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日々大きく成長するSunflower Beanが表現したい、自分たちの音楽。
日々大きく成長するSunflower Beanが表現したい、自分たちの音楽。

Twentytwo in growth.

日々大きく成長するSunflower Beanが表現したい、自分たちの音楽。

2018.12.06

ヴォーカル兼ベースのジュリア、ギターのニック、ドラムのジェイコブ
ブルックリンの仲良し3人組で構成される、3ピースロックバンドがSunflower Bean。
日々大きく成長する彼らは、まるで“ひまわりの種”から咲く大きな花のように
いま自分たちの音楽というのを確立しようとしています! その勢いがすごい。
そんな彼らの魅力を探るべく、3人のムードにぴったりなヴィンテージショップ『CURIOS』で
待ち合わせをし、ショッピングを楽しみながらお話を訊いてきました!

Photo & Collage_ Yukika Tasaki
Special Thanks_CURIOS

アルバムの世界観に、普段のスタイルも影響される。

ーこれから遊びに行く古着屋「CURIOS」はスタイリストの小藪奈央さんがヨーロッパ全土からバイイングした、古き良きヴィンテージアイテムが豊富に揃っているお店なんです。きっとみなさんも気に入ってくれると思います!
Julia:すごく楽しみ! ヴィンテージ大好きよ。特に私が今日着てるこのゼブラ柄のドレスは、たったの$10で手に入れた宝物。ショーウィンドウに飾ってあって買わずにはいられなかったんだ。
ー確かに、Juliaさんはドレスを着ているイメージが強いです。特別好きなファッションスタイルはありますか?
Julia:好きなスタイルね…実は、アルバムの世界観によって着るものが大きく影響されるの。例えばいまだったら、80年代の感じとかね。
Nick:このカーディガン着てみようかな。どう?
Julia:かわいいじゃん! いつも着てるカーディガンみたいで似合ってるよ。
Nick:そう?
Jacob:この赤黒ストライプのジャケットかっこいい。
Nick:似合ってる!
Jacob:欲しいな…買っていいか一旦彼女に相談するわ。あ…でもやっぱり買ってくる!
Julia:本気の買い物じゃん(笑)。私もとりあえずドレス5着くらい試着してくる!

自分の内面と向き合い、日々成長する音楽性。

ー本気のお買い物を楽しんでもらったところで。改めて、今回の来日の話や新譜の話など聞かせてください。まずは昨日のライブ。会場の熱気がすごかったです! これが「サマーソニック2016」以来の来日公演ということになるんですよね?
Julia:来てくれたの? 昨日は最高に盛り上がったライブだった! 2年ぶりに日本に来たんだけど、今回は単独ライブができるということでかなり楽しみにしてたんだ。そんな興奮状態で迎えた昨日は、ファンの熱気がものすごく伝わってくるくらいのいい距離感で、自分たちもテンションが上がって最高のライブパフォーマンスを披露することができた。
Jacob:やっぱりフェスは会場も大きいし、ジャンルの異なる人たちが一緒くたに同じ空間にいるカオス感がいいよね。そういう意味でも「サマーソニック2016」は日本で、より多くの人に知ってもらえたいい機会だったと思ってる。それを経ての今回の単独ライブは、いよいよ僕らのファンが集結した会だったというか、日本に僕らのファンがどれだけいるか知れたんだ。
ー昨日の会場を見渡してみて、いろんなファンがいるなと思ったんです。スーツを来ているサラリーマンもたくさんいたし、ファッションが好きそうなおしゃれな人もいる。レザーのライダースにマーチンを合わせるゴリゴリのロッカーもいたし、ご年配の方もいた。これだけ多様性のあるファン層を持つということは、バンドとしての知名度もその分上がっていることだと思ったのですが、そういう成長を実感する瞬間ってありますか?
Julia:ちょうど「サマーソニック2016」に出演した後から、いろんなライブを経験してきて、確実に大きく成長できた気がしてるの。特に今年は、interpolや、Pixiesってやばいバンドのオープニングアクトもやったし、そういう伝説的なバンドのライブに携われる機会が増えてきたかな。それを着実に達成していったときに成長を実感する。
ーでは、まさにその成長期にリリースされたファーストアルバム『Human Ceremony』とセカンドアルバム『Twentytwo in Blue』について。サウンドもリリックも全体的にパワーアップした感じがしました。よりハードでクラシックな方向に向かったというか。
Julia:ファーストは特に、実験的な作品だったと思う。まだサウンドに関しても手探りで試行錯誤を重ねているような段階。そこからだんだんと自分たちを俯瞰して客観視するようになり、もっと深い自分を引き出すことができるようになった。それがセカンドに繋がってくるの。
Nick:そうだね。ファーストに関しては“Innocence(あどけなさ)”って言葉がぴったりな感じ。セカンドはそこから何歩も先に成長できた気がする。
Julia:私たちはバンドに何かテーマを掲げているわけじゃなくて、表現する音楽そのものがアイデンティティを形成すると思っているから、枠組みに捉われることなく自分の作りたいものを追求しているの。
ーそもそも何か他の音楽からインスパイアされることはありますか?
Julia:私はヴォーカルを担当しているのもあって、Joni Mitchellだったりみんながカラオケで歌うようなシンガーソングライターの曲を聴いてたよ。あとは、言うまでもなくロックは大好きなんだけど、そこに関しては君たち2人の方が熱量あるから、代わりにNickが答えて(笑)。
Nick:バンド結成初期はUnknown Mortal Orchestraや、Tame Imparaみたいなちょっと変わった曲展開をするサイケデリックロックに影響を受けていたんだけど、いまはNYの「Capital Tracks」ってレーベルにいるバンドのライブパフォーマンスかな。
ーそんな現在進行で大きくなっている3人が22歳を迎え、より自分たちらしさを表現できるようになった成長を感じられる渾身の一作が『Twentytwo in Blue』ということなんですね。
Julia:そうね。歌詞もすべて私が書いたし、こだわり抜いたアルバムよ。
Nick:前作以上にソングライティングに注力した作品でもあるよね。サウンド面に関しては、ファーストを発売した後の2年間にいろんなところでプレイを重ねていくなかで自然と次の段階に進めたような気がした。コーラスとか80年代っぽいヴィンテージなギターサウンドを多く取り入れていた初期の作品から、もうちょっと重みもあるし全体的に磨きがかかった感じ。
ーそういう意味では、『Human Ceremony』から『Twentytwo in Blue』でサウンドが変化してはいたんだけど、それはテイストを変えたとか方向性を変えたとか、そういうものじゃなくて、単純に3人が思い描いていたものがより実現性を帯びてきたと捉える方が感覚的には正しいんですね。
Jacob:そうだね。いつも頭に思い浮かんだものを音楽で表現してみようとするんだけど、最近はいままで以上にそれが実現できることが増えてきて、頭のなかのアイディアがちゃんと形になってきてるんだ。
Nick:バンドで音楽活動をするということは、演奏だけしてればいいってもんじゃなくて、ヴィジュアル、音楽性、MVの世界観などすべてを自分たちらしく表現することが必須だから、いろんなタイプのメディアを扱っていかなきゃならない。それがまるで、ひとつの大きなアートプロジェクトを進行しているような感じに思えるんだ。いつか多くの人に受け入れてもらえるといいなって思いながら取り組んでいるよ。
Julia:だからこそ、流行り廃りに振り回されて使い捨てのように扱われるのはごめんなの。どんなものにも私たちの世界観を感じることができるように真正面から向き合ってるわ。
ー最後に、これからの展望について教えてください。
Julia:昨日渋谷で見かけたトラックに『GLAY、56thシングル発売』と書いてあってびっくりした。どうやったらその域に達することができるの…! 私たちもあれくらいのレジェンドになれたらいいな(笑)。でもまず目先のことだと、1月25日に新EP『King of the Dudes』が発売されるから、そのアートワークにいま取り組んでいるところ。いろんな人に楽しんでもらいたいから、引き続き楽しみにしててほしい。