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次世代のスーパーガール! SHIMAが魅せる“宇宙のディスコ”とは?
次世代のスーパーガール! SHIMAが魅せる“宇宙のディスコ”とは?

Take me to space disco.

次世代のスーパーガール! SHIMAが魅せる“宇宙のディスコ”とは?

2021.11.09

今年9月にユニバーサルミュージックのサブレーベル「+81 Music」から
シングル『After the World Ends』でメジャーデビューを果たしたアーティストのSHIMA。
アレンジからマスタリングまで、すべての制作過程を自分で行ってしまうスーパーガールが
「宇宙のディスコ」と呼ぶ自身のエレクトロニックポップな楽曲は、一度聴いたらもう虜。
音楽プロデューサーやシンガーだけでなく、
モデルとしても活動するSHIMAってどんな子なんだろう?
そもそも彼女の言う「宇宙のディスコ」って!? 気になる〜!
ってことで、インタビューを敢行。
セルフスタイリング&メイクで登場してくれました!

Photo_Yui Sakai
Interview&Text_Nozomi Hasegawa

ーはじめまして! 目元のストーンがとってもかわいいですね。まず、SHIMAさんはアメリカご出身なんですよね?
ありがとうございます! 今日のためにキラキラにしたのでうれしいです。生まれはアメリカのジョージア州アトランタです。日本には4歳から18歳までいたのですが、アメリカンスクールに通っていたので、ずっと英語で教育を受けていました。なので実は日本語があまり得意じゃないんです(笑)。
ーそんなことないですよ! いまはLAに住んでいるとお聞きしています。
住み始めて2年くらい経ったかな。
ーLAはどうですか?
引っ越してから半年も経たない間にロックダウンになってしまったので、まだ街を冒険できていないんです。LAは車社会なんですが免許を持っていないので、家にいることがほとんど。ただ、きれいな山や海がいっぱいあって自然豊かで。田舎ではないけれど静かな街なので、制作にも集中できて住みやすいなと思っています。
ー自然豊かな場所は魅力的ですよね。SHIMAさんにとって音楽は幼少期から身近な存在だったんですか?
母がバンドのボーカルをやっていたので、その影響で生まれる前から音楽を聴かされていて。病院で私を出産するときには、わざわざラジカセを持ち込んで、生まれる瞬間に音楽が流れるようにしていたらしいです(笑)。
ーすごい! その瞬間は何を流していたのか記憶にありますか?
さすがに覚えていないですね(笑)。母に聞いたところによるとJames Brownを流していたみたい。当時、母が1番好きなアーティストだったんじゃないかな。
ー生まれる前から本当に音楽と共に生きてきたんですね。
はい。Beyoncé、Christina Aguilera、Aretha Franklin…。母の影響で本当にいろいろなアーティストの曲を聴いてきました。バイリンガルっていう境遇が同じなのもあって、日本人のアーティストだと宇多田ヒカルさんが好きです。色々と聴いていた中でも、母の好きなソウルやR&Bなどのブラックミュージックはとくによく聴いていたかもしれません。
ー幼少期から自然と音楽の道に進もうと思っていたんですか?
ピアノとバレエのレッスンは受けていて。歌うのも好きだったんですけど、まさか音楽をキャリアにするとは思ってなかったです。普通に大学に行って普通の仕事をするんだ、とずっと思ってました。
ーでは、何がきっかけで音楽をやってみたいと?
高校生の頃、電車で音楽プロデューサーのJ Dillaのビートを聴いていたときに、ふと「私もつくりたい!」と思ったんです。家に帰ってすぐにMacの「GarageBand」っていう無料アプリで適当にビートをつくってみて、翌日の学校で友達に聴かせたら「ビートメイカーになれるじゃん! 」って言ってくれて。音楽に詳しい子に言われたので自信がついたし、自分の中で「ビートメイカーになりたいな」っていう気持ちがちょっとだけ芽生えました。でも、当時は女性の音楽プロデューサーやビートメイカーを知らなかったので、本気でできるとは思っていなかったです。
ーそれでもGarageBandで曲はつくり続けていたんですか?
はい。大学生になってからGrimesやAlison Wonderland、TOKiMONSTAなどの女性ビートメイカーの存在を知って。「やっぱり私もできるな!」ってまた少し自信になりました。ま、でも卒業して一般企業に就職しちゃったんですけどね。
ーえー! そんな経歴があるなんて驚きです。
毎日しっかり9:00~17:00で働いてました(笑)。LAに行ったのも、もともとは仕事のためだったんです。ただ、働きながらも音楽をつくり続けるうちに、「やりたい! できる! 」っていう気持ちがどんどん強くなっていって。1年経った頃に会社をやめて、本気で音楽を始める決心がつきました。自分のことを信じられるようになるまで、すごく時間がかかりましたね。
ー長い葛藤があったんですね。どのように音楽活動を始めたんですか?
FacebookやInstagramなどのSNSに自分でつくった曲を公開していました。
ーそこから反響があったわけですね。音楽はずっと独学で?
大学ではミュージックエンジニアリングやコンピューターエンジニアリングについて、アメリカの大学で学んでいたんです。卒業後、ミュージシャン用のソフトを作る会社に就職をしてソフトエンジニアとして働いて。
ーそれなら、就職先で学んだことも音楽活動に活かせそう。
結構活かせてますね。ソフトを作っていたから、使い方にも詳しくなったんです。つくれるんだったら、使うことの方が簡単じゃないですか。それも音楽をやっていく上での自信に繋がったんだと思います。
ーいまはどんな環境で音楽制作を行っているんですか?
制作部屋があって、そこにパソコンとmidiキーボード、スピーカー、マイクを置いたシンプルなセットアップで制作をしています。
ー全部ひとりで?
そうですね。自然とそうなりました。最初はビートだけつくっていたんですけど、ボーカルがある方がより多くの人に聴いてもらえるので、母に「歌わないと絶対もったいないよ」って言われて。幼少期から歌も好きだったので、それから自分のビートにボーカルもつけ始めました。
ー制作にはどれくらいの時間がかかるんですか?
最初から最後までつくるのに、早くて1日でできたことがあります。長くて2ヵ月かな。とにかく毎日つくり続けていますね。
ーその時々によって変わるんですね。曲作りのインスピレーションはどこから得ていますか?
DJの友達が多いので、流している曲を教えてもらったり。あとは買い物しているときに店内でいい曲が流れたら「あ~! こういうかっこいいのつくりたい」ってなりますね。いちばん最初のビートをつくったときもそんな気持ちがきっかけでした。
ーそんな影響を受けたミュージシャンは誰ですか?
音楽を始める自信を与えてくれたのは女性ビートメイカーだけど、音楽的な影響を受けたのは、プロデューサーでシンガーソングライター、DJのKaytranadaや、Odeszaっていうプロデューサーユニット。KaytranadaはR&Bやヒップホップなど、いろんなジャンルを混ぜたアップテンポな曲をつくるのですが、そのユニークなグルーヴ感が好きで。Odeszaはボーカルのサンプリングが魅力的。曲作りを始めたばかりの頃は、その2組のアーティストの曲をゼロからつくり直す、っていうことをやってました。
ーゼロからつくり直す……?
既に存在している曲を自分でもつくってみるんです。すごく勉強になるので、練習としてやっていました。現在も同じようなことをしているのですが、「同じ曲をつくろう」というよりは、いいなあと思った曲からインスピレーションをもらって、湧いてきたアイデアをどんどん盛り込むっていう感じです。だから最終的にはまったく違うオリジナルの曲が生まれます。
ーそんなつくり方もあるなんて驚きました。9月にリリースした新曲『After the World Ends』はどんな思いで作ったんですか?
『After the World Ends』を直訳すると「世界が終わった後」っていう意味なんですけど、ちょうど制作の時期にいろいろとうまくいかないことばかり起きて落ち込んでいて。ただ、そんななかでも太陽は毎日必ず昇るし、世界が終わったとしても次の日は必ずあるって気付いたんですよね。悪いことがあればもう上がっていくしかないので、「これからきっといいことが起こるからあきらめないで」って自分に対してのメッセージも込めました。
ーだから元気をもらえるような曲に仕上がったんですね。砂漠で撮影したMVも印象的です。
本当に世界が終わった後のような場所じゃないですか? カリフォルニアの砂漠で撮影したのですが、建物もなくて人もいない、ただ山火事で燃えてしまった木々が残っているだけの景色は、すべてなくなってしまった地球のようで。「最初からやり直そう」っていう曲のイメージをよく表しているな、と思って、あの場所でMVを撮影することに決めました。
ー何もない状況で、ここから何かを生み出そうっていうことが伝わってきます。MVの内容は監督と相談をして決めたんですか?
かなり少人数で、クルーは私と監督とカメラマンの3人だけ。みんなのアイデアを組み合わせて作りました。
ースタイリングもご自身でされていましたよね。ファッションも昔からお好きなんですか?
ファッションにはアーティスト活動を始めてから興味を持つようになりました。いま、LAでは70年代のレトロなファッションが流行っていて、フレアパンツなどをよく穿いています。メンズの服にジュエリーをあわせてかわいくスタイリングするのも好きですね。
ーMV内のフレアパンツ姿もかわいかったです!! SHIMAさんにとってのファッションアイコンは誰ですか?
ラッパーのDUCKWRTHです。メンズなんですが、ファッションを含めたビジュアルがどれも好きで。Billie Eilishがメンズファッションにジュエリーをあわせて格好をよくしているのも素敵ですよね。
ーオーバーサイズのシルエットにジュエリーを重ねるのはかっこいいですよね。先ほど70年代のファッションが好きとおっしゃっていましたが、今日のスタイリングもそんなイメージで?
スーツは時代を超えたアイテムですよね。どんな時代のスタイルにも合うので、70年代というよりはメンズライクな感じにしようと思って選びました。かわいいアクセや目元にはストーンを付けてみたり。スーツは佐藤マクニッシュ怜子さんのブランド〈アマテラス(AMATERAS)〉のものなんですが、色もきれいだしサテンで着心地がいいんですよね。ブランドのコンセプトが「和」×「洋」なんですよ。
ーまさにSHIMAさんにぴったりのスタイルですね。今日のスタイリングでいちばんのお気に入りポイントはありますか?
スーツも大好きだけど、やっぱり目元のキラキラかな!
ーキラキラ、マネしたくなっちゃいます。音楽のことに少し話を戻しますが、ご自身の楽曲を「宇宙のディスコ」と表現していて、SHIMAさんの楽曲にぴったりだし、キラキラした、なんて素敵な言葉なの…! と思いました。これは自然に浮かんだ言葉だったんですか?
いつどこで考えたのかまったく覚えてないんです…。でも、いろいろな音楽から影響を受けてきた私の曲を聴いた人が、どこかの謎の惑星で踊っているような気持ちになってくれたらいいなと常々思っています! 自分でもお気に入りの言葉です。
ーまさにそんな気持ちになりました。いろいろな方とコラボレーションもされていると思うのですが、周りのお友達は音楽活動をしている方が多いんですか?
多いですね。11月5日にリリースする新曲も友達のSumireちゃんと作りました。
ー松原千明さんと石田純一さんのお嬢さんのSumireさん…?
はい! 共通の友人の紹介で出会って。私の家に泊まりに来るほどの仲です。
ー仲よしなんですね! 楽曲はどうやって制作をしたんですか?
私がつくったインストをSumireちゃんに送って。好きって言われたものを組み合わせました。MVは日本に滞在している間に東京で撮影します。
ー完成が楽しみです。最近、音楽やファッション以外で興味を持っていることはありますか?
頭の中の90%は音楽が占めているんですけど、ダンスにも挑戦してみたいなと思い始めました。MVのために振り付けを作ってもらって本格的なダンスをしたいですね。
ーバレエ以外にもダンスは習っていたんですか?
高校生の頃に少しだけ。ジャズやヒップホップをやっていました。
ー音楽だけではなくて、踊ることも昔からずっと好きなんですね。
好きなんですけど、ただこれも自信の問題です。最近やっとダンスへの自信がついてきたので、やってみようかなと!
@shima.banana

Haven’t danced in years #ダンス

♬ Woman – Doja Cat
ーそういえば、TikTokでSHIMAさんの踊っている姿を拝見しました…!
一度だけ投稿しました(笑)。それこそ、TikTokを見て「やっぱり音楽と踊りは一緒に存在するべきだ」って思い始めたんです。私のつくる曲って踊りたくなるようなものが多いから、振り付けがあれば聴いてくれた人みんなが踊ってくれるかもしれないなあ! と。来年には実現したいですね。
ー期待しています! 今後はどんな活動をしていきたいですか?
もうそろそろアルバムを出す時期なのかな~、とは思い始めています。
ーお!!
いままでシングルしか出していないので、リリースできずに溜まっている曲もいっぱいあって。アルバムで一気にバンっ! と出したいですね。
ー本当にたくさん曲をつくられているんですね。ライブはまったくやってないんですか?
音楽活動を本気で始めた頃にコロナが流行り始めてしまったので、まだ一度もライブをやってないんです。お客さんの前でパフォーマンスをしたいなあ。
ーその姿を早く見たいです。Instagramを見ると、ダンス以外にさまざまな楽器にも挑戦しているように思えました。カリンバで曲作りをしている動画もありましたよね。
動画、つくりましたね。カリンバはAmazonで買ったもの。最近はギターとベースに挑戦しています。難しいし、とにかく指が痛くなる(笑)。先日、ついに皮も剥けちゃいました。
ーだんだんと指の皮が硬くなってくるって噂で聞きます。楽器はたくさんコレクションしているんですか?
そうですね。お金が貯まるとつい楽器を買いたくなってしまいます。まだ少ないのでどんどんコレクションを増やしたいですね。
ー楽器が増えると曲の幅も広がりそうです。こんな曲をつくってみたい、などはあるんですか?
Kaytranadaの楽曲のように、ポップスやR&Bといった特定のジャンルに絞られるんじゃなくて、いろいろとミックスした曲をつくりたいです。マリンバとかコンガの音が好きで、よくサンプリングするのですが、その他にも日本の伝統的な楽器である三味線とかお琴を演奏してみたり。ヒップホップに三味線の音が入っているとかっこいいですよね。
ージャンルにとらわれないあたりがまさに“宇宙のディスコ”って感じですね。
そうそう! その通りです。宇宙のディスコで踊りたくなるような曲をこれからもつくり続けたいと思ってます。
SHIMA
1996年12月18日生まれ、アメリカのジョージア州アトランタ出身。東京育ちのバイリンガル。大学卒業 後に、本格的な音楽制作活動を開始。プロデューサーとして、作詞・作曲はもちろん、アレンジ・ミキシン グ・マスタリングまで自身で行い、海外のアーティストへ楽曲提供することも。シングル『Don’t Wanna Die Young ft. Calica 』『Fade Out』が配信中。11月5日にはモデルや女優として活躍するSumireとのコ ラボレーションシングル『CONMAN』を配信リリース。TikTokではビートの作り方やゼロから曲作りをす る動画などを公開している。
Instagram @shima.banana