どんなにハマっても現実との区別はしっかり持って。

Connan：後半はもうちょっと切り込んだ話とか個人の偏愛的な話をして、もっとアニメに興味を持ってもらえるようなことを展開したいです。で、最初はアニメに恋愛要素は必要かということを議題にしたいのですが…。

Bob：はい。やっぱり…この機会に改めてはっきりと自覚しなきゃいけないんでござるが、アニメのキャラクターは生きてないナリね。

一同：（爆笑）。

Rachel：キャラに恋しちゃダメだと（笑）。

Bob：2次元と3次元を彷徨う者がいるナリよ、世のなかにはたくさん。深夜に一人でパソコンの前にへばりつきながらずっとアニメを観てると…没入しちゃうんでござるよ、如何しても！

Connan：境界線がなくなるんですね。

Bob：左様。断言申すが、彼女たちはこの世にいないナリ！

一同：（笑）。

Bob：『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の最後の方で、実写パートがあるナリね。あのなかで、映画館でエヴァをみてるファンを映した実写のシーンがあって、その後にアスカが「気持ち悪い」って言葉を投げつけて終わるんでござるよ。

Connan：そんなシーンありましたね！

Bob：あれはなんだったのかと申すと、アニメに没入してる奴らに「気持ち悪いでござるよ、現実を見よ」という庵野さんからのメッセージではないか、と言われているでござる。その頃はちょうどエヴァブームの絶頂期で、世のなかで綾波レイ派かアスカ派かって話が日常的に飛び交っていて、その現象の中心にいる人たちに対して「もっと広い世界を見よ」と言われてしまうある種残酷なシーンでもあるナリね。それくらいアニメには現実との区別がつかなくなるほど人を没入させる力があるんでござる。

Connan：確かに幼少期の頃は、ポケモンって本当に存在する生き物だって思ってましたもん。草原や山のなかとかにいる！ と信じていて探したこともありました（笑）。

Bob：拙者も『とらドラ!』の逢坂大河にハマったときはもう現実を見ることができなかったナリ。二次元世界に潜りすぎて大変だったでござる（笑）。ちなみにこれはラノベ原作で、ラブコメの傑作と言われている作品でござるが…。

Mayu：ああ観ました、『とらドラ!』。

Bob：泣いたでござったか？

Mayu：いや、泣いてはないけどめちゃめちゃツンデレだったなと。あんな史上最強のツンデレ・萌えアニメはもう作れないんじゃないかレベルで！

Connan：萌えアニメなんだ（笑）。観れるかな…。さっきBobさんがどんなアニメでも3話までは頑張って観るべきって言ってたし…。

Mayu：最終回がやばいんです。

Bob：カーテンにくるまって…。あれは泣けるナリ。

Mayu：ええー？

Bob：まあまあ、しかしそういうツンデレスキルをMayuさんは一度目にしたことでもう身につけているんでござるよ。あの『とらドラ!』24話を観たことで、あなたはもうツンデレの人になれるんだから！

Connan：Bobさんまた没入しちゃってますよー！

Rachel：でもやっぱ、ラブコメ系が楽しめないんだよな～。

Miami：ラブコメだけだと、ずっとは観れないかもですね…！

Tina：その一因なのかわからないけど、アニオタとリア充って対比関係に置かれるじゃないですか。あれってアニオタはアニメを観て妄想を抱いてそのなかで満たされているけど、リア充はこれで妄想すること自体が必要ないわけで。現実世界でおしゃれな服着たり、恋愛したり充実している人は、わざわざアニメで恋愛要素を求めないですよね。だからこそ、2次元世界で恋したり、そこで満たしているオタクのことをあまりよく思えなくて、そこから萌えアニメへの偏見も生まれていく…とか!?

Connan：リア充かは置いといて、恋愛アニメに没入しすぎて現実を見れなくなるのはただただ怖いかも…。やっぱりアニメに対しては恋愛よりもファンタジーとかSF、アニメにしか実現し得ない世界観とストーリー性を求めてしまいますね。

Tina：それなら『BANANA FISH』は世界観も構築されていて、恋愛もチラッとミックスされてておすすめですよ！

Miami：『名探偵コナン』もそうだよね（笑）。

Connan：蘭ちゃんが新一を想う気持ち、健気ですよね〜。

Rachel：私は『交響詩篇エウレカセブン』だな。48話の「バレエ・メカニック」だけでも観てほしい。全部観るのは話数が多すぎて疲れちゃうかもなので…！

Bob：エウレカは音楽ネタが随所にオマージュされているから、そういう観点で見ても楽しめるで候。サブタイトルを例に申すと「バレエ・メカニック」は坂本龍一から引用しており、一話の「ブルーマンデー」はニューオーダー、伝説の26話「モーニング・グローリー」は言わずと知れたオアシスだったりするナリね。そのほかにもたくさんネタが落とし込まれてるのでござるよ。それにしても年で4クールあるアニメだと一から観るんじゃ辛いナリね。没入して気付いたら朝7時になるやつで候。

ドラゴンボールは手堅く買い揃える派です。

Connan：さっきの2次元だからこそ叶うことって話だと、アニメならではの非現実的なスペックを搭載した道具、例えば「どこでもドア」とか「メーヴェ」とか数々あると思うんですが、みなさんが思う「これ、現実でも欲しい～！」ってものが知りたいです。

Miami：『ドラえもん のび太の日本誕生』に登場する「畑のレストラン」かな。大きなダイコンの中身に食べたい料理が入ってるやつ！

Rachel：のび太は頭悪くて、半分に割らずにダイコンのまま食べちゃうのよね（笑）。

Tina：あと、ドラえもんの道具なら「あらかじめ日記」さえあったらオールオッケーな気がします（笑）。

一同：確かに。

Miami：あと、アニメの道具って登場するタイミングとか、時期を狙っている感じはおもちゃ会社との繋がりを感じますよね。実際に具現化しそうなものとかを商品化して…とかそういう。

Tina：『プリキュア』とかまさにですね！

Rachel：あ！ 『東のエデン』で12人のセレソン達に配られたというあの「ノブレス携帯」もちゃっかり商品化されてるよ！

Connan：本当だ！

Miami：でも、コナン君の道具は実現が難しそうだよね（笑）。

Connan：それはそうですね（笑）。どこまでも伸びるサスペンダーとか、サッカーボールが放出されるベルトとか、変声期付きの蝶ネクタイとか。

Miami：でもスペックまで実現できるか、できないかはさて置き、アニメのなかでいちばん具現化しやすいものが道具なんだろうなー。

Tina：『夢のクレヨン王国』の香水の小瓶が集まったパレットとか！

Connan：あと、あれ持ってる人いた！ 遊戯王のカード差し込むあの…。

Bob：あれはかっこいいでござるよ。

Connan：「俺のターン！」って（笑）。

Bob：それまだ秋葉原に行ったらおっさんでやってる人いるナリ。全然いるナリね。

Rachel：ジブリショップであれは買ったことあるよ？

Connan：飛行石ですか!?

一同：（笑）。

Mayu：飛行石は買いがちですよね〜（笑）。

Rachel：買いたくなるよね！ 飛べるかもだし。

Miami：石繋がりで、『ドラゴンボール』もやっぱりみんな欲しいものですよね。

Bob：ドラゴンボールはもう家に7個ちゃんと揃ってるナリ。

Connan：探さないんですね（笑）

Bob：左様、うちにドラゴンボールはもう集まってるナリ。秋葉原にあったで候。ストックもちゃんとある。

ヒプマイに続け！ 広がる世界、アニメ化の新境地。

Miami：Bobさんヒプマイはもちろん知ってますよね？ さっきの恋愛の話じゃないんですけど、ヒプマイもキャラクターがいっぱいいて、誰が好きみたいな推しを見つけるような楽しみ方があるような…。

Bob：これは完全にそういう楽しみ方で候！

Rachel:主役の山田兄弟が池袋出身なのがなんでかっていうのを、最近までわかってなくてまだまだだなって思いました。

Miami：え、なんでなんですか!?

Rachel：池袋が腐女子の聖地だからですって！

Miami：はあー！ だから最初に池袋が登場するんですね…。

Rachel：本当、失礼しましたって感じですよ。土足で人の家に踏み込んでいるような気持ちになりました。

Bob：かっこいいナリね。オッドアイは厨二病の憧れ。自分も一時期『コードギアス』のルルーシュの真似ばかりしていたでござる。

Rachel：藤井フミヤじゃんね、私たちにとって両目の色が違う人ってのは。ちなみに、どこディビジョンが好きですか？

Bob：難しい…横浜でござるか？

Tina：横浜は人気ですよね。私はオールスターズの曲を聴いたときにいちばんリピートしちゃうのは新宿 ディビジョンです！

Rachel：わかる！ 新宿もなんかテンションが違ってていいよね。

Miami：新宿らしいチャラさが（笑）。

Bob：このライブ会場に実際にいたらすごく楽しいと思うナリ。会場が縦に揺れてるでござる。

Tina：R-指定のDNAを感じつつ、それをアニメ声できける醍醐味が…！

Rachel：いやーこのチケット取れないんだよね。アルタ前の動画みた？ ファンで埋め尽くされていたんだけど…。

Bob：もちろんあるで候！ 拙者も一時期こればっかり聴いてたくらいハマっていたナリね。やっぱり、始めはちょっときついなって思ったこともあったけど、そんなのとっくに通り越えて普通にいい曲なんだなって思えたナリ！

Miami：楽曲制作も各地で所縁ある人にお願いしてますしね！

Rachel：そうそう！ サイプレス上野が作っていたり。

Bob：ZEEBRAとかも書いてるナリね？ 意外とは申せぬがすごい豪華でござるよ。

Miami：ラッパーの人たちにお金が回るならいいことですよね！ しかもヒプマイってこう音楽原作というか設定ありきからアニメ化にするという新しさもあるなって思いました。

Bob：こういうのもおもしろいナリね。すでに漫画は出ていて、それがいよいよアニメになるのでござるよ。

Rachel：確か漫画は、ディビジョンができる前のそれぞれのリーダーたちが組んでいたという伝説のグループの話みたいで。『ヒプノシスマイク　－Ｂｅｆｏｒｅ　Ｔｈｅ　Ｂａｔｔｌｅ－　Ｔｈｅ　Ｄｉｒｔｙ　Ｄａｗｇ』のことね。

Bob：誠でござるな。

Rachel：あ、CDもあったんですね。

Bob：最近どうやら声優専門のレーベルを立ち上げたみたいナリ。CDが売れなくなってきちゃったから、コアなファンがいる声優やアイドルしか売れない厳しい市場のなかでは自然な流れでござるよ。

Connan：音楽原作…他にもないんですか？ 例えば、SNS原作みたいな。

Tina：ツイッターから登場した『ラブホの上野さん』とか？ ラブホで働いてた上野さんが匿名で様々なラブホ事情についてツイッター上で話していて、それが漫画化、ドラマ化されたんですよね。

Bob：興味深い流れナリね。あと、このヒプマイで池袋とか横浜とか街ごとに分かれる設定って要するに、ヤンキー漫画のフォーマットでござるよ。族の抗争をラップ軍団で作るみたいな、バイクのアクセルがマイクになったというあれの。

一同：（笑）。

Tina：「武器を持つ時代は終わり」と書いてありますしね（笑）。

Bob：ヤンキー漫画を読んでて胸が熱くなる感覚があるんだと思うナリね。

Connan：最近の族も実はアニメに影響されてますもんね。族の挨拶動画を見たんですが、2010年くら いの族の挨拶が、アニメ用語を交えて挨拶してる人がいっぱいいて。こっちの文化に対する拒みとか歪みとかないんだなって思いました。彼らにとってもアニメはクールなものとしてあったということでもあるのかなというか…。

Bob：アニメに影響される族ってなんか…あれナリ。

Connan：痛車にする人やあれをかっこいいと思ってやってる人ってもはやオタクだけじゃないというか、グレた人たちも憧れているのかなと思いました。

Tina：中二病みたいな部分とリンクしてますよね。

Connan：確かに！ 中二病をかっこよくしたみたいな、表裏一体なところあるかも。

Bob：あるナリね！ 拙者の世代だとクルマに浜崎あゆみのマークをスプレーで書いてたりとか、で その浜崎あゆみが美少女キャラになってるみたいことと同じでござるよ。みんなウーファーでアユの曲を聴いていたのがアニソンになってるみたいな、それはあるかもナリね？ いや、ないで候！