Girls Just Want To Have Fun!
Welcome Back! Biz Markie.
お帰りビズ! もう東京でレコードは買ったの?
Photo_Daisuke Mizushima(D-CORD)
Interview&Text_Shiho Watanabe
Interview&Text_Shiho Watanabe
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お帰りなさい! って言うとちょっと大げさだけど、
みんな大好きなNYのレジェンドラッパー、
ビズ・マーキーが東京に来るたびにそんな気持ちになってしまう。
『VICE』が新たに始める動画サービス
『VICE PLUS』のローンチパーティに出演するために来日していたビズに直撃。
最近の動向やヒップホップについて聞いた30分1本勝負なインタビュー。
俺は7インチ文化を取り戻そうとしているんだ。
- 昨日、こちらに着いたばかりだと伺いました。
- ビズ・マーキー@officialbizmarkie(以下ビズ):昨日、日本に着いたばっかりだけど、今日はゆっくり過ごしてたから元気だぜ。
- すでにDJプレイやフェスへの出演で何度か日本にいらしてますが、日本の印象は?
- ビズ:日本は大好き。食事も最高だけど、やっぱりいちばん好きなのは「人」だね。東京にも友達がたくさんいるし、いつも世話をしてくれるプロモーターや、MUROがいるから日本は本当に最高だよ!
- すでにレコード・ショップには行かれましたか?
- 何軒か回ったよ。FACE RECORDに行って、その後でDJの機材を売ってる店も覗いたしね。
- いま日本でもアナログ・レコードが盛り上がっていて、ビズ・マーキーさんもレコード、特に7インチ愛好家という印象です。
- ビズ:そう、俺は7インチをスピンするのが主流だね。あと、最近はいろんなDJが7インチに着目していて、7インチ文化を取り戻そうとしているんだ。
- 7インチを好む理由はなんですか?
- ビズ:好きな理由? なんてたって小さいから(12インチより)たくさんのレコードを持ち運べるだろ。重いクレイツをいくつも下げてDJしなくていいからさ。あと、とにかく7インチが好きってことだね。
- 以前、ウェブ上であなたが7インチ専用のテクニクスの…
- ビズ:SL-700だろ!
- そうです、7インチ専用のテクニクスのターンテーブルを使ってDJしている動画を拝見したのですが、あの機材はとてもレアなものですよね?
- ビズ:SL-700は、世界に2セットあるらしいんだ。俺より先にゲットしたヤツがいるらしくて、俺は2番手。俺は自分の持ち物とトレードして手に入れたんだよ。
- 現在もSL-700を使用してDJをしていますか?
- もちろん。ちょっと前にも、FacebookにPJ(パジャマ)姿でSL-700を使ってる動画をアップしたから、俺のタイムラインをチェックしてみてよ。DJじゃなくてPJだからな、間違えるなよ! (柿の種を食べながら)それにしてもコレ、最高だな!
- 今、ヒップホップ、特に90年代のものがファッション的にも注目されていて、カルチャー・アイコンとして若者の間でも流行しているんです。読者のために、80年代後半から90年代前半のヒップホップ・クラシック楽曲5つを教えてくれますか?
- ビズ:(咳払いして)
- ① Eric B & Rakim - Eric B is president
- ② Run DMC - Sucker MC's
- ③ BIZ MARKIE - NOBODY BEATS THE BIZーこの曲がなきゃ俺はここにはいないからな!
- ④ Audio Two – Top Billin
- ⑤ Roxanne Shante - Roxanne's Revenge
- ロクサーヌ・シャンテといえば、つい最近、サンダンス映画祭であなたとロクサーヌが一緒にステージに上がっているところを見ました!
- ビズ:そうそう。ロクサーヌは俺の妹みたいなもので、わざわざ映画祭に連れて行ってくれたんだ。と言うのも、ロクサーヌのエピソードが映画になるからさ。「Roxanne Roxanne」ってタイトルで、もう少しで公開される。めちゃくちゃいい映画だぜ。
- そうだったのですね。最近、若いアーティストが「ラップの歴史を知らない」と公言して話題になっていましたが、そういった事象に対して思うことはありますか?
- ビズ:俺の歴史?
- いえ、ラップの歴史です。
- ビズ:ラップの歴史か。今の若いアーティストは昔のヤツらに比べると歴史をリスペクトしていないのは事実だと思う。若いヤツらにとっては、今、目の前に見えるものが大事なんだよな、きっと。うーん、まあ、いいけど。歴史を知らなくたってラップはできるんだし、誰にだってラップをインヴェント(発明する / 創り出す)することはできるからね。
- ちなみに、今のニューヨークのシーンはどんな感じでしょう?
- ビズ:俺からすると、ニューヨークははちょっと混乱気味だと思うね。みんなサウスのラッパーの真似をしてるし、サウスで売れようとしてるだろ。これまでそんなことはなかったから。でも、そのままでいいんじゃないの?
- ありがとうございます。今後、アーティスト活動の予定は?
- ビズ:実はもうアルバム2枚分の音源ができているところなんだ。もちろん、ラップしてるぜ。ヒップ・トゥー・ザ・ホップだ。俺はまだ引退してるわけじゃないからな、まだ若者にラップってものを教えられると思うよ。