甘いだけじゃない。にしなのplum
Love Myself.
甘いだけじゃない。にしなのplum
2024.10.29
“甘いだけのピーチに成り下がれない”
にしなさんの新曲『plum』は、
心地よいメロウなメロディと
耳に残る印象的なリリックが特徴。
甘さだけでなく酸っぱさも
持ち合わせたプラムのように、
素敵じゃない部分まで愛して欲しい。
そう話してくれた彼女の姿を、
渋谷の街とともに記録しました。
Photo_Kodai Ikemitsu(bNm)
Styling_Daichi Hatsuzawa
Hair & Make-up_Ryoki Shimonagata
Model_Nishina
Edit_Shunta Suzuki
- ーまずはロケ撮影、お疲れさまでした。
- お疲れさまでした! 自分では絶対思いつかないようなスタイリングやヘアメイクで……。短い時間でしたが、とても楽しかったです。
- ーよかったです。撮影には、にしなさんの私物も使わせていただきました。
- この世界観に自分のエッセンスも取り入れてもらって。どんな仕上がりになるんだろうと、純粋に仕上がりが楽しみです。
- ー持ってきていただいた中でいくつか気になるものが……。このトリケラトプス? はいったい?
- これはバッグです(笑)。普段使いはしておらず、お部屋のインテリアとして飾っています。でもそろそろライブで使ってみようかな、なんて思っています。
- ーそのほかにも気になるものがたくさんあります(笑)。
- 指人形は、沖縄の雑貨屋さんで見つけた掘り出し物です。昔からこういうしょうもないものが好きで、ついつい集めてしまうんですよね(笑)。
- ーこういうのって集め出すとキリがないですよね。では、普段のお洋服はどんなテイストが好きですか?
- あまりかっちりしたものを着ることはなくて、基本カジュアルなスタイルが多いです。最近だとダボっとした組み合わせの中にあえてタイトなものを取り入れたり、一点だけ女の子っぽいアイテムを身につけるのが好きです。
- ーお話ししていて、お洋服も好きなのが伝わってきます! いま欲しいアイテムはありますか?
- 迷彩のキャップが欲しくて、ちょうど探しているところです! あとはかわいいアクセサリー。いわゆるなブランドものは自分には似合わないかな、と思っているんですが、ヴィンテージだったらアリかも? と最近感じていて。新品すぎるとどこかおっくうだけど、古いものだと普段の服装にも馴染む気がしたんです。
- ーその気持ち、わかります。新品より古着の方が使いやすかったりもしますもんね。
- そうですね。古着もよく着るので、そのせいもあるかもしれません。
- ーそれでは、先日リリースされた新曲『plum』についてのお話を聞かせてください。この曲はいつ頃書かれたものなのですか?
- 詞を書きはじめたのは2年前くらいですね。曲をつくるのに結構時間がかかってしまったんですけど、それがやっと完成して。
- ーそんな楽曲のアレンジを担当したのはYaffleさんでした。お仕事するのは初めてでしたよね?
- たまたま共演したことは直近であったんですが、アレンジをお願いしたのは今回が初めてです。なので『plum』がどんな曲になるのか、仕上がりがすごく楽しみでした。
- ー依頼をする際に、にしなさんからYaffleさんへリクエストしたことはありますか?
- 弾き語りでつくったデモ音源をお渡しして、こちらからの大まかなイメージや製作意図をお伝えしました。『plum』は、どこか気だるい感じがありつつも、誰がどこで聞いてもリズムに乗れるような曲調にしたくて。ニュアンスだけお話しして、あとはYaffleさんにお任せさせていただきました。
- ーなるほど。その後、アレンジ後の楽曲を初めて聞いたときはどうでした?
- 聞いた瞬間、ぴったり! って思いました。自分のイメージと合致していて、とてもうれしかったです。
- ーそれでは、すこし戻って……。そもそも『plum』はどういうきっかけで生まれた曲なんですか?
- 『plum』はフルーツのプラムなんですけど、小さい頃からなんでこんなに酸っぱいんだろうって思っていて、特に種のそばとか(笑)。ほかの果物は甘いものばかりなのに、という気持ちがずっとあったんです。
- ーそう思うと、確かにそうですね。
- この気持ちが曲になりそうだな、というのはどこかで思っていたかもしれません。そのあとジャスティン・ビーバーの『Peaches』という楽曲に出会って。 “Peaches”ってなんだろう? 桃? と思って調べたときに、スラングで“素敵な人”という意味が出てきたんです。
- ーピーチにそんな意味があったなんて知らなかったです!
- そこから自分に置き換えたときに、わたし自身も全部甘い人間じゃないというか、こんな完璧ではないよなと。プラムみたいに酸っぱいところ、素敵じゃないところがあっても愛したい、愛されたいなと思って曲を書き始めたんです。
- ーだから『plum』という曲名なんですね……。納得です。製作していく中で、大変だったことはありましたか?
- 最初に弾き語りをつくったときは、特に大変だったという記憶はないです。完成まで時間はかかっちゃったけど、自然と曲ができあがっていたぐらいの感覚で。
- ー制作中のYaffleさんとのやりとりはどうでしたか?
- さっきもお話した通り、パッとあがってきたものがとても素敵だったので、そこからは微調整をしていきました。どのくらい乗れる感じにするか、気だるさを残すか。そのバランス感の調整は結構したかもしれません。あとはDメロで声の質感が変わる部分があるんですけど、そこはYaffleさんのスタジオに入ってつくりました。実際にやってもらいながら、細かなチューニングをしつつ。
- ーふたりのイメージを擦り合わせて、完成まで辿り着いたんですね……!
- 曲中にある女性の声ネタみたいなのはYaffleさんのアイデアです。こっちから出したわけでもなく、自然と入れてくれていて。すごくよかったのでそのまま採用させていただきました。
- ー『plum』のジャケット写真がとてもかわいいです。描かれているのはキャラクターですか?
- nico itoさんの作品ですね。これは最初、MVの監督をしてくれたAkari Edaさんと話したのがきっかけなんです。いろいろ打ち合わせをして、最終的に残った案がわたしの顔が爆発してプラム星人になるというもので(笑)。
- ー斬新です(笑)。
- じゃあ誰にそのキャラクターをつくってもらうかと探していたときに、挙げていただいたのがnicoさんでした。nicoさんとお仕事自体はしたことがなかったんですが、展示会に足を運んだこともあって。いつか一緒になにかできたらと思っていた方だったので、すぐにオファーをさせていただきました。
- ー公開されているMVを観ましたがすごいですね。プラム星人が踊ってる!
- かわいいですよね。ちなみにこのMVは、ワンカットの一発撮りなんですよ。だからずっとカメラが回しっぱなしの映像を使って製作しています。ただ、裏話的なことを言うと、ちょっとしたハプニングシーンもそのまま使われています(笑)。
- ーえ、ハプニングですか?
- 撮影中にピアスが服に引っかかっちゃって。でもそのハプニングもリアルでおもしろいし、全部含めてお気に入りのMVです。言われないと気づかないかもしれませんが(笑)。
- ーあとでもう一度観てみます! 11月からツアーが始まると思うのですが、意気込みなどを聞かせてください。
- 今年のはじめに開催したツアーが「Feeling」というタイトルで。そのときはわたしもステージも白くしたんですけど、今回は別の見せ方ができればと思っています。
- ー今回のツアータイトルは「SUPER COMPLEX」でしたね。
- 「SUPER COMPLEX」って聞くと、めちゃくちゃネガティブに感じるかもしれないんですが、同じ言葉で化学用語があるんですよ。生命を維持するのに必要で、すごく大事なものらしいのですが……。こんなふうに視点を変えるだけですごくポジティブに見えるというか、楽しく聞こえてきませんか?
- ー視点を変えるだけで感じ方や気持ちも変わるというか……。
- はい。前回のようにわかりやすい白、ではなく、今回はちょっと暗い空間をつくってみようかなと。でもまだ構想段階なので、実際のツアーを楽しみにしておいてください(笑)。
- ー今から楽しみです! それでは最後に、ガールフイナム読者に一言お願いします!
- 新曲の『plum』は少しひねくれているようにも感じるんですけど、“素敵じゃない部分まで愛されたい”と思って書いた曲で、ぜひ気に入っていただけるとうれしいです。よかったらライブにも遊びに来てください。
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Style 1
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