GIRL HOUYHNHNMGirls Just Want To Have Fun!
他でもなく自分のために動いている人。vol.04 中村貴咲
他でもなく自分のために動いている人。vol.04 中村貴咲

MY HEART IS MY MUSCLE.

他でもなく自分のために動いている人。
vol.04 中村貴咲

2019.11.08

絶え間ぬ努力で自分の理想の体型を手に入れ、自信を持つことはいいことだけど
もしその前に塞いだ気持ちになってしまっているのであれば、一度顔を上げてみてほしい!
目の前にいるありのままのアナタさえ受け入れればもっと自信を持つことができるのだから。
もっと自分が生き生きとするために、自分の体をもっと愛するために、運動してみてもいいはず。
〈アシックス(ASICS)〉が打ち出す新トレーニングウェア「THE NEW STRONG ™」は
企画、デザインすべてを女性スタッフが担当し、そんな力強く生きる女性に向けて誕生しました。
その魅力を探るべく、実際に運動をルーティンにしている女性4名に登場してもらいます。
最終回は、エックスゲームズをはじめとする海外のメジャー大会をいくつも制し、
現在は東京2020オリンピック出場を目指すスケートボーダーの中村貴咲さんが登場!

Photo_ Riku Ikeya
Styling_Hiromi Toki
Model_Kisa Nakamura

ASICS 「THE NEW STRONG ™」ジャケット ¥9,500+TAX(他すべて本人、スタイリスト私物)

地味だけど小さな目標を達成し続けるから、また強くなれる。

ー中村さんの生活において、スケートボードが占めてる割合ってどのくらいだと思います?
寝るときも考えてます。できない技を練習していたり、乗ってるイメージが勝手に湧いてきちゃうんですよ。練習時間でいえば1日4時間くらいで、あとはパークにもいる。それ以外の時間も頭では考えているから、生活のほぼすべてなのかも。
ーもともとはお父さんの影響で始めたんですよね?
サーフィンをやっている父で、娘にもやらせたいなと思ったみたいです。最初は海に行ってましたけど、まだ小さかったし、危ないじゃないですか? それで横ノリ繋がりでスケートを始めました。当時はお受験をするような私立の幼稚園に通っていたから、そこでスケートをやる子はいなかったけど、週1回のスクールに行くようになってそこで友達もできたし、自分も楽しかったんだと思います。
ーその後8歳でシニアが出場する大会で優勝、中学生になると全国大会連覇、高校生になると海外遠征も増えました。普通の女の子ができないことをたくさん経験してきたと思うのですが、これまでどんな学生生活を送ってきたんですか?
中学生のころがいちばん厳しくて、遊んだ記憶はないですね…。常に父から「練習しなさい」と言われていたので。海外遠征になるとひとつの大会に参加する度に1〜2ヶ月は海外にいましたし、高校生になっても遊ぶ時間がなかったから、正直そういうのには憧れていました。
ー戦歴という意味で最も際立っているのは2016年のエックスゲームズ優勝だと思いますが、気持ちの面でいちばんうれしかったときはいつ?
中学1年生か2年生のときに初めて全日本で優勝したとき。いまでも鮮明に覚えているし、あのときがいちばんうれしかったです。
ースケートボードをうまくなるために、自分のなかで心がけていることはありますか?
毎日滑る前に目標を立ててそれを紙に書いて、達成するまで帰らないように決めています。スケートボードってコーチがいないから常にひとりだし、疲れたら帰ることもできるんですよ。嫌いだからという理由だけで無意識に練習することを避けちゃってるトリックもある。でも、それを克服しないと勝てないくらい最近は周りがレベルアップしているから、自分に厳しくしないと。練習する技、メイクする回数、それを達成するまでの時間まで細かく目標を決めています。
ー幼少期から、たくさんの時間をスケートボードに注いできました。そこまで打ち込める原動力って何なんですか?
スケートボードを広めたいという想いはもちろんありますけど、やっぱり勝ちたいから。出場するすべての大会で勝ちたいし、いまはそのために日々練習しています。
ー最近の国際大会では、多くの日本人の女の子が上位争いをしていますよね。しかもみんな若い!(笑)
そう、12歳とかなんですよ! 自分も若いって思ってたんですけど(笑)
ー他のスポーツを見渡しても、ひとつの競技でここまで日本人が活躍しているケースはあまりないと思います。同じ日本人としていまの状況をどう思いますか?
4年くらい前まで、日本人の女子って私ひとりだったんですよ。日本にも上手い子はいるのに、招待選手しか出場できないのが自分は嫌で。もっとチャンスがあれば日本でも盛り上がると思ってたから、「(四十住)さくらを出してほしい!」って頼んだくらい(笑)。相手が日本人だと余計に負けたくないって思えるし、それで自分ももっと上手くなれるから、いまの状況は私にとってもプラスでしかないんです。
ーもちろん大会で優勝できるのが望ましいけど、ときには負けることも。そんなときはどうやって気分転換するんですか?
私、メンタルが本当に弱いんです。負けたあとは本当に落ち込んでて、励まされると余計グサッときます(笑)。大会が終わったあとって大体は翌日か翌々日に帰国するので、それまでは落ち込むだけ落ち込んで、日本に帰ったら動画を見て、ダメだったポイントを練習する。克服することで持ち直せるし、そうじゃないとみんなにも勝てないから。
ースケートボードを通して学んだことって何だと思います?
ひとつのトリックを会得するまでにはすごく長い時間がかかるんです。どのスポーツもそうだと思うんですけど、過程はいつも地味だし、何回も繰り返して何回も悩んで。でも、それがあってこその達成感。当たり前のことですけど、自分の目標を達成することの大切さを学べたことがいちばん大きいですね。
ースケートボードをするときに着る服のこだわりは?
スケーターっぽくないタイトなTシャツとか、「汚れたら嫌だな」って思う服を着て滑るのが好きなんです。その方がテンションも上がるじゃないですか?
ー動きづらさを感じることはないんですか…?
若干ありますけど(笑)、そこは我慢! でも今日着たトレーニングウェアは、動きやすいしデザインもかわいかったです。
ーいま履いているシューズは〈アシックス〉と共同開発しているモデルですよね? こだわったポイントは?
もともと分厚いソールのシューズが苦手で、スケートシューズにしては薄めのソールにしてもらったから感触はいままでいちばん良いですね。海外メーカーのものと比べても足によくフィットして、履いている感じがしないのも驚きました。紐が破れないよう、シューレースが内側に食い込むようになっているのもこだわり。これまでのスケートシューズで、こんなデザインなかったと思うんです!
ー来年はいよいよ東京2020オリンピック。過去のインタビューで「オリンピックより海外での戦績の方が大事」という記述を見かけたのですが、その考えはいまも変わらない?
それは変わっていませんが、オリンピックの正式種目になったことで多くの方々が選手をサポートしてくれたりフィーチャーしてくれることが増えたので、前よりも出たいという気持ちは強くなったし、出るからにはメダルを取りたい。ただ、私たちのような選手がいれば、街中でがんばっている子もいるように、いろんなジャンルがあってこそのスケートボード。今回のオリンピックをきっかけに、結果だけではなくカルチャー全体として発展できればうれしいです。

Archives

INFORMATION

ASICS THE NEW STRONG ™

asics.tv/thenewstrongcollection