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Girls Don’t Cryの生みの親、Verdyの消費されないあり方。
Girls Don’t Cryの生みの親、Verdyの消費されないあり方。

A Message from Verdy.

Girls Don’t Cryの生みの親、Verdyの消費されないあり方。

2019.04.27

東京で生活していたら一度は目にしたことがある〈Girls Don’t Cry〉。
ポップアップを開催する度に激しい争奪戦が繰り広げられ、現物をゲットできなかった勢も数知れず…。
それが! Amazon Fashion“AT TOKYO”とコラボレートし、日本で初めてオンラインで購入できることになったのです!
この一大事をきっかけに、生みの親であるVerdyさんへのインタビューが遂に実現。
いま改めてちゃんと知りたい彼自身のこと、そして社会現象となったプロジェクトのことについて聞きました。
最後まで読めば、彼がなぜストリートに愛されているのかもきっとわかるはずです。

やっとみんなが平等に買える機会が来た。

ーAmazon Fashionとのコラボレーションで〈Girls Don’t Cry〉のカプセルコレクション、そして去る4月20、21日にはカフェもオープンしましたが、これらが実現に至るまでの経緯を教えてください。
きっかけは“AT TOKYO”から声をかけてもらったことからでした。でも、ぼくのなかではファッションショーを手がけているイメージが強かったので、参加したいとは思いつつどう絡むべきかをずっと探っていて。〈Girls Don’t Cry〉でもともとやってみたかったカフェを提案したらおもしろがってくれたので実現に至りました。
ー〈Girls Don’t Cry〉は奥さんへ捧げるプロジェクトですが、カフェをやろうと思ったのはそんな奥さんと何か繋がりがあって生まれたアイデアですか?
そうですね。ぼくも彼女もコーヒーがすごく好きで、カフェは縁深い場所なんです。毎朝妻と一緒にコーヒーを買いに行きますし、時間があるときはそこで仕事をしたり、妻はゆっくりコーヒーを飲んだりして2人で穏やかな時間を過ごしています。それくらいぼくらのライフスタイルの中心にある場所なので、〈Girls Don’t Cry〉で何かをするときはカフェをやってみようと思っていたんです。で、前の事務所の近所にあってよく通っていた「ABOUT LIFE COFFEE BREWERS」に参加してもらいました。
ー今回のコラボレーションで手がけた、カフェの空間づくりとアイテムのこだわった箇所を教えてください。
空間で言うと、〈Girls Don’t Cry〉は赤と白を基調としているのでそこをブレずに表現しつつ、Amazonのイメージ=ダンボールをテーブルにしてみたり、そのダンボールに印字されているマークもぼくなりにデザインしました。普段買い物をするときから、あの特徴的なデザインのダンボールが印象的だったんです。そういう細かいギミックもこだわってみました。アイテムは、いつもの感じでぼくが身につけているキャップやフーディをベースに、さりげなくAmazonのマークを刺繍しました。
ーほんとだ! 一見気が付かないくらいさりげないですね!
(笑)〈Girls Don’t Cry〉はロゴではなくメッセージなので、うまく入れないとかっこいいものにはならないんです。なので、主張しすぎないようにしています。
ー原宿でカフェを開催し、現在Amazon Fashion“AT TOKYO”ではカプセルコレクションが発売中です。どのように会場で楽しんでもらい、どんな人にアイテムを着てほしいですか?
このカフェには毎回ポップアップに来てくれる人たちも、Amazon Fashionを通じて知ってくれた人にも来て欲しいです。あと〈Girls Don’t Cry〉のアイテムをオンラインで発売しますが、これは日本で初めての試みなので、いままで遠方にお住まいだったり仕事で忙しかったりでポップアップに来れなかった人でも気軽にアイテムを見てもらえるいい機会になりました。やっとみんなが平等に買うことができて嬉しいです。

世のなかに出した時点で完成されてるから、
そこは一貫性をもたせたい。

ーそもそも、〈Girls Don’t Cry〉はどのようにして誕生したのでしょうか?
ぼくがLAに遊びに行ってたときに、あっちではみんなの知らないTシャツを着ているのがクールというムードがあったんです。「それ何のTシャツ? どこで買ったの?」っていう会話からコミュニケーションすることが多かったりもして。そんな話を奥さんとしていたら、じゃあ今度初めて2人でLAに行くし彼女に何かそういうTシャツをプレゼントしようと作ったのが最初です。
ーへえ!
実は、そのときすでに〈Girls Don’t Cry〉というメッセージも考えていたんですよ。彼女は普段から明るい人だったんですが、その思い付いた日はなんだか元気がなくて。だから「泣かないで。いつものように明るくいて」というシンプルなメッセージが浮かんできたんです。そこからハートのなかに文字を入れたあのデザインに。なので、今回のアイテムのように文字だけになっているデザインもありますが、もともとはハートのなかに文字を入れた状態を完成形としているんです。
ー赤と白を基調にしているのも、ハートからきているんですね。
そうなんです。あとは当時、白地のTシャツに赤い文字をのせるデザインがいいと思ってたので、赤のハートと白文字という組み合わせになりました。そこからずっと〈Girls Don’t Cry〉のカラーはこの2色でやっています。
ーそのピュアなメッセージが、ストリートに興味のある人たちだけでなく幅広い女性の胸にまで刺さり大きな現象になるまで発展したんですね。
言葉がすごくシンプルなので、英語をわかる人でもわからない人でも伝わって、多くの人に届いたんじゃないかと。ぼくは奥さんに向けてのメッセージとして作ったんですが、着る側としては“泣かない”という自分の強い意思表示にもなると思っていて。いろんな人がそれをSNSで発信してくれたことが大きく広がった理由だと実感しています。
ー先ほど、〈Girls Don’t Cry〉で挑戦したいことがカフェだったと言ってましたが、他にもやってみたいことはいくつかあるんですか?
〈Girls Don’t Cry〉で言うと、いま“これをやりたい”とハッキリ思っていることはないんです。その時々で、マッチすること、できることに挑戦できたらいいなとは思っています。例えば、〈Wasted Youth〉はスケートデッキも作っているしチームも最近作ったところなので、もっと海外に滑りに行きたいし、映像づくりにもトライしたいな、とか。
ーなるほど。
あとはグラフィックを作るとき、自分の思っていることや感情を表現しているんですが、〈Girls Don’t Cry〉と〈Wasted Youth〉はほぼ同時期にできたもので。この2つが誕生したことによってぼくの環境も変わったし、周りの環境も大きく変化しました。それに対して、ぼく自身は変わらずにいようとしてるんですが、少なからずプロジェクトが大きくなったことで影響される部分もあるから、逆に“いまこの状況だから感じること”に向き合って新しいものを作ってもいいのかなと思っています。
ー芯はブレないけど、環境や状況に応じて進化していくということですね。
ですね。あとは、好きでいてくれる人が増えていくからこそ、できることもあるし、そこは柔軟に捉えて行こうと思っています。
ーでは改めて、〈Girls Don’t Cry〉と〈Wasted Youth〉の違いについても教えてください。
〈Girls Don’t Cry〉は奥さんに向けたプロジェクトだけど、〈Wasted Youth〉は自分の“無駄に過ごしてきた青春”にフォーカスし、そこに振り返ることであの時間は無駄じゃなかったんだということをメッセージにしています。つまりは、ぼくのバックグラウンドそのものを表現しています。あとは、大阪時代にずいぶん遠回りをして上手くいかなかった経験もあったので、それを省みていまサポートしてる大阪のスケーターたちと一緒にセッションしながら物を作ったりしています。そういう自分の気持ちに沿ったことをしていきたいんです。
ー〈Wasted Youth〉は大阪限定のプロジェクトなんですか?
いや限定にしているのではなく、拠点にしているのが大阪なのと、サポートしているスケートチームも大阪の子たちってくらいです。ただ、欲が出てブレないようにはしたくて。最初に考えていたことから自然と大きくなっていくことって多々あると思うんですが、最初に自分がかっこいいと思ったことはブレずに一貫していきたいんです。
ーチームの規模を大きくしていくよりかは、認知度を大きくしていくということですね。
はい。自然と大きくなることも当然ありますが、なるべくキープしていきたいんです。消費されたくはないので。デザインを始めて1、2年の頃からいまみたいな状況になっていた訳ではなくて、それだけでは食べていけなかったときもあったけど、グラフィックデザイナーを続けたかったから今日まで続けてこれたという信念があるから、そこを大事にしています。
ー今後の展望やこれからやってみたいことを聞こうと思ったんですが、Verdyさんにとっては、それ以上に“いまをどう表現するか”に向き合う方が大切なんだと気付かされました。
ぼくのプロジェクトは世に出した時点で完成されているので、そのひとつひとつに関して、さらに手を加えたり、今後どうしたいという考えはないんです。新しいことを思ったら、またそこで別のものとして考えたいというか。なので、お店を出したいとかもまったく思いません。でも、買いたいと本気で思ってくれている人の手にすら届きづらい状況が長く続いてので、今回のAmazon Fashionとの取り組みによって日本全国どこからでも注文ができるいい環境と機会にめぐりあえて嬉しく思います。
ーどのプロジェクトもそうですが、 いいものをみんなでシェアしていくムードがあり…! 素敵です。
(笑)。ありがとうございます。今回のカフェで行きつけの「ABOUT LIFE COFFEE BREWERS」に協力してもらったり、夜のパーティでは仲間のtokyovitaminにDJをお願いしたり、いいものはみんなでシェアできたらと思っています。反対に困ったときは助けてもらいたいし。そんな関係が心地いいし、なんたって、楽しいんです。前にポップアップで韓国に行ったときも、tokyovitaminと、YouthQuake、BIMくん、kZmくんとかとみんなで行ったら修学旅行っぽくて(笑)。いまの東京の若いシーンにいる人たちってすごくおもしろいし、かっこいい人も多くて、ぼくと世代が離れていても同じ気持ちで関わってくれるので感謝しています。
ーVerdyさんが捉える“ストリート”は尖るというよりかは仲間との “繋がり”なんですね。
ですね。いまの東京のストリートシーンは、世代の壁がなくなってきているような気がしていて、うまくマッシュアップされたいい時代だと思っています。先輩のパーティにはみんなで出るし、後輩のイベントにも顔出すし、海外でたまたま会ったらみんなで遊んじゃう。尖ってるイメージよりかは仲間意識の方が強いですね。正直もう“ストリート”が好きな時点で共通項があるので、同じような服やTシャツを売っててもライバルというよりかは仲間として見ています。だから、すごくいい雰囲気なんじゃないかな。
ーすごくポジティブなメッセージですし、改めてVerdyさんを中心にそのポジティブなムードがシーン全体に流れていると思いました。
ぼくは基本的にポジティブなので、すべてのことをそう捉えたいし、それがもっと広がっていってほしいな。
   

Girls Don’t Cry Meets Amazon Fashion “AT TOKYO”

www.amazon.co.jp/ATTOKYO