池端杏慈、蒼き才能に触れて。
Coming into Bloom.
池端杏慈、蒼き才能に触れて。
2025.12.27
喪失と向き合う少女たちの
物語を描いた映画『白の花実』。
死んだ親友の“記憶”を巡って揺れる、
栞役を演じた池端杏慈さんにインタビュー。
本作と向き合った時間を思い出しながら、
等身大の言葉で振り返ります。
Photography: Nico Perez
Edit & Text: Shunta Suzuki
- ―本作の出演が決まったのは、オーディションと伺いました。そのときのことを教えてください。
- はい。当時はまだ高校1年生で、オーディションの日も学校があったので、下校後そのまま制服で向かいました。とても緊張していましたが、とにかく楽しく話そう! という気持ちで臨んだのを覚えています。オーディションは、坂本監督と直接お話をしながら進んでいく形で、栞と杏菜の仮台本を読みました。
- ―オーディション後、手応えや受かった感じはありましたか?
- 正直、全然分からなかったです。ほかのオーディションでも、手応えを感じたことがないタイプで。このときも合否がどうなるか全然分からなくて。後日、栞役に決定したとマネージャーさんから聞いて、すごくうれしかったです。
- ―では、完成した台本を読んだときの感想を教えてください。
- 『白の花実』というお話自体、すこし難しいというか、読めば読むほど、この作品をどう感じるか、どう解釈するかが観る人に委ねるような内容だなと。なので、自分のなかでしっかりと理解するまで時間がかかりました。
- ―栞を演じる際に意識したことはありますか? 監督からのアドバイスなどもあれば教えてください。
- 坂本監督からは「栞は莉花への愛情を、亡くなったあともずっと持っていてほしい」という言葉をいただきました。確かに、最初は杏菜に嫌悪感を抱いていた栞も、莉花を通して距離が近づいていく感覚があって。台本には書かれていないような彼女の背景も、自分なりに考えて演じることを意識しました。
- ―美絽さんや蒼戸虹子さんなど、共演者は同世代が多かったと思います。もともと面識はありましたか?
- 2人とも面識はなく、オーディションも被らなかったので、実際の役が決まってからお会いしました。美絽は同い年で、虹子はひとつ下です。初対面のときは「呼び捨てでいいよ」という感じで、互いがどんな子なのか分からないところからはじまりました。ただ、話していくうちにすこしずつ打ち解けてきて。いつからか気軽に話せる関係になりました。
- ―同世代ならではですね。おふたりとの撮影現場でのエピソードがあれば教えてください。
- 3人でいるときは、仕事の話というより日常的な会話をすることがほとんど。わたしが質問することが多くて、「朝何時に起きてるの?」みたいな、すごく普通のことを聞いていました(笑)。地方ロケでの撮影だったので、今日の夜ごはんなんだろうね〜とか、学校のクラスメイトのような空気感で。2人にはいつも癒されていました。
- ―2人の演じる姿を見て、感じたことがあれば教えてください。
- 彼女たちからは、たくさん刺激をもらいました。2人ともカメラが回った瞬間の表情が本当に素敵なんです。美絽は特に目が印象的で、普段のふわっとした雰囲気とは違う、杏菜になる瞬間がカッコよくて印象に残っています。虹子は声がとても通るというか、話し方が上手。普段話している時とは違う、莉花の落ち着いた芯のある声の使い方が勉強になりました。
- ―では、すこし話を変えて。役者だけでなく、モデルのお仕事もされている池端さんですが、ファッションがお好きなんですか?
- もともとお洋服が好きで、両親と一緒に買い物に行くこともあります。オンラインショッピングもするのですが、試着ができないので気になったものはすぐ相談(笑)。服や靴を母と共有することも多いので、一緒に選ぶこともあります。
- ―最近ハマっていることや、休日の過ごし方について教えてください。
- 最近はあまりできていないんですが、ライブに行ったり、CDやグッズを買ったりしている時間がいちばん好きですね。友達とはカフェに行ったり、カラオケに行ったり。でも、歌うより話していることが多いんです。限られた空間でメロンソーダを飲みながら、ゆったり過ごす時間が落ち着きます。
- ―自分の性格は、どんなタイプだと思いますか?
- うーん、雑なところもあるけど、全部全力! って感じ(笑)。「これはこれでいっか」と思うときもあれば、「これは絶対こうする」と強くこだわるところもあります。
- ―最後に、これから挑戦したい役などがあれば教えてください。
- いま興味があるのはアクション作品です。もともと運動するのも好きですし、趣味でダンスを踊ったりもするので、いつかトライしてみたいと思っています。あとは、もうすこしで高校生活が終わっちゃうので、学生役もまだまだやらせていただきたいです。制服をたくさん着たい(笑)。
〈BACCA〉ジャケット ¥50,600、パンツ ¥36,300(ともにビー エディション ニュウマン新宿店 03-3351-3430) その他 スタイリスト私物
『白の花実』
監督・脚本・編集:坂本悠花里
配給:ビターズ・エンド
新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか上映中
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