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ビギナー必読!初めての釣り“いろはにほへと”。
ビギナー必読!初めての釣り“いろはにほへと”。

The Basics of Fishing for beginners

ビギナー必読!初めての釣り“いろはにほへと”。

2023.06.07

不定期でお届けしてきた釣り企画も第三弾。
今回はあらためて釣りの基本をいちから教えてもらうべく
船釣りはほぼ初心者だというアーティストのシャンユーちゃんと
カメラマンの松田瑞季ちゃんが参戦!
釣り好き女子代表の田上みずほさんをお迎えして
出発前の準備から釣りファッション、気になる船上での過ごし方まで
リアルな釣り事情を教えてもらいました。

Photo_Masaki Nakanishi(AGENCE HIRATA)[model] / Local Artist[still]
Styling_Kaoru Watanabe[still]
Hair & Make-up_Tamayo Yamamoto
Model_xiangyu、Mizuki Matsuda
Text_Mikiko Ichitani

釣りビギナーが知りたい7つのこと。

教えてくれるのは、DAIWA JAPANの田上みずほさん

Q.1 初心者が船釣りをするときにまず最初にすべきことは?
海、そして自然について知ることから始めて欲しいです。天候や波の状態によって何が起こるか分からないので、自然についてしっかりと理解し、自分の身は自分で守る準備をしておくことが大切。とりわけ重要なのはライフジャケットです。ライフジャケットには浮力体のついたベスト型の「固定式」と落水時に膨らませる「膨張式」の2種類があります。船釣りの場合は、国土交通省が認定している商品の着用が義務化されており、同じような性能とされる海外製の製品であっても、認定マーク(通称桜マーク)の捺されていないものは法令違反となってしまうので注意が必要です。首掛け(肩掛け)タイプや腰巻きタイプなど形やカラーのバリエーションもあるので、自分の身を守るためのファッションアイテムとしてお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。
Q.2 船宿や釣り場はどうやって選べばいい?
どんな魚を釣りたいかによってスポットが変わるので、まずは自分の好きな魚や旬の魚が釣れるスポットを調べてみるのがおすすめです。釣り場の情報が載っているサイトや船宿さんや船長さんのSNSをチェックしておくと、今はどんな魚がよく釣れるのかなど最新情報がキャッチアップできるはず。また、SNSなどでは船や船宿、船長さんの雰囲気も伝わる投稿も多くあるので、設備が綺麗だとか、船長さんが優しそうといった理由で選んでもいいと思います。船宿さんによっては、竿などの道具のレンタルや仕掛け、餌をセットで用意してくれるところもあるので、予約の電話をする際に持ち物も一緒に確認しておきましょう!
Q.3 これだけは絶対! な船釣りのルールは?
ライフジャケットに加えて大切なことは、自分のゴミは自分でしっかり管理すること。海の上は風も強く、ゴミなど軽いものは飛ばされやすいので不注意でポイ捨てしてしまった!なんてことのないように気をつけましょう。また、船ではいろいろな人が一緒に乗るので、私物を広げない、きれいに使うといった基本的な心配りも忘れずに!事前準備としておすすめなのは、YouTubeなどにあがっているHow to動画で予習をしてから臨むこと。釣りの仕組みがイメージできていると、船の上で戸惑わずに実践することができるはず。それでも分からないことがあれば、船長さんや周りにいる釣りの先輩に聞いてみて。きっとみんな優しく教えてくれると思いますよ。
Q.4 海での釣りは何時間くらいするの? 船の環境は?
釣りの時間は船によってまちまちです。午前便や午後便というように分かれていることもありますし、朝から夕方まで一日かけて釣りを行うという船も。出発時間も異なりますが、多くは朝5時〜8時の間に出発してお昼過ぎに戻ってくることが多いかもしれません。船には、トイレや疲れた時に休憩できる船室が装備されていることがほとんどなのでご安心を。
Q.5 女子ならではのマストケアはある?
寝不足や二日酔い、空腹といったバッドコンディションは船酔いの大敵。前日は飲み過ぎに気をつけて、しっかりとした睡眠を! 船の上は飲食可能なので、さっと食べることのできるおにぎりなどの軽食や好きなおかしを持っておくことでコンディションをコントロールすることができるはず。あとは、乗船の1時間から30分前までに「アネロン」や「センパア」といった効果の高い酔い止めを飲んでおくこと。万が一酔ってしまってからでも、効き目はあるので乗船時に持っておくと安心です。
Q.6 海での釣りは何時間くらいするの? 船の環境は?
海の上は潮風が強く、乾燥や日焼けといった肌トラブルの原因に常にさらされています。夏場の釣りではいつものUV対策に加えて、フェイスカバーやサングラス(波の照り返しがあるので偏光グラスがおすすめ)、帽子といった装備でできる限り紫外線をシャットダウンするようにしています。それでも紫外線は入り込んでくるので、家に帰ってからパックなどで重点的に保湿ケアを行うことも大切。最近は飲む日焼け止めなどインナーケアも充実しているので、そういったアイテムを活用してみるのも◎。
Q.7 初めての船釣りを楽しむコツは?
無心で釣りをしているときは、仕事のことや嫌なことを忘れられるのも魅力のひとつ。沖の方までいくと電波が届かないなんてこともありますが、デジタルデトックスだと思ってその非日常的な環境を満喫しましょう。何もない海の上でのんびりするだけでも楽しいですよ。

釣り場別
気分を高める釣りファッション
3STYLES!

STYLE 1
船釣り

船の上では絶対に水がかかるので、上下ともに濡れてもOKなウェアやシューズがマスト。アウターはGORE-TEX(ゴアテックス)などの撥水・防水に優れたレインジャケットがおすすめです。サングラスや帽子、サンバイザーなどでUV対策は万全に!通気性がよく、速乾性のあるセカンドスキントップスやUV効果のあるラッシュガードを差し色のインナーとして、遊びの効いたスタイリングに挑戦してみるのはいかが?

〈ゴールドウイン ゼロ〉シェルジャケット¥104,500(ゴールドウイン カスタマーサービスセンター 0120-307-560)、
〈マリーン・セル〉パイルブラトップ¥31,900、セカンドスキントップス¥49,500、サンバイザー¥31,900、〈ティーディーケント〉サングラス¥47,900(ともにエムエイティティ info@the-matt.com)、
〈アルファ x ビューティ&ユース〉ミリタリードロストスカート¥18,150(ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店 03-5774-1030)、〈ヨーク〉スニーカー¥39,600(UTS PR 03-6427-1030)

STYLE 2
堤防釣り

堤防釣りでいちばんに気をつけたいのは足元。場所によっては滑りやすい岩場に行くこともあるので、グリップ力のある凸凹としたラジアルソールを選ぶようにしましょう。風が強い日には、波飛沫も上がるので撥水・防水機能のついたレインウェアをアウターにしておくと安心。帽子も飛ばされやすいので注意!ボトムスは動きやすいバイクショーツを合わせてスポーティに決めてみても◎。

〈オーラリー〉ウールキャンバスフードブルゾン¥82,500、ソックス¥3,630(ともにオーラリー 03-6427-7141)、〈オム ガールズ〉ストライプシャツ¥39,600(エイチ ビューティ&ユース 03-6438-5230)、〈レピドス〉パイルスイムトップ¥15,950(ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 新宿ウィメンズストア 03-5367-2290)、〈アークテリクス〉ハイライズショーツ¥9,900、防水クロスボディバッグ¥13,200(アークテリクス カスタマーサポートセンター/アメア スポーツ ジャパン http://arcteryx.jp/)、〈ミーンズワイル〉サンシェード付きキャップ¥11,000(ミーンズワイル info@meanswhile.net)、〈オーエーオー〉防水、防汚スニーカー¥42,900(オーエーオー カスタマーサポート support@oaofootwear.com

STYLE 3
川・湖釣り

水中に立ちこんで長時間釣りを行うこともある川や湖では、ウェーダーと呼ばれるつま先から腰上まで防水素材でカバーするハイチェストタイプのボトムスが濡れにくく最適。川や湖の周りには虫も多いので、長袖のアウターは羽織っておいたほうが良さそう。ルアーや仕掛けなどの道具をすぐに取り出せる機能性抜群のフィッシングベストと合わせて、スタイリッシュなレイヤードコーデを楽しんで。

〈ダイワ〉ネイティブクリークベスト¥23,800、スーパーブレスストッキングウェーダー¥30,600、ソルトウェーディングシューズ¥20,400、〈ダイワ ピア39〉キャップ¥7,150(ともにグローブライド 0120-506-204)、
〈アモーメント〉リップストップフーディポンチョ¥50,600、なかに着たオレンジパイピングのタンクトップ¥12,100、グレーのスクエアネックトップ¥16,500(すべてショールーム ロイト 03-6859-8112)
〈アワー レガシー〉サングラス¥40,700(エドストローム オフィス 03-6427-5901)

ビギナー向け! これさえあれば完璧な持ち物リスト。

左上から順に
1. 釣り竿:ターゲットや釣り方によって多くの種類があり、機能もさまざま。釣具屋さんに相談しながら選ぶのが◎。船宿でレンタルも可能。
2. 仕掛け・餌:ターゲットによって異なる。船宿で用意してくれることも多いので予約時に確認しておこう。
3. ライフジャケット(腰巻きタイプ):水に濡れると自動で膨らむ「膨張式」。装着するときは必ずアウターの上に着けること。下につけると上手く膨らまずに、事故の原因になってしまうことも…。
4. クーラーボックス:釣れた魚を持って帰る用。行きには飲み物や軽食を入れるなどスペースを有効活用して。
5. フィッシングプライヤー:釣った魚を掴む道具。魚の種類によってはヒレやエラが尖っていたり、歯が鋭かったりと素手で持つと怪我をしてしまうことも。針を外すといった作業をするときに重宝する。
6. バッカン:道具を濡らさずに持ち運ぶための入れ物。
7. ハサミ:絡まった釣り糸や仕掛けを切ったり、釣った魚を締めたり、捌く時にも大活躍。
8. 酔い止め:釣り人の中でも人気の「アネロン」。乗船前に一錠、万が一のときのためにお守り代わりにも一錠持っておきたい。
9. ビニール袋:濡らしたくない物を入れたり、ゴミ袋にしたり、釣った魚をお裾分けする時にも便利なので重宝すること間違いなし。
10. タオル:手や道具を拭いたり、魚を掴むときにサッと使えるタオルを一枚。魚のニオイや血がついてしまうので、使い古しのタオルでOK。
11. 飲み物・軽食:風も強く揺れる船の上では、片手で食べられるワンハンドスナックなどがおすすめ。夏場は熱中症になりやすいので、こまめな水分・塩分補給も忘れずに!

金沢八景で初の海釣りに挑戦!

準備が整ったらいざ出発! 快晴の空のもと、船釣りは初めてだというシャンユーちゃんと瑞季ちゃん、そして2人に釣りのいろはを教えてくれる田上先生と一緒に金沢八景から出航します。狙うは東京湾で今が旬のアジ。果たして3人は無事に釣ることができるのでしょうか?

初めての釣船に大興奮の2人! スポットに移動するまでの間、記念にセルフィーをパシャリ。

まずは田上さんから、アジ釣りの餌の付け方からリール竿の使い方までをレクチャーしてもらいます。

1. まずは、アジを誘うための撒き餌を準備。アミエビなどアジの好物を配合した寄せ餌を、ビシと呼ばれる手のひらサイズのカゴ6〜8分目くらいまで詰めます。餌を水中で撒くことでアジが寄ってきやすくなり、釣り針を目立ちにくくさせるという効果も。

2. 仕掛けの針に刺し餌を準備。今回は3cm程度に切ったアオイソメを使用。釣り針に先端を引っ掛けるだけの「ちょん掛け」でOK。

3. 餌をつけたら、釣り糸を海に落としましょう。糸が絡まりやすいので仕掛けの先にある刺し餌→撒き餌の順に落とすのがおすすめ。

4. 今回はタナと呼ばれるアジのいる水深が、底から2−3mということで、リールについたカウンターを見ながら狙った水深まで仕掛けを落としていきます。このときリールを指で押さえながら落とすのが糸を絡ませないコツ。

5. 狙った水深まできたら撒き餌が水中で散るように竿を上下に何度かシャクる(振る)。

6. さらにリールを2回転ほど巻いて、狙ったスポットでアタリを待ちます。

さすが先生、さっそくヒット! 釣れたのはイシモチと呼ばれるスズキの仲間。身の詰まった立派なサイズが釣れました。

田上さんにレクチャーしてもらいながら釣りを始めて、早くも10分ほどで船釣り初のシャンユーちゃんにもアタリが。引き上げると2匹のアジがヒット。出だしから大漁の予感で笑顔が止まらない!

瑞季ちゃんもヒット! 餌つけから一連のコツを覚えたようで、その後も黙々とアジを釣り上げていきます。

釣り上げた魚は、船が用意してくれたバケツへ。アジの口は弱く針が取れやすいので、姿が見えたらすぐに仕掛けを引き上げて。このときにリールをギリギリまで巻きすぎると竿が壊れる原因となってしまうので、ビシが上がってきたら寄せ餌の桶に一度置き、落ち着いて仕掛けと魚を引き上げるのがポイントです。
その後も次々とヒットを繰り返し、クーラーボックスもついにパンパンに。アジは体が小さく、氷と海水の入ったクーラーボックスに入れるだけで締めることができるので簡単!この一手間を忘れると、せっかく釣ったアジの鮮度が下がり、旨みが落ちたり、夏場は腐ってしまうことも…。また、大型のアジの場合は血液量が多いので血抜きも一緒にやっておきましょう。そうすることで臭みを減らし、刺身など生で食べても美味しさを保つことができます。

釣った魚を美味しく食べるまでが釣り!

せっかく自分たちで釣った魚を美味しく食べたい!ということで、渋谷ブリッジにあるハンバーガーとビストロをテーマにしたメニューが人気の「Chillmatic」さんへ。こちらは当日のお店の状況や内容次第で、持ち込み食材もアレンジして調理してくれるとのこと(事前に電話での相談は必須)。フレンチの名店で研鑽を重ねた塩田シェフの手によって、美しいビジュアルに生まれ変わったアジとイシモチのフルコースが完成!

アジのタルタル

アジのコンフィ

イシモチのベニエ

今回のように持ち込み調理をしてくれるお店が近くにない場合は、YouTubeなどに魚の捌き方やいろいろな調理方法がアップされているので、動画を観ながら自分でやってみても◎。

初めて船釣りを体験したシャンユーちゃんは、「初めてだったけどたくさん釣れてよかった!自分で釣ったからこそ、お料理も一層美味しく感じます」と大満足。瑞季ちゃんも、「ひとりで餌つけから釣り上げるところまでできるようになりました。忘れないうちにまた行きたいです!」と、すっかり釣りの魅力にハマった様子。美味しいご飯と思い出話に囲まれて、2人の初めての船釣り旅は終了。さて、次回はどんな釣り体験が待っているのか…お楽しみに!