Girls Just Want To Have Fun!

TELL ME BIG BOSS

いまユース世代がやっておくべきこと。
Photo_ Saeka Shimada 
Model_ mei (Gunn’s)
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千駄ヶ谷にあるショップ「BABA(ババ)」。
ここは日本が誇るトップスタイリストとしてキャリアを積んできた、馬場圭介さんが構えるお店。
大のイギリス好きとしても知られる彼が、
現地で集めたヴィンテージ服やアンティーク雑貨が並ぶ店内で語ってくれたこととは?
人生の先輩である馬場圭介さんとともに“若者が生きるいま”を紐解いていきます。
ガールフイナム世代の代表として話を伺うのは、モデルのmei。
ドメスティックブランドでも支持の厚いitガールです。

若いうちは、遊んで、遊んで、遊びまくるべし。

日本のファッションシーンを支える重要人物、スタイリストの馬場圭介さん。1986年イギリスに渡り、帰国後にスタイリストとしての活動を始めた”私たちの大先輩” にお話を伺うのは、モデルのmeiをはじめ、フォトグラファー、エディター全員が23歳の女性たち。馬場さん自身が、ユース時代に経験したこと、またいまの若者を見て思うことをお伺いして、私たちのこれからについてアドバイスをして頂きました。

馬場圭介
1958年10月8日生まれ、熊本出身。日本のファッションシーンを支えるスタイリスト。1986年イギリスに渡り、帰国後にスタイリストとしての活動を開始。今日までに数多くのミュージシャン、俳優、タレントのスタイリングを務める。2004 年にはナノユニバースと協業でスタートさせた「GB(ジービー)」のディレクターとデザイナーを兼任。
2011 年秋冬から自身がディレクターを務めるショップ「BABA(ババ)」の前身となる「ENGLATAILOR by GB(イ ングラテーラー バイ ジービー)」をスタート。
馬場さんは26歳で渡英される前は何のお仕事をされていたんですか?
まず大学入学のタイミングで上京したんだけど、2年で辞めて、ハタチの頃に地元の熊本に帰ってきた。学校に行かなすぎて、除籍になっちゃったんだよ(笑)。その後は洋服屋や、バーで働いていたよ。
渡英前からイギリスにはよく行かれてたんですか?
いや、そんなに。だけどずっとヨーロッパに住みたいと思っていたから、一回パリとロンドンに下見に行ったんだよね。で、直感でイギリスに住もうと決めたんだ。基本的にはロンドンに滞在していたけど、他の都市もいろいろ行ったよ。中でもマンチェスターが良い街だったなあ。「ハシェンダ」っていう有名なクラブがあって、ちょうど当時はバンドのThe Smithsがよく流れていたよ。俺も好きだったから思い出深いな。
UKロック好きにはたまらない環境だったんですね。ちなみにイギリスのどこがお好きですか?
やっぱり、イギリスのファッションと音楽が好きなんだよね。まあ食べ物も好きだけど。フィッシュ&チップスとかね。ビネガーをむせるほどかけて食べると美味いんだよ(笑)。イギリス特有の天気の悪さも俺は好きだなあ。あと突然イギリスに住んだけど、特に困らなかったな。当時からよくパーティに遊びに行ってたから、現地の友達もすぐできたし。結局日本人とイギリス人って性格がよく似ているんだろうね。だから若いときにイギリスに住むのもいいと思うよ。最近は物価が高いから、俺が行ってたときよりは大変かもしれないけど。
馬場さんが20代のときと、いまを比較すると、両都市のストリートファッションはどのように変わっていますか?
東京とロンドンは昔は大きく違ったけど、いまはそこまで差がないと思う。当時よりかはイギリスもカルチャー要素が薄くなってるのかな。最近は、いい意味でも悪い意味でも”良い子ちゃん”が多いよね。両都市ともアメリカナイズされすぎてるように思う。32年前に比べたらグローバルにはなったけど、同時につまらなくも感じるね。
ヴィンテージセーター ¥12,000+TAX(BABA)
馬場さんから見て、20代の女性がいまのうちにやっておくべきことはなんだとお考えですか?
いっぱい遊んで、良い人と出会うことが大切だと思うよ。俺も20代のうちにたくさん出会いがあって、58歳になったいまもなお関係が続いてる人もいるしね。遊んでくうちに、自分と感覚が似てるかどうかって、すぐにわかるようになるでしょ? なんか合わないなーって人は、それっきりになるもんだし。いまはSNSがあるから、一回出会ってもアプリ上だけで繋がるだけで関係を済ませちゃうじゃん。それってつまらないよね。もっと一緒に遊んで、お互いを知ったほうがいいと思う。 あと若いうちは、お金持ちの年上と知り合って、色々な場所に連れてってもらうことも大事だね! 自分の知らない世界は大人に見せてもらったらいいよ。
勉強になります! 次にファッションについてお伺いしたいのですが、ずばりセンスを磨く方法とはなんでしょうか?
まず、自分に似合うアイテムが何なのか知ることが大切だよね。俺の場合は、服を見るだけで自分に合うサイズ感かどうかわかるし、似合う色も知っているから試着はほとんどしないね。とにかく若いうちに、いろんな服を着てみたらいいんじゃないかな。
馬場さんが女性のファッションを見たときに、最初に目がいくのはどこですか?
まず、顔だね(笑)。最初に顔を見て、次に靴から順に上まで眺めていくかな。
あとは指輪、バッグ、靴とかのアクセサリー選びに注目するよ。その人のセンスの善し悪しは小物選びに表れるからね。全身ファストファッションとかは論外だけど、自分に似合うものを知っている子は着こなしでわかるから、服の値段が高くても安くても関係ないと思うよ。

若い子は背伸びせずにファッションを楽しむべし。

馬場さんのお店から原宿方面に向かって歩いていくうちにたどり着いたのは、モデルのmeiがよく足を運ぶセレクトショップ「GARDEN」。エッジの効いたドメスティックブランドを取り扱うこの店はユース世代からの支持が厚く、馬場さんも店内のアイテムに興味津々。

馬場さんから見て、オシャレだなって思う人はどなたですか?
誰だろうなあ、とりあえず自分がいちばんオシャレだと思ってるからね(笑)。でも〈TAKAHIRO MIYASHITA THE SOLOIST(タカヒロミヤシタザソロイスト)〉の宮下貴裕はオシャレだなと思う。基本的に周りに左右されずに、自分の意志を持って服を着てる人が好きだね。いつも流行を追ったファッションをしてる人は苦手かな。お金もかかるし、大変そうじゃん(笑)。
女性ブランドではドメスティックブランドが盛上がってきていますが、いま馬場さんが気になるブランドはありますか?
特にブランドは気にしてないな(笑)。
では、ヴィンテージで気になるアイテムはありますか?
イギリスにいた頃は、日本にアンティークや古着を送る仕事をしていたから、週に5日ぐらい朝4時くらいに起きて蚤の市マーケットに通ってたんだけどね。いまは自分の趣味が変わった影響もあるけど、アンティークでもなかなか良いものに巡り会えないね。
昔と比べて、私たちの世代は、自分の足で良い洋服を見つけることに対して怠けがちかもしれませんね。
やっぱりアナログとデジタルの違いは大きいと思うよ。いまはわざわざ外に出さなくても、オークションがあるし、ネット店舗のみのヴィンテージショップもあるから。店頭には出ていなくてウェブ上だけで流通しているものがあるなんて、俺の時代では考えられなかったことだしね。俺もSNSを積極的にやってる方ではないけど、それでもInstagramなどで自分の知らないことを手身近に知られるのは便利だよね。
馬場さん:Needlesのピーコート ¥69,000+TAX
mei:Elephant BlancのX-PACのブルゾン ¥58,000+TAX(ともにGARDEN原宿)
私たち世代の女子は、似合う似合わないは関係なく、その時の気分でファッションを楽しんでいます。ヤング世代のガールズファッションに対して思うことはありますか?
まず大前提として、女の子はオシャレに敏感なほうがいいし、バカより知的に見えたほうがいいね(笑)。いまはオーバーサイズの服が流行ってるけど、やみくもにルーズフィットな服を着てる子はだらしなく見えるからダメだな。実はいまトレンドが日本人の体型にいちばん似合わない方向に行ってるんだけど、気づいてないんだよ。あと最近の子はとにかく足が長いし、男女ともに全員オシャレを意識している時代だなと感じるよ。逆に言えば、個性的なスタイルの子があまりいないのも特徴。少し残念だけどね!
オシャレと個性的なスタイルってなにが違うんでしょう?
個性的な人は、自分のスタイルに自信があるから人前に出ても恥ずかしがらない。人と違うスタイルをしているのに、恥ずかしがっているのがいちばんダサいからね(笑)。
あと等身大の服でオシャレすることも大事だよね。若い女の子は、無理して数十万するハイブランドのバッグを持つより、背伸びせずにいま上手に着こなせるファッションを楽しめばいいよ。場数を踏んで色々な経験をすることで、自然と自分のスタイルがわかってくるから。