up! him & her. #6

とにかく真っ直ぐ。
清水尋也は、迷わない。

2021.11.24

いま勢いのある次世代俳優といえば? と聞かれれば、
間違いなく清水尋也さんの名前が挙がることでしょう。
映画『東京リベンジャーズ』や朝ドラ『おかえりモネ』など、
話題作に続けて出演しており、
コレクションモデルとして〈ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)〉の
ランウェイを歩いたことも記憶に新しいはず。
そんな彼が出演する最新作は、
東京でもがく13人の若者たちの日常を追った映画『スパゲティコード・ラブ』。
“スパゲティコード”(解読困難なほど複雑に絡み合ったプログラミングコードの意)
のように入り組んだ物語を、清水さんはどう演じたのでしょうか。
早速、お話を聞いてみましょう!

Photo_Shunsuke Kondo
Styling_Shohei Kashima(W)
Hair_TAKAI

『スパゲティコード・ラブ』

フードデリバリー配達員、シンガーソングライター、広告クリエイター、カメラマン…東京でもがく13人の若者たちの日常を追った群像劇。スパゲティコードのようにこんがらがった彼らのドラマは、リアルタイムに更新され、解きほぐされ、やがて一本の線へと変化していく。

いま、自分がやりたいことを全力で。

ーまずはじめに、完成した作品を観たときの感想を教えてください。
とても新鮮な気持ちになりました。13人それぞれにスポットが当たっている作品なので、撮影中にお会いできなかった方も多くて。一観客として鑑賞できたと思います。
ー本作を手がける丸山健志監督は、初の長編映画制作でした。ご一緒されてみていかがでしたか?
撮影期間中にお話させて頂いて思ったのは、とてもロジカルに物事を伝えてくださる方だなと。映像の画角やアングルなど、普段の感覚と違う部分が多く、新しい発見がたくさんありました。
ー作品の舞台であり、13人に共通するキーワードにもなっている東京。清水さんが思う東京のイメージって?
なんでもあるけど、なんにもない場所。劇中にも描かれているように、野心や憧れはあるし、物だって大体揃う。最新のことや流行りも東京にはある。だけどその分、夢がいちばん失われている場所でもあるのかなと。そんな二面性を感じます。
ー演じられた大森慎吾は、定住しないノマド生活者という役柄でしたが、実際に演じてみていかがでしたか?
慎吾は、理屈っぽくて気難しいというか淡々としている性格。自分にはない部分が多かったので演じていてもおもしろかったですね。
ーでは、お芝居のなかで意識したことは?
慎吾だけでなく、登場人物それぞれが得体の知れない虚無感や焦燥感を持っていて。ティーンの頃に誰もが経験するような、言葉にできない不安や焦りのような。もちろん自分も通ってきたことがあったので、それをリアルな雰囲気、質感で届けられるような芝居を意識していました。
ーちなみに清水さん自身はノマド生活ってできそうですか?
できると思います。いろんな場所に行ったり、毎日別の人と会うことも好きなので。だからいまの仕事も肌に合っているんです。あ、でも家がなかったらネット通販とか届きにくくなるから、そこだけ心配です(笑)。
ー「執着することが不幸につながる」という大森慎吾の考え方が印象的でした。清水さんも物事に執着するタイプではなさそうです。
執着しない方だと思いますが、慎吾とはちょっと違います。彼はマイナスを避けるために、リスクヘッジ的な意味で執着をしていないんですよね。ぼくが執着しないのはもっとポジティブ。そのときいちばん好きなこと、やりたいことをやろう! という気持ちからです。
ーなるほど。確かに違う!
たとえば、日々の仕事。俳優業は楽しいからずっと続けているし、もしほかのことに興味が湧いても両方やることになると思います。あとは、何年後までにこんな風になろう! なども考えないですね。目標を決めてしまうことで、たどり着くまでのプロセスが決まってしまう気がして。常日頃から、いま自分がしたいことをするようにしています。そのほうが全力で向き合える気がするんです。
ーでは、彼のような理屈っぽい部分って清水さんにもありますか?
うーん、あまりないと思います。理屈って話を片付けるには手っ取り早い方法だったりしますよね。でもぼくは、人間の感情表現が好きなので、基本的には感情の方を尊重することが多いかもしれません。もちろん、シーンによって使い分けていますが。
ー感情表現の好きなところって?
当たり前ですけど、人によって全然違うじゃないですか。それ故におもしろいし、面倒な部分でもあるんですけど。いわゆる、自分と異なる見方や考え方に触れたときの新鮮な感覚は好きですね。
ーそんな清水さんが惹かれる人ってどんな人なんでしょう。
好きな人に好きと言える人です。友人でも恋人でも同様で、素直に愛情表現できる人に惹かれます。
ー素敵ですね! ということは清水さんも…?
思ったことや感じたことはストレートに伝えるタイプですね。自分が好きな人だからこそ伝えられるのかなとも思います。相手のことを想っているから言えるというか。
ーその通りだと思います! 真っ直ぐ伝えられるということは、悩むこともすくない?
そうですね。周りと比べたら悩まないほうなのかもしれないです。
ーでは、ストレスが溜まったときはどう発散しますか?
友人と会ったり、話したり…ですかね。遊び疲れて、寝て起きたらもうどうでもよくなってます(笑)。まぁでもそんなにストレスを溜めることは多くないですね。悩むこと自体が面倒だと思ってしまうので。
ーその考え方、うらやましいです…!
いやいや、あまりよくないと思いますよ。嫌なものは嫌ってただ言っているだけなので(笑)。
ー最後に、『スパゲティコード・ラブ』をどんな人に観てほしいですか?
登場人物は、年齢も性格もバラバラな13人。学生もいれば社会人もいて、みんなそれぞれ苦悩を抱えながら必死に生きている。こうしていろんなタイプがいるからこそ、誰が観ても共感できるポイントがあると思うんです。自分の鏡像のように見える瞬間が。だから“どんな人”ではなく、たくさんの方に観てほしいですね。

Credit 〈ボッテガ・ヴェネタ〉ジャケット ¥522,500、パンツ ¥121,000(ともにボッテガ・ヴェネタ ジャパン 0120-60-1966)、その他スタイリスト私物

INFORMATION

『スパゲティコード・ラブ』
出演:倉悠貴 三浦透子 清水尋也 八木莉可子 古畑新之 青木柚 xiangyu 香川沙耶 上大迫祐希 三谷麟太郎 佐藤睦 ゆりやんレトリィバァ 土村芳
監督:丸山健志
脚本:蛭田直美
撮影:神戸千木
製作:All Of Creation
製作プロダクション:PYRAMID FILM
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
公開日:11月26日(金)
©『スパゲティコード・ラブ』製作委員会
公式サイト
Twitter
Instagram

PROFILE

清水尋也

1999年生まれ、東京都出身。2012年、ドラマ『高校入試』でデビュー。最近の出演作に、ドラマ『アノニマス 〜警視庁“指殺人”対策室〜』、映画『東京リベンジャーズ』、連続テレビ小説『おかえりモネ』などがあり、来年1月にはドラマ『となりのチカラ』の放送、映画『さがす』の公開が控えている。
Instagram @hiroyashimizv


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