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萌える・萌えないどっちでも! いまはアニメを観るが吉?〈前編〉
萌える・萌えないどっちでも! いまはアニメを観るが吉?〈前編〉

ANIME! NOW OR NEVER

萌える・萌えないどっちでも! いまはアニメを観るが吉?〈前編〉

2020.03.06

萌えアニメは苦手?
そんな理由で食わず嫌いをしてるんじゃもったいですよ。
東京オリンピック開催からコロナで「中止だ中止」までを未来予言(!?)した
『AKIRA』の2020年を現実に迎えたいま、ガールフイナム編集部内では空前のアニメブームが到来!
世間もきっと同じでは? 語りたい! と勝手にアニメについて語る会を開催しちゃいました。
最近アニメを観だした編集部員とウェブデザイナーのMayu、
そしてフイナム随一のアニメ好きBobをゲストに招いた座談会形式でお届けします。
前編は、苦手意識を持つ人をアニメの世界へと誘うトピックをたんまりと。

ANIME PHOTO_IMDb

はじめに…。

Rachel:最初にBob君に謝らないといけないことが…。
Connan:はい。『SHIROBAKO』をしっかり観ました(笑)。まじでおもしろかったです。ホームページを見て勝手に萌えアニメかと思ってたら、真面目にアニメ制作現場の様子をきちんと書いていて。
Bob:そうであろうが! だから申したでござろう、「P.A. WORKS」がひたむきに働く女の子を描く“お仕事シリーズ”は鉄板ナリよ。
Rachel:ほんと『働きマン』的な話だったよね。
Bob:アニメの仕事って少ながらず、拙者たちのやっている雑誌の編集仕事とも共通点が多いのでござる。
Connan:でも、あっちの方が圧倒的に大変そうって思いました(笑)。
Bob:あと主人公の宮森あおい殿は入社して早々にも関わらず、かなり大役を任されていたナリね(笑)。ストーリーはリアルなれど、そこはアニメ的でござった(笑)。
Connan:入社して最初に関わった作品の最終話を担当したり、その次の作品からはデスクに昇進したり(笑)。現実離れしたキャリアアップでしたね!
Bob:左様左様。そのハマりようだと、いま絶賛公開中の劇場版を観に行くしかないなりね。いざマスクを持って映画館に出陣!

そもそもアニメの何が苦手?

Connan:周りの女の子が「映画を観るのは好きでもアニメは無理」って人が多いんです。いかにも性の対象とされているような萌えの表現があって、ちょっと無理…的な。私ももともとそうだったんですが、いまこうしていろんな人からおすすめしてもらったアニメを食わず嫌いしないで観はじめたら結局ハマったんですよね。となると、そもそも何故ああいう嫌な気持ちを抱いていたんだろうと思えてきて。なんでなんですかねー? やっぱ女の子がアニメを観るのに萌えはいらないのかな…? とか。
Bob:それは絵のタッチで、取っ付きにくいものがあるってことナリか?
Tina:先入観でアニメ=萌えが強いものだとか。
Miami:秋葉原的な?
Rachel:ツイッターで「お股のY部分を萌え絵で描く必要はないんでは?」の議論が白熱してたしねー。
Miami:それは思うときある! 完全にエロ込みで書いているだろうという。
Connan:でも『SHIROBAKO』を観て、萌えアニメの制作側も全員がそういうエロとして利用する人たちじゃないんだと知ることができました。純粋にかわいい女の子の一面を描きたいとリスペクトを込めて作っていると。当たり前のことなんでしょうが、個人的にひとつ偏見が払拭された瞬間でした。
Bob:その見た目だけで判断するなという話は、他のジャンルにおいても申すことができるナリね。例えば、音楽。ジャクソン5は「子供がブラックミュージックを歌えんのか」って話でござったり、ビースティ・ボーイズは「白人がラップできるのか」って話を見事に覆したでござるわけで。食わず嫌いって誠にもったいないナリ。だから、美少女アニメを観ないのももったいないのでござる! 度々申すと、『SHIROBAKO』を観ていたらあの絵にも次第に愛着が湧いてくるであろう? 拙者はとくにゴスロリ様こと小笠原綸子殿に並々ならぬ愛着が…ハアァーンッ!
Connan:はい(苦笑)。何度も登場する名言「どんどんドーナツどーんと行こう!」も(笑)。
Rachel:それがなー! どうも…。
Miami:現実世界ではまず発さないフレーズですもんね(笑)。ドーナツを持って…。
Bob:やるで候! あのような青春を、みんなも送りたいでござろうが!
Tina:それで言ったらー! 『変形少女』はその萌えを狙いつつ…最後は変なオチになるというトリッキーな展開で逆に好きです(笑)。 どの話も1、2分で完結するんですが終わり方がちょっとおかしい(笑)。一旦観てください。
Bob:カッコよきね。
Connan:帽子を取りに行ったんじゃー?
Miami:この一分間でツッコミどころがたくさんあるね(笑)。
Bob:美少女とメカの組み合わせは堪らんでござるな。アニメ好きの多くはメカやガジェットが好きだから、この手の組み合わせは大好物でござるよ。拙者も『最終兵器彼女』のちせが武器に化けたのを見てからハマったわけでござる。
Connan:あと『メイドインアビス』も個人的に覆されました。絵のタッチとストーリーの深さがリンクしていなくて、アニメに対して偏見持っていた頃の私だったら出会えなかった名作でした。
Miami:でも、その作品の当たりハズレってどうやって見分けるんですか? 実際に観てみないとわからないと思うんですけど…。
Tina:だからこそ口コミが大事で、友達からおすすめしてもらった作品はハズレない。的な?
Bob:どのアニメも最初の一話は、ヒキを作るという意味でも力が入ってるものが多いでござる。大抵のものはおもしろいはずで候。されど、3話あたりで作品ごとにストーリー展開が大きく変わってくる。だから、3話で自分に合うかどうかをジャッジすればいいのではなかろうか。
Tina:『約束のネバーランド』もそうだったかも!
Connan:じゃあ、一話目の段階で「うわ、これ苦手かも」と思っても、3話までは観てみるが吉ということですね。
Bob:いや、やっぱそれでも絵の好き嫌いは人によってあると思うナリね。ただ、それだけで判断するのはけしからんと。絵だけで判断せずに、監督や脚本家が誰なのかを気にしてちょーだい。それは映画も同じこと言えるで候? 「あの俳優は好きじゃないけど、あの監督だから見てみようかな」とか。それと制作会社もね。
Rachel:じゃあ、いまいちばんキテる制作会社は?
Bob:うーむ。人気あるのは物語シリーズの「シャフト」とか? 物語シリーズでござる。あと『魔法少女まどか マギカ』とかダークファンタジー系も。制作会社によってカラーが出たりするのでござる。

魔法少女まどか マギカ

魔法少女まどか マギカ

Rachel:『3月のライオン』もここのなんだ!
Bob:左様、一方でそういうのもやってたりするナリね。されどこれも時折どんよりした空気感を描いているし、そんな演出からも「シャフト」らしさが表れているなって感じたりも。「トリガー」だったらアツい熱血バトルものが多い、とか。『キルラキル』がまさに其れでござるよ。

キルラキル

Connan:これRachelにおすすめしてもらいましたね!
Rachel:したした! 私はこういうギャグっぽいロボットアニメが好きなの。『天元突破グレンラガン』とか…あ、これも「トリガー」のスタッフが以前所属していた制作会社でつくったものだった!
Connan:ちなみに、年代によって顔の描き方って変わるんですか? それぞれに特徴があるのかどうか。
Bob:うむ、しばし待たれよ。調べてみるナリよ。
一同:おおお。
Tina:私、2010年顔のを観てました。
Bob:深夜アニメがいちばん充実してござったたときじゃね。
Tina:いま秋葉原で『ハレ晴レユカイ』を踊れる人がいないって噂なんですよ。昔は街の至る所でモブで踊ってる集団を見かけたのに、10年経ったいまはひとりもいなくなってるんだとか…。
Rachel:へえ! 当時のファンはもう秋葉原にはいないんだ。
Tina:そういうことになるんですかね…!
Connan:顔の傾向としては年代が新しくなるほど、人物の描き方がまんまるになってきてる気がします。
Tina:目がどんどん大きくなって、幼女化してますね。
Connan:ぷにぷにした感じとか…。
Bob:80年代はやっぱり大友先生の影響が大きナリ。鼻の描き方が顕著でござる。されど90年代あたりからやばくなってきているナリな、黒目がどデカい。そう考えると、いまはリアルになってきたので候?
一同:うーん。
Bob:いや、実際にリアルなわけないですぞ! されど、90年代はすごい。目の下のラインと鼻のラインが同じ位置にあるんでござるか? こんな顔はまず有り得ないナリ(笑)。実際、この時代って変な人が多かったでござるもんね。
Rachel:まあね、宅八郎とかいた頃だもんね。
Bob:絵すら世紀末感があるもん。
Connan:来る新世紀に向けての不安と希望が込められている感じ。
Bob:ああ、だから目のなかがキラキラしてるでござるのか!『美少女戦士セーラームーン』とか『少女革命ウテナ』とか。オウムがあって阪神大震災があって…どんよりしたなかで、アニメくらいはキラキラさせたい! みたいな時代背景も大いに関係してるのではなかろうか!
Connan:ウテナは最新のGrimesのMVでフッテージ登場していてアガりました!

少女革命ウテナ

Rachel:ね! 最後の終わり方がちょっと不気味だったな。あ、あと『魔法騎士レイアース』もそうじゃない?
Bob:いや~確かに、目がやばいナリね。夢と希望がパンパンに詰まってるでござる。
Connan:幼稚園〜小学校のとき、絵を描くのが上手な友達がよくそんな女の子を描いてましたね(笑)。完全に影響されていたと思います。顔がカクカクしていて目のなかに星を描くやつ。
Tina:はい、そういうのを描いてた人でした(笑)。これが描けると、周りからちょっとしたスター扱いを受けられるんですよね(笑)。

Tinaのお絵かき

Bob:(笑)。ござったござった、そういうアニメ画が上手くてスターになってる子(笑)。
Tina:で、教室の後ろで『らき☆すた』のこれを踊ってた。
Rachel:みて、この90~00年代近辺の女の子向けアニメの変遷をまとめたページ。これを見ると変化がわかりやすーい!
一同:本当だ!
Connan:やっぱ90年代から急に、女の子が闘う系が多くなった気がしますね。
Bob:実際に強くなってきた、っていうのはなかろうか? 80年代初期のアニメは「スポーツ万能で頭も良い憧れの先輩に、恋するサエない女の子~」とか、どっちかと申すと男の方が憧れられる対象でござったが、『花より男子』でひっくり返ったような気がするで候。あの物語も主人公はサエない女の子だったけど、なぜか美少年4人組を従える逆ハーレム状態になってたろう? 選ぶ側になったんでござる。ちょうどこの年代から女性の立場が強くなっていったんでないか。
一同:なるほどー!
Bob:闘う女の子が登場するのは、そういうことではなかろうか。

美少女戦士セーラームーン

美少女戦士セーラームーン

Rachel:『美少女戦士セーラームーン』がまさにね。闘う女系がこういまも脈々と続いている礎になってたのか的な。
Bob:未だにあの月野うさぎ殿以外みんな死んじゃう最終回を観ちゃうんでござる。衝撃的すぎて。
Connan:脱線しそうなので次のトピックに!

ファッショントレンドの最前線はアニメだった!?

Rachel:2020年秋冬の〈トム ブラウン(THOM BROWNE.)〉のコレクションが擬人化した動物をモデルにしているかのような演出で、『BEASTARS』かと思った!

BEASTARS

BEASTARS

Connan:確かに!
Bob:ちなみに漫画も左様なれど、キャラクターデザインをするにあたって、ある程度、ファッション雑誌を読んだりしてるみたいナリ。
一同:へえー!
Tina:『鬼滅の刃』も色合いがおしゃれですよね。竈門炭治郎の羽織のチェックは〈ヴァンズ(VANS)〉かって。

鬼滅の刃

Rachel:新しい〈ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)〉に同じ配色のバッグがあった!

ドクターストーン

Connan:あと『ドクターストーン』の千空は〈メゾン マルジェラ(Maison Margiela)〉率高め。

ドクターストーン

Tina:あと同じく『ドクターストーン』の獅子王司も〈メゾン マルジェラ〉でした。ちなみにあのマイケル・ジャクソンは無惨様をパクったらしいですよ(笑)。
Rachel:『HUNTER×HUNTER』のクラピカが着ているものは〈サカイ(sacai)〉で買ったのかな?(笑) これ探すの楽しいね!

HUNTER×HUNTER

Bob:また漫画の話になっちゃうなれど、『五頭分の花嫁』が『週刊少年マガジン』の表紙になったとき、ちゃんとスタイリストも監修で入ってたらしいナリよ。
Miami:へえ! 誰がやったんですか?
Bob:森俊輔殿。ちゃんとキャラクターにもおしゃれさせたでござる。
Rachel:おしゃれさせたでござる(笑)。
Bob:あと、編集部にも何人かいるが街を歩いてても赤髪とかみどり髪の人をたくさん見かけるナリね。ふと「アニメみたいでござる」と思うことがあり…。金髪とかはあれど、ピンクやみどりっていままでアニメの世界にしかいなかったと思うんでござるな。
Connan:でもアニメの世界なら違和感ないんですもんね(笑)。
Bob:左様左様。誰も髪色のことはツッコまないナリね。と思うと、いまの若い女の子のトレンドってアニメの影響があるんじゃなかろうか!? と。
Connan:ああ~確かに、自分ふくめいろんな髪色にトライする人たちって、アニメーターさんがキャラクターデザインをする感覚で、その子の個性にあった髪色をやってるだけと思うんですよね。それが地毛とかけ離れた色になっても抵抗感なく染めてみよう的な。
Rachel:あと色によってある程度キャラも表れるよね、ピンクがガーリーで、みどりが負けん気強い感じとか。『美少女戦士セーラームーン』のあのキャラ込みの色分けが影響されているのかな…!
Connan:コスプレをしてるつもりなく、普通にカラコンをつけたり髪を染めたりしてる人が多いのは確かですよね!
Bob:いや〜やっぱ『美少女戦士セーラームーン』はじめアニメが少なからず、いまの女の子のファッション観や美意識に影響を及ぼしていると思うと感慨深いものがあるナリね。拙者も明日からタキシード仮面様のようにアイマスクとシルクハットを身につけるでござる! キリッ!