2ヵ月に渡りベルリンマラソンへのトレーニングに密着させてくれた三井麻央ちゃん。
9月24日に行われた第44回ベルリンマラソンを無事に完走しました!
大会はもちろん、ベルリンのランニングカルチャーに触れることで今後の目標も見つけたみたい。
インタビューの他、フルマラソン当日のレポートもお届けします。
前回のフルマラソンは骨折してたのに気づかず走っていたんです。
- まずは完走おめでとうございます!
- ありがとうございます。最後の方はキツかったけど、楽しんで走れました!
- 5年ぶりのフルマラソンだったみたいだけど。
- 前に走ったときは練習しすぎて脚が疲労骨折しているのに気づかず、無理して走ってしまって。そこから4年くらいはフルマラソンなどのハードなランニングは禁止されていたんです。でも脚も復活したし、〈アディダス〉のコーチやMe CAMP(ミーキャンプ)のメンバーとちゃんと練習をしてきたから無理なく走り切れました。
- 現地入りしてからフルマラソン当日を迎えるまでのことを教えて。
- 初日は深夜に着いたからすぐ寝ちゃったんだけど(笑)。翌日は朝から〈アディダス〉のメンバーやARのキャプテンでモデル仲間の岩崎志保ちゃんと、会場の下見も兼ねて軽く5kmくらい走りました。この日に履いたのはUltraBOOST X ATR。不安定な天気だったから、大会直前に転んだりしないようにグリップ力が強いモデルを選びました。
- 足首までニットアッパーがホールドしてくれるのがいいですよね。
- そう。デザインも好きだから今回のツアーの足元はほぼこれでした(笑)。普段モノトーンの服が多いのでこのルビー色がアクセントになってくれるんです。で、午後はシュプレー川のすぐ近く、〈オーバーキル(OVERKILL)〉などのベルリンを代表するおしゃれショップが立ち並ぶヴランゲルキウ地区にある〈アディダス〉のランベースを訪問。トレーニング&ランニングをしました。
- ランベース、おしゃれでしたね!
- そう、なんせ立地がクラブの隣ですもんね(笑)。すごく広くて開放的でした。カフェを併設しているからランニング後にみんなお茶しながらおしゃべりしたり仕事したり。自由にチルしてる感じだった。若いクリエイターが集まる地区だっていうのもあるんだろうな。オーナーのトビーが言うには、ライフスタイルとアクティブを繋げる「ハブ」のような存在にしたくて場所を選んだんですって。ランニング以外にもトレーニングもできるし、メディカルやニュートリション(栄養学)などのケアも行っているんですよ。日本にもあんな施設欲しいな!
ベルリンの街なら毎日サボらずに走れる気がする(笑)。
- ベルリンの街は走ってみてどうだった?
- とにかく自然が多いし道が広い! ベルリンだったらサボらずに毎日ランニングすると思う(笑)。街中にグラフィックアートが多いから走っていても飽きないんですよね。私、飽き性だから同じところを何周もするのが苦手で…。例えば2日目の朝の5キロランは皇居一周とほぼ同じ距離だけど、疲労感が全然違ったんですよね。あと空気が澄んでてキレイ。気をつけなきゃいけないのは歩道の一部が自転車専用レーンになっていて、しかもそれがすごくわかりにくいから(笑)。何度も自転車に轢かれそうになりました。
- 3日目のブレックファストランは日本にはない感じでおもしろかったね。
- そうそう。大会前日に参加者が有志で集まってシャロッテンブルグ宮殿から、オリンピアシュダディオンという1936年のオリンピックで使われたスタジアムまで6kmほど走るんです。コスプレしている人がたくさんいたり、ゴール前になるとみんなで叫んだりしてすごくテンションがあがるランニングでした。で、ゴールしたらフルーツやドーナッツなんかが配られてみんなで朝食をとるの(笑)。他の国にもあるのかな。不思議ですよね。
- 午後に訪れた〈アディダス〉のセレクトショップ〈ナンバーセブンティフォー(no74)〉はどうだった?
- 〈ワイスリー(Y-3)〉を始め、〈アレキサンダーワン(Alexander Wang)〉や〈カラー(kolor)〉、〈ラフ・シモンズ(Raf Simons)〉などのブランドと〈アディダス〉がコラボレーションしたアイテムのみをセレクトしたショップだから、ファッション好きには絶対訪れて欲しいショップ! 発想自体がおもしろいし、ラインナップも充実してた。さすが〈アディダス〉が生まれた国ですよね。あとはベルリン動物園のすぐ南にあるタウエンチーンというストリートに〈アディダス〉と〈アディダスオリジナルス(adidas Originals)〉それぞれの大型店舗が向かい合いって建っているんだけど、そこにも日本未入荷のモデルがたくさんあって大興奮! いっぱい買い物しちゃった。ちなみにここの〈アディダス〉の中にもARのコーナーがあってランナーが集まっていて。ベルリンはランニングが生活やファッションに根づいているって感じました。
1人で走っているんじゃないって思えるマラソンでした。
- で、ベルリンマラソン当日の朝。そんなに緊張している感じではなかったですよね。
- 前日の夜中までスーパーでお土産買ったりしていたくらい(笑)。前日のランニングの疲労感が脚に残っていたけど、お風呂でマッサージしたし大丈夫そうだったし。あと当日はSnova Glide BOOST 3っていうモデルで走ったんだけど、むくんだ脚にストレスがない設計だから怪我しない自信があったのかな。会場に着いたらとにかく人がすごくて、さすがマラソンのビッグスリーと言われる大会だなって実感しました。ただ前日の夜から雨が降り出して、当日もスタート直後まで霧雨が続いていたから寒くって…。直前までZ.N.E. ニットパルスのセットアップで身体を冷やさないようにしました。スタート地点には持っていけないからカッパを着て行ったんですけど、4万人のランナーが服やカッパを置いていくからスタートエリアの中央分離帯がすごいことになっていました(笑)。
- ベルリンは高低差があまりなくて走りやすいコースだって言われているけど、実際走ってみてどうだった?
- すごく走りやすかった!ベルリンの街を全網羅するようなコースだから、観光しながら走っているような感じ。しかも歩道や通り沿いのアパートの窓からたくさんの人が応援してくれるのに本当に感激しちゃった。子どもがハイタッチしてくれたり、ゼッケンに書いてある名前を見て「GO! MAO! GO!!」って応援してくれたりするんです。ところどころでジャズバンドの演奏もあるし。あとはおじいちゃんがコース脇に机を置いて、たぶん自腹で買ったビールを給水ポイントみたいに並べていたり(笑)。街の声援のほか〈アディダス〉のメンバーがペースを見ながら伴走してくれたのも心強かったな。“1人で走っているんじゃない”って強く感じられるマラソンでした。
- 街の人達が老若男女問わず何時間も立ちっぱなしで応援してくれるの、心強いですよね。
- 本当そう。30キロすぎから全然脚が進まなくなっちゃって辛かったんだけど、路上からの応援でなんとか乗り切った感じです。スポーツって例えば格闘技だと観客はどちらか一方を応援することが多いじゃないですか。でもランニングだと首位争いとかじゃない限り、観客は走っている人全員を応援してくれますよね。そのハッピーな雰囲気がすごく好き。
- そして見事、5時間11分で完走。ベルリンマラソンを経て、麻央ちゃんが気づいたことや今後の目標ってありますか?
- 日本でランニングって言うとダイエットとか健康面ばかりピックアップされがちで、私たち世代の女の子で興味を持つ人って少ないと思うんですよね。「走るのダルい〜」みたいな。でもベルリンのようにクリエイターやファッション関係の子たちもナチュラルにランニングしてる空気感がすごくいいなと感じて。本来はファッションもカルチャーもスポーツも相互に、密接に関係してるものだと思うんです。身体を動かすことで気分の切り替えができたり、走っているときにアイデアが浮かんだりするものだし。でも日本だとスポーツとカルチャーの距離が妙に遠くて…。今後は音楽やアートと同じような感覚でスポーツを楽しむようなコミュニティを作っていきたいな。例えばランニングのあとにお酒を飲んだっていいし、クラブ行く前にちょっと走ったっていい。スポーツに対するネガティブなイメージを取り払う活動をしていきたいです。
- 楽しみにしています!
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